宇宙船に故障、21億円出してもダンマリの韓国政府
韓国初の宇宙飛行士、イ・ソヨンさん(29)と控えの宇宙飛行士、コ・サンさん(31)が28日午前9時25分、仁川国際空港に到着する。しかし、イさんが乗り込んだ宇宙船「ソユーズ」の帰還船が深刻な故障を引き起こしていたとの報道が相次いだことで、韓国人宇宙飛行士の育成事業をめぐり再び論議が巻き起こっている。韓国政府はロシア政府に膨大な資金を出資したにもかかわらず、宇宙飛行士の生命と直結した問題については意見することができなかった。
外信の報道や専門家たちの証言をまとめると、イ・ソヨンさんの今月19日の帰還過程には「事故」の形跡が見られるという。米航空宇宙局(NASA)のウィリアム・ゲルステンマイアー副執行官は、米国のメディアとのインタビューで「大気圏に突入する前に帰還船とその後ろ側にある推進船を分離するが、この過程に問題があった」と話している。また、航空宇宙研究院のチェ・ギヒョク宇宙飛行士事業団長は「大気圏突入後に帰還船の姿勢を調整する過酸化水素燃料の推進体も作動しなかった」と明らかにしている。
結局、帰還船は予定よりもはるかに鋭角で落下することになった。このため予定よりも2分早く、着陸予定地点より420キロも西寄りの地点に着陸した。にもかかわらず、宇宙飛行士事業団の関係者は「否定的な報道が出ないよう、ロシア側と協力することで話し合いがついた」とし、これ以上問題には口を挟まない姿勢を示している。
- コ・サンさん、イ・ソヨンさん(左から)
これに対し、宇宙航空分野のある大学教授は「200億ウォン(21億円)もの金額を出した顧客の言うことではない。宇宙飛行士事業は、政府の交渉力不足で甲と乙の関係が完全にひっくり返ってしまっている」と指摘した。
イ・ソヨンさんは22日、モスクワで行われたインタビューで「落下速度があまりにも速く、(軟着陸のための逆推進)エンジンが作動していたにもかかわらず、衝撃が大きかった。これでは死人も出かねない(という気がした)」と話した。さらに、ロシアのインターファクス通信は、匿名希望のロシア人関係者の話として、大気圏に突入したとき、胴体が逆さになったため放熱板が後ろに行ってしまい、ハッチが直接大気にさらされてしまった」と報じた。最悪の場合、大気との摩擦でハッチが溶け、宇宙飛行士たちの生命が危険にさらされる可能性があったというのだ。
こうした政府のあいまいな態度は、打ち上げ前日の記者会見でも確認されていた。当時韓国から参加していた取材陣は、記者会見に一人も参加することができなかった。中継権を獲得したテレビ局が来るため、これ以上、韓国の取材陣は受け付けられない、というロシア側の主張を韓国政府が受け入れたためだ。
また、宇宙服と発射体の表面に張り付けることになっていた企業広告が消えてしまったのも、同じ背景からだ。1社当たり30億ウォン(約3億1500万円)以上の広告費を受け取っていたにもかかわらず、地上官制塔のモニター前にある立て看板にようやくロゴが張り付けられただけだった。
さらに、一部では「許可されていない教材を韓国国内に持ち込もうとしたことが引き金となって、コ・サンさんが正規の宇宙飛行士になれなかったという点にも疑問が残る」との声も上がっている。当時、韓国政府はロシア側の主張をそのまま国民に伝え、宇宙飛行士の交代の最終決定は韓国政府が下したとの点だけを強調していた。
イ・ヨンワン記者
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