2008年10月13日
ルルーシュ生存説・まとめ
さて本日は、ブログを読んで下さっていて、コードギアス記事にちょくちょくコメントを下さっていたヒトクチ ハルカさんから、コードギアス最終回後、うちのWEB拍手でも沢山頂いたルルーシュ生存説に関して、関連情報をまとめた密度が濃いメールを頂いたので、これは僕一人で読んでいるのは勿体ないと、ハルカさんの許可を頂いてブログに掲載させて頂くことにしました。
メールを掲載させて頂く前に、いくつか前置きをさせて頂きますので踏まえた上で読んで頂けたらと。情報のソースとかに関してですね。当然のことながら、内容に関してこれが絶対とか、そういうのでは全然無いです。
・ハルカさんは同じ内容をラノベ作家の庄司卓さんのブログのコメント欄にも書き込みしているとのこと。
・纏めてある情報はハルカさん自身が気づいたものの他に、2ちゃんねるの『ルルーシュの生死議論スレ』及び『ルルーシュの生存の可能性を考察するスレ』で拾った情報も含まれているとのこと。
・ルルーシュなどのセリフは確認する暇がなかったので元セリフと少し違っている可能性がある点(ただし、555ナレーションと一話のセリフは確認済み)
・監督の発言とした箇所はオーディオコメンタリーや雑誌インタビューであるため、ハルカさんの方ではソース確認を取っている訳ではない点。そのため、原文と正確には違っている可能性や谷口監督だけでなく脚本家様などの発言である可能性もある点。
・長くなり過ぎたため、簡単な要約中心で、ハルカさん自身の考察などは極力省いている点。
・もともとは僕宛の私的なメールなので、急いで書いている&不特定多数に見せることを前提にしていない文章である点。
以上を踏まえた上で読んで頂けたらと。ソースの正確性などのデメリットを差し引いても、情報として素晴らしいと思ったので、掲載させて頂くことにしました。
という訳で、以下に掲載です。確かに、これだと作中にわざわざ設定としてコードを二つ存在させた意味が効いてくるよなー。
<以下、ハルカさんからのメール>
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どうもこんにちは。
コメント欄がなくなってしまったので、こちらで送らせていただきます。
遅くなりましたがコードギアスに関してです。
いたるところでルルーシュの生死議論が熱いので、ちょっと纏めてみました。
やたら長くなりましたが(^^;
ただ、これで生死について考えると終盤の台詞が色々と深くなったりするので中々面白いですよ。
また、ルルーシュが不老不死になったと考えると、相羽さんが今まで書いてきたアイディンティティの話も違う解釈生まれてきますので、ちょっと読んで見てください。
先に言っておきますと私は生存説派で、それによって全ての伏線や描写が放置されず、上手く纏まると考えています。
物語的に設定の意味も深くなりますしね。
最終回におけるルルーシュの生存説について纏めてみました。
まずコードギアスはちょっとした描写などにも意味が隠されてたり、以前の台詞が後の展開で違う意味を持ってくる事がありますので、そういった細かい部分も書くので結構な分量になってしまいました(笑)
◇コード保持者の能力について
コード保持者の能力は、
不老不死:監督発言によると、『死なない』不老不死ではなく、一度完全に死亡した後に蘇生する形の不老不死とのこと。また、作中での描写から死亡から蘇生までの時間はマチマチです。死にいたる傷もそれ以外も完全に完治する。
ギアス能力の付与:他者にギアス能力を与える・発現させる力を持つ。
・シスター:奴隷時代のC.C.
