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イ・ソヨン氏、帰還中3重事故に遭っていた(下)

精密検診の結果、首などに打撲症

 大気圏に入った後も事故は続いた。通常なら帰還船は過酸化水素燃料の推進体を利用し、地面との角度を30度に維持しなければならない。そうでないと大気圏に突入する際、空気との摩擦熱を冷やして速度を抑えることができないからだ。しかし落下傘が開く前までの5分から6分の間に作動しなければならない推進体も故障した。ロシアのインタファクス通信は、匿名のロシア連邦航空宇宙庁職員の証言として、帰還船は防熱板のある部分から大気圏に突入しなければならないのだが、機械の故障で防熱板の反対側にあるハッチ部分から先に突入したと報じた。運が悪ければハッチに火が付き、人命が失われていたかもしれないということだ。インタファクス通信はまた、帰還船内部の圧力を外部と合わせるバルブも損傷していたとも報じた。

 ロシア連邦宇宙庁は、「大気圏を通過する際に外部のアンテナが全焼し、救助隊も35分遅れで帰還船に到着した。帰還後、アンテナの故障で帰還船内部に煙が発生したことから、搭乗員たちは計器の電源を切り、自らの位置を知らせるための通信も途絶えた」と説明した。

 落下傘は決められた時点で開き、着陸の2秒前に軟着陸用の逆噴射ロケットが稼動する。しかし加速度がついた帰還船を統制することはできなかった。帰還船は地中30センチの深さにまで突き刺さった。地上に衝突した位置はイ・ソヨン氏が乗っていたすぐ近くだったため、イ氏は他の乗組員よりも大きな衝撃を受けた。イ氏は30秒ほど動くことができず、煙を発見して駆けつけた現地の住民の助けを得て、何とか宇宙船の外に出ることができた。

 教育科学技術部は、イ・ソヨン氏が29日から忠清北道清原の空軍航空宇宙医療院で精密検査を受けた結果、首の骨や胸椎(きょうつい)に打撲症があるが、長期の入院が必要なほど深刻な状態ではないことが確認された、と30日に発表した。

李永完(イ・ヨンワン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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