宇宙飛行士イ・ソヨンさん、気になる健康状態は?
韓国初の宇宙飛行士イ・ソヨンさん(29)=写真=が29日、李明博(イ・ミョンバク)大統領との面談をはじめとしたすべての日程をキャンセルし、精密検査を行うため入院したことが分かり、健康状態が相当悪化しているのではないかという懸念の声が広がっている。専門医たちは、イさんが筋肉や靱帯(じんたい)をひどく損傷している可能性があるとみている。その場合、回復するまでには少なくとも1週間以上の入院が避けられない見通しだ。
28日に帰国したイさんは、ソウル市内のホテルで一晩休み、29日午前に忠清北道清原郡の空軍航空宇宙医療院で精密検査を受けた。イさんの主治医である同院のチョン・ギヨン院長(空軍大佐)は、「着陸時の物理的な衝撃によるとみられる、首や腰、肩など全身の激しい痛みを訴えている。骨に異常はないとみられるが、筋肉の破断や靱帯の損傷が疑われる」と話している。
- 今月28日、仁川空港に到着したイ・ソヨンさんが母親と抱き合っている様子。苦しそうな表情を浮かべている。/写真=オ・ジョンチャン記者
精密検査ではX線、コンピュータ断層撮影(CT)、核磁気共鳴画像法(MRI)による検査や血液検査、各診療科の診察が行われた。チョン院長は「帰国前にロシアでX線検査を受けた結果、骨に異常はなかったというが、損傷している部位を撮影しなかった可能性もあるため、再度検査を行った。30日ごろに結果が出る予定で、航空宇宙研究院と協議した上で入院させるか否かについて決める」と話している。
一方、専門医たちは、イさんの症状について「交通事故に遭ったのと同じ状態だ」と指摘した。
高麗大病院リハビリテーション科のピョン・ソンボム教授は、「人間の体は瞬間的に大きな衝撃を受ければ、背中や首の周りの筋肉が硬直し、激しく収縮する。この状態が続くと、筋繊維が固まることにより、激しい痛みが続く“筋膜痛症”になる」と話している。
着陸の際に頚部の固定が十分でなかった場合、頚椎(けいつい)周辺の靱帯を損傷している可能性もある。イさんは最近行われたインタビューで、「今月19日に地球へ帰還した際、体に大きな衝撃を感じた」と話している。
イさんを乗せた宇宙船「ソユーズ」は、帰還船と軌道船の分離が上手く行かず、さらに大気圏突入後に帰還船の姿勢を調整する過酸化水素燃料の推進体も作動しなかったため、通常よりも鋭い角度で大気圏に突入した。イさんは「水晶体(目の組織)も圧迫され、視界が悪くなり焦点もぼやけた状態だった」と説明している。また、着陸時には「体が後ろ側に激しくぶつかったような感じがして、30秒ほど手足がまったく動かなかった。人が死ぬとき、こういう状態になるのだろうかと思った」とも証言した。
金哲中(キム・チョルジュン)記者
李永完(イ・ヨンワン)記者
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