・C.C.:マリアンヌ、マオ、ルルーシュ
・V.V.:シャルル、ビスマルク、ロロ
ギアス能力の無効化:コード保持者にギアスは効かない。
・一期十五話など
ショックイメージ:他人に接触、または間接接触することで精神的ダメージを与えるイメージを見せることが出来る。どんなイメージを見ているかは見せている側もわからない。
・一期十一話、C.C.→スザク
・一期二十二話、C.C.→SP三人
記憶流出:コード保持者が何らかの不安定な状態の時に、ギアス能力者やギアス被害者と接触するとコード保持者の記憶が相手に流れ込む。
・一期十一話、C.C.→ルルーシュ
・一期二十二話、C.C.→スザク(スザクが知らないマリアンヌの姿が出てるので記憶流出と思われる)
・一期二十五話、C.C.→ルルーシュ(遺跡のトラップの影響ではあるが、C.C.の過去を見ている)
・二期十一話、C.C.→アーニャ(三つの場面の内、二つはマリアンヌ自身の記憶と思われるが、内一つは一期二十二話でスザクが見たマリアンヌと同じ絵なので、C.C.の記憶と思われる)
コードの複数保持:コード保持者は、他のコード保持者からコードを受け取ることが出来る。
・二期十五話など
感知能力:ギアスに関わるものに関してある程度の感知能力を持つ。
・一期最終話など
テレパシー:コード保持者同士は離れていても会話が可能。
・一期十九話など
ギアス能力の喪失:元々持っていたギアス能力は失う。
・C.C.の愛されギアス
・シャルルの記憶改竄ギアス
◇コード継承とその発現について
継承条件:ギアス能力が一定以上の強さであること。C.C.が継承した際、暴走状態の両目ギアスであった事から、必ずしもシャルルのように完全制御でなくともかまわないようである。
継承方法:各キャラの台詞から推察する限り、
・コード保持者からギアス能力者への強制的押し付け?(シスター→C.C.へ)
・ギアス能力者がコード保持者から奪い取る(V.V.←シャルル)
・ギアス能力者がコード保持者を殺した場合に自動的に移動?(二期十五話のC.C.の台詞から推察。また、↑のようにコード押し付けの場合、シスターはわざとC.C.を殺す振りをしてC.C.が応戦。結果、コードが移動したとも考えられる。ただし、この場合はシスターの綺麗な死に方に不自然さが残る)
コード発現条件:コードを継承した後、一度死亡しないとコードは発現しないと思われる。
・過去絵からC.C.は喉を切る、または切られた事が致命傷と思われる。この傷は残っていない。
・シスターからコードを押し付けられて、その時点でコードが発現していたならば胸の傷は残らないはずである。
・シャルルはV.V.からコードを奪った後に、ルルーシュを挑発してギアスにかかり、拳銃自殺後にコードが発現している。
・二つの描写しかないものの、二つとも自殺、または他殺である事から仮説として、老衰などの寿命の死の場合はコードは発現しないとも考えられる?
コード保持者はコードを失うと死ぬ?:描写や台詞から考えるとすぐさま死ぬのではなく、死ねる身体になるのが正解だと思われる。
・シスターは腕を揃えて綺麗に死んでることから自殺と思われる。
・V.V.はコードを奪われた際、まだ傷が蘇生していなかった為に死亡。
・シャルルがC.C.のコードを奪おうとした際、ラグナレクの接続の後にC.C.の願い(=死ぬこと)を叶えると言っている。奪うことそれ自体が死であるならば、このような台詞は出ない。
コード継承時点でギアス能力は失うのか?:描写なしの為、不明。発現するまでは残っているとも考えられる。
◇コード保持者のギアスマークの位置は常に一定か?
・シスターとC.C.の場合、同じ額である。
・V.V.のギアスマーク位置は不明。シャルルと同じであれば、右手であるが描写なし。また、V.V.が死亡する際、C.C.がV.V.の背中を見て気づいていることから背中にあったとも考えられる(背中の傷を見てただけの可能性もあり)
以上のことから、ギアスマークの位置は前任者と同じか、あるいは奪う際に接触していた部分にギアスマークが現れると考えられる。
◇ルルーシュはシャルルからコードを奪っているか?
・シャルル死亡時、ルルーシュは両目ギアスになり、また完全制御可能になっている(その後、ルルーシュがギアスを使う際に手をかざしているが、指が目に触れる前にギアス目になっていることからコンタクトは使用していない。単なるポーズである)
・物語的な意味は何か?
・シャルル死亡時、Cの世界に飲み込まれかけていたとはいえ、ルルーシュの「消えうせろ!」という気合で吹っ飛んだのはなぜか? シャルルを殺す意思により、無意識、または意図的にコードを奪った?
・スザクに「手を出すな」と言っているので、ルルーシュの頭脳ならばコード継承の可能性も考慮した可能性はある。
・シャルルがルルーシュの首を絞める際、不自然なほど(画面一杯に映るほど)右手のギアスマークを強調。その右手でルルーシュの首を絞めている(ルルーシュの走馬灯にも入れられているほど)
・継承していた場合、ルルーシュのギアスマークはシャルルと同じ右手か、締められていた首である。
・後期EDイラストで、ルルーシュの首から右手に赤いリボンがある。コードの暗喩か?
