神戸市立中央市民病院の手術ミスで女性(当時68歳)が死亡したとして、女性の遺族5人が同市などを相手取り、慰謝料など計4950万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が12日、神戸地裁であり、橋詰均裁判長は「担当医が注意深く作業を進める義務を怠った」として同市などに計2420万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は06年8月2日、同病院で肺の血管が詰まる急性肺塞栓(そくせん)症の手術を受けた。担当医が血栓を防ぐためのフィルターを設置する処置中、心臓に穴が開き症状が悪化。緊急手術をしたが、女性は3日、死亡した。判決は心臓に穴が開いた原因を「誤ってカテーテルの先端部を心臓の右心室に挿入したこと」と認定し、担当医の過失を認めた。
市側は「神戸市の主張が十分に取り入れられず残念」として控訴する方針。【山田泰蔵】
〔神戸版〕
毎日新聞 2008年11月13日 地方版