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help リーダーに追加 RSS 追悼・中村欧介講師

<<   作成日時 : 2008/11/13 14:58  

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 先週、中村欧介弁護士・専任講師が急逝されました。突然の訃報に、伊藤塾でも大変悲しみに包まれております。講座をご愛顧いただいた皆様ありがとうございます。


 2006/10/28(土)に行われた、 東京校 第131回 「ビラを配っただけで犯罪なの?〜恣意的な取締りを許すな!」で、 中村欧介弁護士と、荒川氏(刑事被告人)の講演がありました。インターネットクラスにログインできる方は、「オープンスクール」→「明日の法律家」で、第131回を選んでいただくとご覧になれます。明日の法律家講座は、特にさしつかえのない限り「無期限」で配信しておりますので、ぜひご覧ください。


 明日の法律家講座では、普段の講義の時とは違った表情で「僕も、答練の解説ばっかりやっているわけではなく、ちゃんと弁護士業務もやってますよ!」と明るい表情で、無罪を勝ち取った経緯を活き活きと語っている様子が印象的でした。まさに報酬目的ではできない、刑事弁護・人権保障を担う数少ない弁護士として、献身的に活躍していた貴重な法律家であった中村講師。まだまだこれから活躍の様子を見たかったのですが、せめて少しでも安らかにお眠りくださいと祈る気持ちです。そして、塾生の皆様にぜひ、こういう法律家魂をもって、後に続いていただきたいと願っています。


 また、現在販売中(09/3/31まで販売、配信)の「08 難関法科大学院入試 論文試験対策講義」で、中央大学編/慶應義塾大学編/東京大学編/一橋大学編 を中村講師が担当しています。

http://www.itojuku.co.jp/06hoka/kouza_ichiran/11803.html


 中村講師は2001年合格、ロースクール世代より前の合格者です。当然、法科大学院入試にしても、新司法試験にしても、自分の経験とは違うところで試験分析、講義に挑まなければならなかったものです。司法制度改革に伴って、一番初めのロースクール対策、新司法試験対策の講座から担当、「誰も合格者がいない最初の試験」の対策講義、そのパイオニアとしての活躍。これは法律家なら誰でもできる作業とはとても言えず、卓抜した分析力と、不安いっぱいの塾生さんへの力強い励ましがあってこその講義でした。一連のロースクール対策・新司法試験対策の中村講師の講義を聴いていて、弁護士の力量とあわせもった「名講師」の底力を感じていたところでした。心よりご冥福をお祈りしつつ、この夏の講義内容をご紹介いたします。

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(08難関法科大学院入試 論文試験対策講義 中大編 冒頭より)


 はい、皆さんこんにちは。難関法科大学院入試 論文試験対策講義、中央大学編を始めたいと思います。担当は伊藤塾専任講師の中村欧介です。よろしくお願いいたします。

 この講義ではですね、2008年度の、中央大学の法科大学院の入試問題、そのうちの論文試験だけを取り上げて解説する講義になります。

 中央大学の入試には、短答式試験もあるわけですけれども、点数的なウエイトとしても、論文試験のほうがもちろん大きいわけですから、それに対する対策は十分取っておく必要があると思います。

 細かい中身については、各科目の問題ごとに見ていきますけれども、全体の概括的な特徴をまず指摘しておきたいと思います。

 これもね、憲法と刑法、その2つの科目を合わせて120分で答案を書いてくださいと。そして、民法と商法で合わせて120分と。2つの系統に分けて出題されている形になります。

 2007年と2008年で比較してみても、それほど顕著な違いはないわけですけれども、ただひとつ特徴としてね、憲法・刑法の方のパートでは、刑法については答案のオモテ面30行以内で、簡潔に論じなさいという指示がなされているわけですね。

 つまり、ぐだぐだぐだぐだと・・・ま、ぐだぐだっていう言い方がちょっとあれですけど、ま、皆さんの中に、旧試験を受験してきた方ですとか、従来からの試験の論文の書き方というもので、勉強してきた方にとっては、相当はしょったような、コンパクトにしたような論述にしないと、試験官が要求する簡潔な表現というのから離れてしまうおそれが出てくると思うんですね。

 そういう意味では、答案の書き方というものについても、とりわけ刑法に関しては、慎重にコンパクトに書くことを意識しておく必要があるのかなと思うわけです。

 で、憲法・刑法合わせて120点、で、刑法についてだけ簡潔に書きなさいという指示があるわけですけれども、配点に違いがあるのかというと、どうもそうではないわけですよね。60点ずつという同じウエイトが課されている。すると、時間配分としては、おそらく憲法のほうに時間を取られて、それなりの分量を書けることになるんでしょうけど、刑法と配点は一緒ということでね。そのあたりをどう意識するかが大事なポイントとなるのかなと思います。

 皆さんの中には、複数の法科大学院を受ける方もいらっしゃると思うんで。その中で、中央大学法科大学院の特徴ということを言っておきますと、まあこれは私立。私立の所にはややそういう傾向が強いと思いますけれど、とりわけ中央大学2007年、2008年のところを見ますとね。従来からの司法試験の論文で出題されたような、よく似たものが出ているという特徴があると思います。

 東大などではね、割と新しい、考えたことがないようなものがズバッと出たりするのでね。そういう所では、もちろん従来からの論文試験の問題をやっておくことは、ベースとして絶対必要なんだけれども、それをそっくりそのまま持っていって、どーんとぶつけて何とかなるかというと、そこに若干の応用力が必要となってくると思うんですけれども。中央大学に関しては、そういう要素がかなり少ないかなと思われるので、従来からの司法試験の、論文試験の過去問を、かなり大事にしてもらいたいと思うんですね。

 そういう意味では、伊藤塾が別途提供している「リーガルライティング」の講座なども、併用して受講していただけると良いのではないかなと思います。(後略)



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 私自身は、直接中村講師との交流はなかったのですが、いつも一方的に配信時に講義を聴き、色々勉強になっていた立場でした。塾内ですれ違って「あっ」と思ったことはあったのですが、一方的に知っているだけなので自己紹介から始めないといけないし、忙しそうだから・・・。とそのまま通り過ぎてしまいました。今さらながらに悔やまれます。

 皆さん、講師の姿を見かけたら「こんにちは、いつも見てますよ!(笑顔)」と一言だけでも、ぜひかけてくださいね。それが嬉しくない講師などいないと思います。もちろん、今後他の講師にこんな悲しいことがあってほしくはないのですが、人間、いつどこで出会い、別れていくかわからないものですので、日々のちょっとした機会も、大切にしていきたいですね。


 ご本人にお会いすることができなくなってしまっても、映像は永遠に残り、元気な姿を変わらず見ることができます。しかし、近しいご家族、ご友人などにとっては、それがまたより一層悲しみを増し、ご心痛いかばかりでしょうかと思います。それでも、せっかく残してもらった講義や言葉は、一人でも多くの人に、大切に役立てていってほしいものです。どうぞ、よろしくお願いします。

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