・ナナリー生存時、右手で首元を掴んで苦しんでいる。その後、C.C.と背中合わせの時も右手を重ねあっている。
・ルルーシュが死亡後、コードが発現したとしてと、首は服によって、右手は血によって隠されている。
・最終話では、ナナリーへのギアス、世界征服宣言時に右手を強調する描写。
・ギアス能力をコード継承時点で失うかは不明。発現するまでは使えたとしてもおかしくはない。または、今までの継承者と違い、C.C.ギアス、V.V.コードという系統の違いから両立出来た可能性もある。その場合、『コードギアス』のタイトル通りとなる。
◇ナナリーの嘘発見器
まず相手に質問してから、相手の手に触れることで嘘を見破る。
この事から、イエス/ノー形式の嘘発見器と同じレベル。
相手の手に触れてることから、嘘発見器と同じく、嘘をつくことによる動揺から来る脈拍、発汗の変化を敏感に感じ取る事で嘘を見破ってると思われる。
その為、嘘をつくことにまったく動揺しないシュナイゼルの嘘は見破れていない。
最終回でルルーシュの嘘を見破ったのか?:これに関しては不自然な部分が多々あります。
・質問した後に脈拍、発汗から嘘を見破っているなら、まず質問していない。
・死に際である為、脈拍、発汗は乱れまくっている。そのような状態で嘘の同様を感じ取れるのか?
・ゼロレクイエムの詳細を理解するための情報がナナリーには足りない。
・ゼロレクイエムを知った際の映像にナナリーが知らないスザクの顔が映るなど不自然。
・今まで、過去絵をこのように描写するのは実際にそのキャラクターが回想しているか、思い出しているか、記憶流出などで実際にその記憶を見ている場合のみである。今回に限って、何故こんな演出をしたのか? しかもキュルキュルという効果音尽き。
以上のことを考えると、コード保持者のルルーシュと接触した事から記憶流出が起こったと考えることも出来る。
ナナリーはルルーシュのギアスに一度かかっているし、遺跡にも入ったことがあるので一期二十二話のスザクの状態に極めて近いことからも不自然ではない。
◇謎の心音
ルルーシュ死亡後、ナナリーの「お兄様のいない明日なんて……」の前に一度だけ『ドクッ』という心音が一度だけ存在する。
サントラの挿入曲と聞き比べると、本来曲には存在しない音である(曲に入っている太鼓の音とは違う)
大音量でイヤホンをすることで確認することが可能。
一期一話の始まりの心音と瞼が開く演出意図を監督は明かしていない。
合わせて考えると、
・死亡後コードにより蘇生。
・瞼を開くと最初に見たのはC.C.の顔。
・一期一話のタイトル『魔神が生まれた日』
◇最終回と一期の重ね
オレンジ事件の再現:
・ギアスと自由意志の違いで『全力で見逃す』ジェレミア
・ゼロの行動の違い。スザク救出とルルーシュ殺害。
血染めのユフィの再現:
・偽りの虐殺皇女=偽りの悪逆皇帝
・それを殺すゼロ
・民衆のゼロコール
・それに重なるスザクの涙=ナナリーの涙
オレンジ事件描写とユフィ殺しの原因を考えると、うっかりギアスに対応してうっかりコードもありえるか?
◇ゼロレクイエムにおける発言の曖昧さ
『殺す』という単語は出ているが、『死ぬ』という言葉は使わず『消えれば』という言葉を使っている。
◇教会で泣くC.C.
「ルルーシュ、お前は人々にギアスをかけた代償として……」
・死ぬとも不老不死とも明言せず。
・ギアスの代償は本来はコード委譲による不老不死化。
・C.C.は教会に対してトラウマから近づくこと、入ることを避けている(ロスカラ情報)
・教会はC.C.がギアスを手に入れ、コードを継承した場所。
◇ゼロレクイエムを知る者の反応の不自然さ
ジェレミア:主君の願いとはいえ、あまりにも清清しい笑顔でゼロスザクを全力で見逃し、ルルーシュ死亡とナナリー号泣であるにも関わらずニヤリと笑っている。
主君の願いを優先したとしても、一期ピクドラでマリアンヌ親子を思い出して号泣していた人間としては不自然ではないか? ジェレミアはコードRや教団にいたことでコードのことは知っていたと思われる?
