お尻を中心に、見知らぬ女性のズボン姿を携帯電話で撮影することは「卑猥(ひわい)」か――。この行為が北海道迷惑防止条例違反にあたるかどうかが争われた裁判で、最高裁第三小法廷(藤田宙靖裁判長)は北海道旭川市の男性自衛官(31)の上告を棄却する決定をした。10日付。罰金30万円の有罪とした二審・札幌高裁判決が確定する。
男性は06年7月、ショッピングセンターで女性客(当時27)の後ろ姿を11回、携帯電話のカメラで撮影したとして起訴された。「卑猥」な動作で「公共の場所にいる者を著しく羞恥(しゅうち)させ、または不安を覚えさせる」ことを禁じる条例に反するとされた。
5人中4人の裁判官による多数意見は「社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな動作であることは明らか」と判断し、有罪とした。
これに対し、田原睦夫裁判官は反対意見で、のぞき見など、条例が規定している他の行為と「全く質的に異なる」と指摘。お尻以外に背中なども写っており、一見して「卑猥」との印象は抱けないなどとして、無罪とするべきだ、と述べた。(中井大助)