Print this Post Article Lists Back

「何としても韓国人を宇宙へ」

 韓国初の宇宙飛行士誕生が、「保安規定違反」という突然の壁にぶつかり揺らいでいる。宇宙飛行士を高山(コ・サン)氏から予備宇宙飛行士だったイ・ソヨン氏に交代し、なんとか足元の火は消し止めた。しかし宇宙飛行士を韓国から輩出する事業の最終的な実現の可能性については、相変わらず心配の声が大きいのも事実。

 宇宙飛行士事業に責任を持つ立場にある韓国航空宇宙研究院の白鴻悦(ペク・ホンヨル)院長(55)=写真=は11日に行われたインタビューで、「どんなことがあっても韓国人宇宙飛行士を誕生させる」と述べた。彼は今月5日、ロシア連邦宇宙庁と搭乗宇宙飛行士の交代問題についてロシアで話し合いを行った。

 「ロシア連邦宇宙庁は強硬でした。搭乗する宇宙飛行士をイ・ソヨン氏とし、もし打ち上げ直前になって問題が起こっても、高山氏には絶対に交代しないというものでした。これに対してわれわれは、ロケットの打ち上げまでに1カ月もない現時点では、できれば高山氏をそのまま搭乗宇宙飛行士とするか、あるいはそれが無理なら予備宇宙飛行士としての身分は維持させるよう訴えました」

 ロシアの主張通り高山氏の宇宙飛行士としての身分がはく奪されれば、イ・ソヨン氏に問題が生じた場合、韓国の宇宙飛行士輩出事業は完全に失敗に終わるという状況だった。

 白院長は、「3時間の説得の末、“ロシア側が特別な決定を下さない限り、高山氏は宇宙船に搭乗しない”という留保的な条項を入れることができた。われわれとしては“高山氏を宇宙飛行士から完全に排除する”のではなく、“特別な決定が下されれば搭乗可能”とし、万一イ・ソヨン氏に問題が生じれば高山氏が代わりとなれるようにしたもの」と説明した。

 航空宇宙研究院は、ロシアが宇宙船打ち上げ事業などで韓国とともに進めているさらに大規模な宇宙開発協力を挫折させないためにも、より肯定的な方向に向けて再交渉を行えるものと期待している。

 白院長は、「搭乗する宇宙飛行士交代の決定はこちらが下すこととし、高山氏が宇宙飛行士としての身分を維持できるようにするなど、後からロシア側が多くの面で譲歩した。イ・ソヨン氏が宇宙へ行くことができない状況となれば、高山氏が代わりに行けるようにしたい」と述べた。

写真提供=NEWSIS

李永完(イ・ヨンワン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る