ロイド・セシル・咲世子・ニーナ:良識のある大人や忠義心に厚い咲世子さんなどのあまりにも平然とした表情。
ただし、こちらのメンバーはゼロレクイエム完遂時、独房にいたため、ルルーシュが本当に死ぬとは教えられてなかった可能性もある。
◇ルルーシュが刺される際のサブリミナル画像
ユフィとキャンドルと、スザクの墓とアーサーの二枚の画像。
一枚目はユフィの敵を討つという意味合い、二枚目は同時にスザクという存在の『死』を意味すると思われる。
ただ、深読みすると『空っぽの墓=偽装死』であり、ルルーシュの偽装死とも取れる。
また、アーサーはそのままアーサー王を意味するのか?
アーサー王には、復活伝説があるが?
◇ルルーシュ=キリスト描写
・救世主(メシア)発言。一期の時から度々、ルルーシュは救世主という単語を使う。または使われたことがある。
・人類の罪を背負ったキリスト、世界の悪意を背負ったルルーシュ
・十字架に磔にされたキリスト、ルルーシュの血が国旗と重なり十字架が描かれる。
・キリストはその後、復活したという伝説がある。ルルーシュはコードを受け取る事が出来る。
◇剣と盾発言
スザクという剣には、ルルーシュを殺す剣という意味も含まれていた。では、C.C.の『盾』としての役割は?
◇C.C.のギアスマーク
二十四話ではしっかりと描かれているが、最終話では一切描かれず、写されていない。
◇後日談1
真実から遠い騎士団メンバーが主に描かれている。咲世子さんの行方はまったく不明。
◇後日談2
・ダモクレスが太陽に突入してる事から最低数ヶ月は経過している。
・晴れやかな笑顔でオレンジ農園ほ手入れするジェレミア。
・藁馬車の御者は、垂れ尽きの帽子にマスクで顔を完全に隠している。服装が藁馬車の御者にしては立派。
・御者の顔が見えないギリギリをパンするカメラ移動。この際、そのままピンクの折鶴も写している。
・地デジでわずかに移る御者の髪の毛と思われるものの色番号がルルーシュと髪と同じ。
・2ちゃんねるで内部関係者とおもしき人物が絵コンテ段階では完全に御者はルルーシュと発言。ただし、あくまで噂レベル。
・「C.C.は世界に囚われている。だから似合い」と言っていた拘束衣から普通の服装になっているC.C.
・今まで孤独と寂しさの表れか抱きしめて大切にしていたチーズ君を枕するC.C.
・「ギアスという王の力は人を孤独にする……少しだけ違ったか」
・ルルーシュは死んだとしても理解者を得て完全な孤独にならなかったが、ルルーシュを失って不老不死のまま旅するC.C.はまた孤独になっているのではないのか?
・『時を超え捕らえられてる あふれるこの想いはなに? 優しさが目尻に似合うあの人たちは今どこにいるの?』という歌詞をC.C.の台詞に重ねている。
・しかも、一番三番の歌詞を使わずに編集してこの部分を二回使っている。
・「なあ、ルルーシュ」の際、目線がわずかに上向きに動き、声も話しかけるように大きくなる。
・C.C.はあまり独り言を言わない。そう見えても、マリアンヌやV.V.と会話していた。二人が死んだ後は会話していない。
・Cの世界にいる死者と会話したことはない。
・もし話せても、ルルーシュは死者との会話を否定している。
・最後に写されるピンクの折鶴の位置はC.C.が置いたとも御者が置いたとも取れる位置。
・C.C.は折鶴を折れない。一期五話でナナリーに教わっているが折れていない。また、その後に折れた描写はない。
◇最終回EDでのサブリミナル画像
・一枚目、ギアス目のルルーシュ。ギアスの力を手に反逆しているルルーシュ?
・二枚目、路地裏のルルーシュ。ナナリー死亡と騎士団裏切りによって孤独となったルルーシュ?
