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活動の紹介

第11回日中友好交流会議 5月23・24日/四川省成都
 第11回日中友好交流会議は四川省成都で開かれた。西部大開発で未来へ向かって躍進する都市は、「戦略的互恵関係」という新たな観点から日中関係の進め方を探る今回の会議にとって格好の舞台。2日間の成果は、明日の友好活動へ確かな一歩となった。

 古くは蜀の都として栄え、「天府の国」「芙蓉城」とも呼ばれる豊かで美しい都市・成都。清掃の行き届いた町には大型のショッピングセンターや映画館が並ぶ。大学が多いためか、おしゃれな若者の姿も目立った。
 成都市の自家用車保有率は中国第1位(2004年)。南北の駅をつないで市中央を貫く人民中路(北は北路、南は南路)には車が激しく行き交う。この目抜き通り沿いに地下鉄工事が進行中で10年には開通予定だ。
 交流会議の会場、成都錦江賓館は、この人民南路沿いにあった。ホテル入口に掲げられた赤い横断幕が、会議の開催を晴れやかに告げていた。

成都市中心の繁華街
着々と進む地下鉄工事
成都市中心の繁華街
着々と進む地下鉄工事

 5月23日 期待感と使命感

 会議はいつにもまして打ち解けた雰囲気の中で進んだ。代表あいさつ、基調講演、分散会と、全体に共通していたのは好転した日中関係への期待と、友好ムードを確実なものにしていこうという使命感。両国関係の転換期を見据え、民間でしっかりスクラムを組もうと確認しあった。
 ことしが日中国交正常化35周年、さらに蘆溝橋事件と南京事件の70周年にあたり、両国で多彩な事業が行われることも、参加者の意欲を高めたようだ。
 夕刻開かれた四川省対外友協主催の歓迎宴会。「成都の夏は友好とおめでたい雰囲気にあふれています」と顔をほころばせた秦琳会長の言葉が出席者全員の気持ちを代表していた。成都市小学生の合唱や四川らしいイ族の少女たちの民族舞踊、川劇も出席者の心を浮き立たせた。

5月24日 成功喜び未来へ

 日中の座長が各分散会の報告をした後、閉幕へ。井頓泉・中日副会長は会議の成功を喜ぶとともに、「両国の代表が会議の精神を実行に移し、中日関係の発展を促進するために貢献することを信じている」と力を込めた。村岡久平理事長は「日中関係の新たな発展のために何をやるべきか多角的な意見が出された」と振り返り、「民間の立場から未来志向の友好交流を展開していくことが大事だ」と締めくくった。午後、日本側代表団は劉備玄徳と諸葛孔明を祀った武侯祠と、明代の町並みを再現した文殊坊を見学。会議後の充足感に浸りながら、成都ならではの歴史情緒を満喫した。
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 印象的だったのは日程の合間も親しく歓談し情報交換し合う参加者たちの姿。日中だけでなく日日、中中でも交流の輪ができ、各地から大勢が集うこの会議の意義を改めて考えさせられた。

文殊坊で明代の町並みを散策
鮮やかな民族衣装を翻すイ族の踊り
基調講演に聞き入る日本側代表団
文殊坊で明代の町並みを散策
鮮やかな民族衣装を翻すイ族の踊り
基調講演に聞き入る日本側代表団


【中国側の主な出席者】
【四川省】副団長/黄小祥副省長、王東洲秘書長、秦琳対外友協会長、向瓊花同アジア部長
【甘粛省】郭穎純外弁主任
【黒竜江省】王英春外弁副主任、丹碩同日本処副処長
【広東省】王世トウ外弁副主任兼対外友協副会長、陳謙対外友協日本部長
【北京市】張賽娜対外友協副会長
【貴州省】姚守倫外弁副主任兼対外友協副会長、岑鵬同副秘書長
【上海市】袁公侠対外友協副会長、魯耀峰同日本処副処長
【湖北省】呉建民対外友協秘書長
【浙江省】陳艶勤対外友協弁公室主任兼副秘書長
【江蘇省】張秀栄対外友協副秘書長、呉丹同理事
【内モンゴル自治区】額爾敦外弁幹部
【湖南省】曾卓然国際部対外友協幹部
【全国青年連合会】趙亜樵副部長
【全国婦女連合会】張広雲国際部アジア処長調査研究員
【全国総工会】彭勇国際連絡部副部長
【全国対外友好協会】張雅琴文化交流部幹部
【中日友好協会】顧問/宋健会長(前全国政協副主席)、団長/井頓泉副会長、秘書長/許金平秘書長、袁敏道副秘書長、劉子敬理事、張政剛会長秘書、関涌友好交流部副部長、董振華同副部長、張振興政治交流部幹部、劉亮明会長警備
※この他に、省内の地元代表らが多数参加

◇日中代表のあいさつ(要旨)

友好事業の新たな道を 宋健会長

友好事業の新たな道を 宋健会長

 中日両国の友好人士の皆様がわざわざ成都においでになり、中日友好交流会議に出席くださることに心から歓迎の意を表します。
 ことしは中日国交正常化35周年で、「中日文化・スポーツ交流年」でもあります。両国が行う一連の記念行事を通じ、両国首脳の相互訪問の成果を強化し、中日双方が達成した共通認識を実行に移すものです。これは両国人民の根本的かつ長期的な利益に適い、相互信頼と友好感情の強化にも寄与できます。中国は一貫して中日友好関係の発展を重視しています。各分野の交流と協力を強め、両国の「平和共存、世世代代の友好、互恵協力、共同発展」の崇高なる目標を実現するよう望んでいます。
 中日双方の代表が率直に話し合い、友好事業の新たな道を切り開き、両国の戦略的互恵関係の実現のために新たな貢献をすることを願ってやみません。

歴史に学び認識深めよう 野中広務名誉顧問

歴史に学び認識深めよう 野中広務名誉顧問

 第11回日中友好交流会議が、西部開発のハブ(基軸)都市、四川省成都市で開会出来ることを私たちは大変嬉しく思います。
 ことしは国交正常化35周年の「日中文化・スポーツ交流年」として両国で多彩な交流事業が行われます。さらに日中戦争の発火点となった「蘆溝橋事件」と「南京事件」の70周年にもあたります。
 日本は一時期、植民地支配と侵略によって中国の人々に甚大な損害、災難を与えました。さらに朝鮮半島、アジア諸国の人々にも同様な危害を加えたのであります。戦争の苦難をなめ尽くした日中両国民およびアジア諸国民は、平和と安定した社会を築くことを切望しています。
 私たちは思いを新たにして歴史に学び、新たな情勢の中でさらに認識を深め、日中友好関係をより良好にしていくために、いっそう力を合わせ努力していきたいと考えます。

(「日本と中国」第1966号2007年6月15日掲載)


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