厚労省が新しい資格「療養介護士」を提案!――第6回安心と希望の介護ビジョン会議
2008/11/13 10:15 (673ヒット)
厚労省は11月12日、「第6回安心と希望の介護ビジョン会議」を開催し、安心と希望の介護ビジョン案の「たたき台」を出席委員にも初めて提示した。たたき台では、経管栄養や喀痰吸引など、これまで原則として介護職には認められなかった医療処置が行えるように、新しい介護の資格「療養介護士(仮称)」の創設を提案した。■安心と希望の実現に向けた3つのビジョン
●高齢者が地域づくりに貢献できる環境づくり
●高齢者が住み慣れた自宅や地域で過ごすための介護の質の向上
●介護従事者にとっての安心と希望の実現
【2025年を見据えて取り組む施策】
団塊世代が65歳以上となり高齢者が急増する2025年をめどに安心と希望のある超高齢化社会を実現するための施策に取り組む。
■コミュニティ・ワーク・コーディネーターの輩出
意欲のある地域の高齢者や住民が、主体的・積極的に活動するコミュニティ・ビジネスや互助事業などを育成する。「コミュニティ・ワーク・コーディネー夕一」は一般公募され、年間300人(10年間で3,000人)を輩出する。
■新たな介護の資格「療養介護士(仮称)」の創設
医療と介護の連携強化を図るため、質の高い総合的なケアを提供する専門職として、経管栄養や吃疫吸引などの一定の医療行為を行うことができる「療養介護士(仮称)」を創設する。
■医療関係者・介護関係者の養成課程等における介護・医療職間の協働や連携を学習する実習の実施、ケアマネジャーなどに対する医療研修の実施。
■退院後の在宅生活への移行に係る医療と介護の連携を強化するための病院とケアマネジャー・地域包括支援センターとの間の引継ぎ連絡体制の確立。
例)入院中に胃ろうが造設された利用者に対し、地域包括支援セン夕一の連絡調整の下、医療関係者と介護関係者が十分な連携を図ることにより、経管栄養を行いつつ「経口」栄養への復帰を目指すケアの実施。
このほか、在宅生活支援リハビリテーションの強化のための拠点創設を含めた整備、24時間、365日対応が可能な訪問介護・訪問看護のネットワーク整備に向けた事業者数の確保、各事業所が介護従事者の労働条件や給与水準などを公表することなどが盛り込まれた。