・三枚目、白い服のルルーシュと黒い服の剣を持つスザク。ルルーシュは右手、スザクは剣と左手を鎖で縛られている。掛かっている赤い布がギアスマークの形をしている。
・四枚目、白い羽のC.C.(羽根のつき方は死亡キャラたちとは違う)とガチガチに鎖で大地に繋がれてるルルーシュ。飛び立とうとするC.C.をルルーシュが引き止めてるとも、ルルーシュを見捨てられずに飛び立てないC.C.とも見える。
・EDイラストは結末や今後のネタバレを含んでいるとコメントされている。
・実際、白い翼のシャーリーはあまりにも死亡確定のため、後期EDに移されているし、岩の翼を持つキャラ(シュナイゼル、スザク)はフレイヤを撃っている。
四枚のサブリミナル画像を時系列順と考えると
、 一枚目=反逆するルルーシュ→二枚目=孤独となったルルーシュ→三枚目=皇帝ルルーシュと騎士スザク及び、ゼロレクイエムとゼロスザクの暗示→四枚目=不老不死となったルルーシュと不老不死から開放されたC.C.、または一緒に不老不死でいる暗示。
◇最終回EDでのC.C.の画像
モノクロから色彩を帯びていく。
「雪がどうして白いのか知っているか? 自分がどんな色だったのか忘れてしまったからさ」
◇今までのナレーションの意味
一期二期通してC.C.のナレーションは過去回想という形になっている。
不老不死であるC.C.が回想、または誰かに語っていると思われるが、だとすると幾つかの点がおかしい。
・記憶喪失でC.C.が不在の時はルルーシュがナレーションを担当。スザクも一度ナレーションを行っているが、ルルーシュとは違い、その時の心情でモノローグになっている。
・C.C.が記憶が戻った後もナレーションに戻る事はなかった。
・最終話でC.C.ではなく『真実』から遠いカレンがナレーションを担当。
・あくまでC.C.の回想ならば、一期最終話のようにここはC.C.が担当して統一するべきである。
◇ゼロレクイエムにおけるルルーシュの死
簡単に、必要性で言えばゼロレクイエムとは、
悪意の象徴である『悪逆皇帝ルルーシュ』という記号を、正義・善意の象徴である『ゼロ』という記号が殺すというもので、ルルーシュ自身の死は必要ではない。
◇ゼロレクイエムの必要性はあるのか?
黒の騎士団員の不信感はあるもののルルーシュならば、善政を敷いて世界を纏める事は数年がかりで取り組めば可能。
ゼロレクイエムで死んで、残ったものに任せるよりは自分で動く方が確実である。
死ぬよりもこの方が贖罪になるのではないか?
◇完全死亡の場合に残る問題点と伏線放置
スザクの暴走の危険性:
・スザクは善意の斜め上の行動をして周囲に迷惑をかけるのでそこが心配である。
・まあ、ルルーシュのことなのでスザク用にマニュアルを用意してる可能性は高い。
シュナイゼルの危険性:
・スザクが暴走した場合、あくまでスザクゼロに従うので暴走の危険あり。
・ルルーシュのギアス効果が永続するかどうか不明。
・ナナリーが目を開いたのはシャルル死亡によりギアス効果が薄まったとも解釈出来る。
・カノンが処刑されたかどうか不明。
C.C.との契約約束放置:
「お前の願いも俺の願いも纏めて叶えてやる。だから……」
「お前が魔女なら、俺が魔王になれば良いだけだ」
「俺が必ず笑わせてやる!」
「早く行って、そして戻って来い。私に笑顔をくれるんだろう?」→「ああ、約束しよう!」
・二十四話では丁寧に描いて来て、最終回では別れ描写も二人のシーンも一切なし。
ギアスの系譜を絶てていない:
・C.C.が本質的に弱い人間であることをルルーシュはわかっているはずである。
・そのC.C.がただ、ルルーシュの遺した世界を見守るならば、いずれまたルルーシュとの思い出も過去にして契約者を生み出す可能性はあると思われる。
・ギアスの系譜を絶つのならばC.C.コードを受け取るか、二人で不老不死エンドでなければならない。
◇ダンテの『新曲』とギアス世界における地獄
・ルルーシュが『新曲』を読んでいたりと随所で『新曲』が出ている。
・「この門を潜る者は一切の希望を捨てよ」 という『新曲』の一文も二期二十一話で出ている。
・ギアス世界において、聖者も悪人も全て死ねば集合無意識に統合される。
・不老不死とは地獄だとルルーシュが発言している。
◇ルルーシュ、C.C.、スザクの心情
ルルーシュ:
・基本的に生き汚い人間。ナナリー死亡で絶望したいて時も黒の騎士団にギアスをかけて生き延びようとした。
・命を捨てようとする者に生きろと言っている。
・スザクに生きろギアス。最終話でも罰という形でスザクに生きる目的を与えている。
・「俺が必ず笑わせてやる!」
・「カレン、君は生きろ」
・「やめるんだロロ! 死にたいのか!?」
・そんなルルーシュが安易に贖罪の死を選ぶか?
