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【茨城】廃止、減便の可能性 茨交バス路線 民事再生手続き利用者『何とか残して』2008年11月13日
茨城交通(水戸市・竹内順一社長)が民事再生手続きの開始を水戸地裁に申し立てた問題で、従来のバス路線は当面維持されるが、今後の再生計画の内容によっては、不採算路線廃止や減便に踏み切る可能性があることが分かった。申し立てから一夜明けた十二日、利用者からはバス路線廃止への不安や存続を望む声が聞かれた。 (伊東浩一) JR水戸駅前には同日朝、普段通りに茨城交通のバスを待つ人の列ができた。その中の一人、偕楽園の売店で働く水戸市内の女性(81)は「バスがないと移動できない。何とか残して」と話した。また、大洗町の男性(78)は「水戸の病院に通うのにバスがなくなると困る」と心細そうだ。 こうした市民の声に「現路線を守ってもらうよう、茨城交通には要請する」と県交通対策室。 同社によると、今後は数カ月以内に再生計画を地裁に提出し、計画に基づき債務を返済する。また、スポンサーを探し、バス事業などは、そのスポンサーが大株主となる受け皿会社で継承を目指す。 同社は「公共性を考え、できるだけ路線は維持したい」とするが、スポンサーとの交渉過程などで現在、三百九十九系統ある路線バスのうち、「廃止や減便路線も出てくるだろう」と予測している。 国や県は市民の利便性を考え、赤字路線などに支援金を出している。現在、茨城交通が国などから支援を受けているのは、水戸駅−大宮営業所路線など四路線で、支援額は約千五百万円。バス事業者は路線バスを廃止する場合、一年前までに自治体などで組織するバス対策地域協議会に申し出て、廃止や行政支援による存続などの道を検討することになっている。
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