◎カギは正確な理解。記述式は最後まで諦めない!
今年は行政法の出題が多かった年ですが、配点からすると、民法の占める割合も高いことがわかります。受験された方はお分かりのとおり、民法で記述式が出題されためです。
来年は、会社法での出題となり、商法・会社法の出題の増加が予想されますが、まずは民法をしっかり身に付けることが王道です。
特に記述式では、条文をどれだけ正確に理解しているかが表れます。
たとえば、記述式の46番であれば、抵当権がどういう内容の権利なのか、誰と誰との関係においてどのようなことが問題になり、どのような制度が用意されているのかが理解できていれば答えられる問題です。
あとはキーワードを組み立てて単純な文章が書けるかどうかです。40字程度という制約がある以上、あまり解答の仕方に幅が出ないものになりますから、おのずと条文の中のキーワードを使って表現するというようになるはずです。普段から、意識的に条文にあたり、そこで出てくるキーワードを自分の頭になじませていくことが大切になります。
ここで注目なのは、記述式の3問分の配点(60点)が実に合格基準点の3分の1を占めているということです。要は、まずは条文の知識を正確に理解している人を合格させようという意図が汲み取れます。
このことは、択一問題に取り組む場合も意識してください。
とかく試験というと○×で答えることを追いかけていってしまいますが、なぜ正解が○なのか、あるいは×なのか、その理由を押さえることの方が重要です。問題を解いて解答を読んだら、わかったではなく、その解答から目を離してもう一度自分で理由をいってみる、または書いてみるというように、意識的に理解の正確性を確実にする方法を取り入れてみてください。
択一の勉強をすれば記述ができるようになり、記述ができれば択一もできるという勉強になるはずです。
最後に、記述式では最後まで諦めないことです。配点が20点あるのですから、部分点も期待できるはずです(正式な試験結果の通知がくるまではっきりしていませんが)。たとえすっきりとした答えが浮かばなくても、問題のテーマとなっていることから考えられることをできる限り書いてみる、という姿勢が大事だと思います。
◎一般知識等では読解を落とさない!
一般知識等は、24点以上、最低6問を正解しなければなりませんが、6問のうち読解で3問とれれば、随分楽になります。読解力は、行政書士の実務にとって不可欠なことからしても、読解を3問正解することが受験対策上としても王道だと考えます。
ただし、読解の問題の文章は長く、問題の最後に配置されていましたから、試験終了間際に慌てて取り組むよりも、試験直後のクリアな頭で解くというように工夫してみてはいかがでしょうか。
読解で3問採れるのであれば、残りの3問は各自興味のもてるテーマで拾えるようにして、法令科目に力を入れるというのが得策かと思います。
◎60点を確実に拾う!
絶対に忘れてはいけないのは、6割正解すれば合格する絶対試験だということです。
今年も、各予備校の解答速報と行政書士試験センターの発表する解答といくつか違う問題がありました。前年にギリギリのところで不合格になった方ほど、こういう問題が気になってしまいます。あと1点あれば合格できた…という心理がそうさせてしまいます。
しかし、6割正解すればいいというのであれば、迷う問題は気にしないことです。正解を迷うような問題が長文の問題だったりすると、長文ということで、いかにも重要な問題と感じてしまいがちです。
しかし、問題が長かろうが短ろうが、簡単だろうが難しかろうが、択一問題の配点は一緒です。迷う時間があったら、さっさと次に移って簡単な問題を取りこぼさないことです。
迷った分の労力とストレスこそが最大の敵!といっても過言ではありません。
行政書士試験では、迷う問題や難しい問題も出題されますが、合格するためには、それらの全部に対処できるようにする必要はありません。
日頃の勉強でも、まずは過去問を正解できるようにし(理由もしっかり押さえること)、その上で法改正部分や民法の事例問題への対処をやっていけば合格点は取れるはずです。
ベリースの合格集中講座では、記述式はもとより、民法の事例問題対策にも力を入れています。是非、ご期待下さい。