・C.C.は大切な人間であり、散々契約と約束をしている。そんなC.C.との契約約束を破るほど無責任な男か?
・ただ思い出をあげるだけでは、結局は過去の契約者と同じで『魔王』ではない。
C.C.:
・ルルーシュが死ぬのならば泣くのは自然。
・同様に不老不死を辛い地獄と考えているC.C.が、ルルーシュが不老不死になるのならば泣くのもまた自然。
・少なくとも作中では、ルルーシュにコードを渡すことを拒んでいる。
・自分のコードを渡すとは考えづらい。
スザク:
・戦争が終わると考えて父親を殺したことを、本心では間違っていたと後悔し、罰を求めている。
・そんなスザクがルルーシュを殺せば戦争は終わるというゼロレクイエムを受け入れるのか?
・死にたがりのスザクに生きろと言っておいて死を選ぶルルーシュを受け入れるのか?
・スザクは今までルルーシュを殺せる状況でも、殺すことを選択していない。
・十七話『土の味』において、ルルーシュが生きて罪を償うことを望んでいる。
・ナナリー生存を知った際、ルルーシュが死ぬこと前提ならば死ぬ相手に対してスザクの言動と行動が鬼畜過ぎないか?(笑)
・ルルーシュが不老不死になるのであれば、その引き金を引くことと友との永劫の別れに涙するのは泣き虫のスザクとしては自然。
◇最終話後というタイミングで公開された555におけるナレーション
スザク・ナレーション:
「僕たちは償わなければならない。
信頼を、友情を、愛を裏切ったことの報いを、受けなければならない。
未来永劫尽きることのない悔恨の日々は僕のために。
そしてルルーシュ。
君には死よりも悪い運命を、自ら命を断つことさえ許されない絶望を与えよう。
それが、僕たちの罪の代償だ」
・この際、流れてた映像はユフィの死、シャルルによる記憶改竄シーンだが、その場合の心情としてはいくつか不自然である。
・スザクの罰が意味不明、スザクはこの時点でシャルルのギアスを知らない、ルルーシュは決して死ねないわけではない。
・また、記憶改竄シーンのやり取りはこの後に別にやっている。
C.C.・ナレーション:
「朽ちてゆく命の揺らめき。飛び散る魂の輝きは淡く儚い。
無い物ねだりをする子供のように泣きながら手を差し伸べ……。
ああ……これはもう私の手には入らないのだと思い知る。
それでもなお求めてやまないのは、胸の億月に今でもまだ、幼い日の私が息づいているから。
だからルルーシュ。
魔王になると誓ったお前と一緒に、私もこの旅を続けてみよう」
・この二つのナレーションは最終話後と考えた方がしっくりくる。
◇一期一話
「一期一話に全てを詰め込んだ」
「一期一話を見返してください」
・冒頭の謎の心音と瞼が開く描写、最初に見たのは青空とC.C.のアップ。誰の心音で、誰の瞼か?
・タイトル『魔神の生まれた日』
・ルルーシュを殺すことを拒否するスザク。
・銃殺されるスザク。
・実は生きている。二話で止まった懐中時計→不老不死の暗喩?
・「殺すな!」ルルーシュを庇って銃殺されるC.C.
・不老不死で生きている。
・「これは契約。力をあげる代わりに私の願いを一つだけ叶えてもらう。契約すればお前は人の世に生きながら、人とは違う理で生きることになる。異なる摂理、異なる時間、異なる命。王の力はお前を孤独にする。その覚悟があるのなら」
・契約時、すでにコード継承を示唆している。
・「ラグナレクの接続……神話の再びの始まりか」
・ラグナレクの接続という言葉やルルーシュとの契約に関係ないことから、C.C.の記憶流出か?
・瀕死時にも、またはコード発動時も接触すると記憶流出が起こることの示唆?→ルルーシュ死亡時のナナリーへの記憶流出?
・「良いだろう。結ぶぞ、その契約!」
・ルルーシュの覚悟
・「撃って良いのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ」
・殺して良いのは、殺される覚悟のある奴だけ
・ギアスをかけて良いのは、ギアスにかかる覚悟のある奴だけ
・ギアスを使って良いのは、不老不死になる覚悟のある奴だけ
・これらの意味が込められている?
◇タイトルの意味
『コードギアス』
・C.C.ギアスとV.V.コードの共存の可能性。またはルルーシュは両方を手に入れた過程を表したものか?
・少なくともコード問題を放置してはいけないのではないか?
『R2』
・頭文字Rの単語を色々と含んだ意味があると発言。
・なら何故『2』なのか?
・不老不死化したルルーシュ=R.R.?
・ルルーシュのスペルならばL.L.と言われているが、そもそも偽名。ブリタニアならBである。
・ブリタニアはBなのでV.V.はおかしく、そもそもC.C.も元奴隷なので姓自体あるか怪しい。
・名前と人生のパートツーという意味で、繰り返しというのも考えられる。その場合、ルルーシュはL.L.である。
『魔神の生まれた日』
『魔神の目覚めた日』
・作中では使わない表現を使っている意味はなにか?
・魔王=ギアス能力者のルルーシュ、魔神=コード保持者のルルーシュ?
・コードギアス共存者のルルーシュ=魔神?
『Re;』
・ルルーシュ役の福山さんが監督から正しい読み方を聞いて喜んだと発言。教えることは出来ないので考えてほしいと言っている。
・復活? 一話タイトルの再びか?
◇監督発言
「一期一話に全てを詰め込んだ」
「一期一話を見返してください」
「他者が押し付ける美学ではなく、自分自身の真実を見つける」
「ルルーシュのような人間に世界は優しくない」
「結末についてはあえて言わない。自由に解釈して考えてほしい。ただ、私はハッピーエンドのつもり」
◇他媒体情報
・最終回挿入曲ののタイトルと歌詞
・ルルーシュのキャラソン二曲のタイトルと歌詞
・公式メルマガでは死亡派と生存派の感想を半々でセレクトして掲載
・雑誌では死亡を明言せず、生死を完全にぼかしている。
・R2SE4表紙でルルーシュが『L.L.』の名札をつけている。
◇各説まとめ(簡単に)
すでに不老不死説:
シャルルを殺した際に、V.V.コードを継承してその時点で不老不死になっている。
不老不死な以上、表舞台に立てるのは長くて五年程が限度である為、善政を敷いて世界に君臨することは出来ない。
もしそのまま表舞台に立てば、ルルーシュが否定したダモクレスと同じシステムとなり、世界を『固定』してしまう。ゆえに不老不死を最大限利用して死を偽装して世界を纏める。
C.C.コード説:
C.C.の願いも纏めて叶えるためにコードを受け取っている。
表舞台から去らなければならないのは↑と同じ。
C.C.の涙は結局は愛した男を不老不死にしてしまったため。
スザクの涙は一度は殺してしまうこと、これから永遠の地獄に落とす引き金を引いたこと、永劫の別れから。
不老不死となった後はC.C.が死ぬまで一緒にいて、死んだ後はギアスの系譜を終わらせる為に永遠に一人となる。
うっかりV.V.コード説A:
ユフィへのうっかりギアスに対応してうっかりコード。
誰もコードの存在に気づいていなかったため、本編の描写は見たまま。
ルルーシュの人生における最大の失敗。ルルーシュらしいといえばらしい。
うっかりV.V.コード説B:
C.C.と教えられたジェレミアだけがコード継承を知っていた。
こちらの場合、ジェレミアの表情に説明がつく。
しっかりV.V.コード説:
意図的、または無意識にシャルルからV.V.コードを奪い取り、一度死ねばコードが発動する状態。
この場合、C.C.の終盤の態度は、C.C.がV.V.コードも背負うことをルルーシュに拒否されたとも考えられる。ルルーシュならば、己の行動の報いとコードも受け入れるだろうし、覚悟がある。
スザクの涙の理由は『C.C.コード説』と同じ、C.C.の涙の理由はルルーシュが自分と同じ地獄に堕ちて来る事、大切な者達とのルルーシュの別れを想ってのもの。
ゼロレクイエムは表の目的以外に、表舞台から去る必要性、ルルーシュとスザクがお互いに罰を自発的に受ける覚悟と考えられる。
ルルーシュの計画としてはただの死よりも、不老不死を最大限利用する極めて『らしい』計画と感じる。
私的にはこの説が全ての伏線、描写から考えてもっとも自然でしっくりくる。
簡単に各説書きましたが、様々な伏線、描写から各説の細かい部分を考えられます。
◇ルルーシュは不老不死になった後、何をしているのか?
可能性としては、どの説でもC.C.との契約約束の履行、後の世界の影からのアフターフロォー。
あるいはルルーシュの罰として、永劫に世界と関われない、関わらない事も考えられる。
前向きに、ギアスの系譜を終わらせる為に、他のコード、ギアス探索、遺跡探索、コード抹消方法の探索も考えられる。
少なくとも暢気に隠居生活でスザクより楽で酷いということはないだろう。
スザクの場合、ゼロとして生きるといってもゼロレクイエム協力者やゼロレクイエムの真意に気づいた人物たちが回りにいるので救いがある。ルルーシュも『罰』という言葉を使っているが、スザクに生きてくれという願いを込めている。また、スザクの台詞から以前の生きろギアスの真意にも気づいたと想われる。
ルルーシュの場合、あれだけ拘って捨てられなかった自分の名前は悪逆皇帝として歴史に名を残し、少なくとも数年は人前で素顔を晒す事は出来ない。
C.C.以外の大切な者との永劫の別れ、その死を見送らなければならない(C.C.コード説の場合、C.C.とも永劫の別れが来る)
また、この場合はルルーシュとC.C.のお互いがお互いの救いとなる。
最初の五十年はスザクの方が辛いかもしれないが、その後はルルーシュの方が辛いだろう。
……まあ、この二人の場合、図太く前向きに生きられそうではあるが。少なくともルルーシュの場合は、たとえ地獄でも不敵に笑っていそうではある。
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(メール追記)
さて、この件とは関係ありませんが、最終回での個人的衝撃が一つありました。
ギアスマークの形について一期の頃から考察してたんですが、まさかああいうことだったとは……。
ギアス=願い(ちなみにこの事にルルーシュは二期十五話のC.C.とのことで気づいたようですね)
願いの象徴は折鶴。
つまりギアスマーク=折鶴の形。
これは流石に気づかなかったなぁと(^^;
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<ここまで>
という訳でしたが、このメールを繰り返し読んでいるうちに、僕もこれ(ルルーシュ生存説)しかないと思うようになりました。
僕なりに新しい見解を付け加えるなら、エンディングの後日談箇所に、咲世子さんが一切登場していないというのが決定的(同じく登場していない星刻は恐らく病気により死亡と推測できる)。黒の騎士団時代のカレンの写真には映ってますが、後日談の全員集合であるはずの扇さんとヴィレッタさんの結婚式の写真には映ってないです。
TURN23の感想記事で詳しく書いた通り、劇中には破格のメインヒロインのC.C.の他に、もう一人だけ、学生、反逆者、皇族というルルーシュの三つの側面(名前・アイデンティティ)全てに付き合ってルルーシュを同定し続けたヒロインがいて、それが咲世子さんだったりするんですが、お前どんだけ咲世子さん好きなんだと思われそうですが、咲世子さんはルルーシュとC.C.のバックアップに回ってるってことでしょ、これは。隠密という設定なんか、もはや表に出てくることができないルルーシュを影ながら支援するのにズバリじゃないですか。最初からそこまで考えて咲世子さんが配置されていたのだとしたら凄い。
という感じで、最終回で伏線上・構成上・主題上絶対に必要と僕が考えていた、明確なC.C.とルルーシュの相互アイデンティファイシーンが描かれなかったのにも、これで全て納得がいきます。明示的にではなく、情報の隅々から組み立てると組上がる感じに表現したのだと。
王の力はお前を孤独にする→C.C.は死ぬという当初の願いを叶え、ルルーシュはコード継承で孤独不老不死というのを念頭に置いていたC.C.の第一話の言葉
少しだけ、違っていたか→コードは二つ、王の力があっても二人なら孤独とはちょっと違うというC.C.の最終回の言葉
と、「自分一人、それが世界で、強制の力で世界をどうこうしよう」というのではダメで、「どうにもならない自由意志を持った他者がいるからこそ自分を同定できる」(つまり一人ではなく二人)という僕の感想で繰り返し書いてきたコードギアスの主題ともこの解釈が一番マッチします。
なんだよー、スーパーウルトラCの完璧なエンディングだよー。本当、この作品と出会えて良かった。
◇◇◇
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