茨城県神栖市の防風保安林内の通路が広がり防風機能を阻害しているとして、県は5日までに、通路を使用している宗教団体「ワールドメイト」(半田晴久代表)に保安林の原状回復を指導した。
同団体は、神栖市柳川の日川浜海水浴場付近の砂浜に平成13年から“イベント会場”を設置。保安林に元からあった道を進入路として使用していた。
県が先月確認したところ、11年には約3メートルだった道幅が約1メートル広がっていることが発覚。周辺住民からは「(同団体が)通路を広げてしまい、飛砂がひどくなった」との声も聞かれていた。
同団体は産経新聞の取材に対し「道を広げたりはしていない。(道は)誰かが無断廃棄したゴミや神栖市が松くい虫対策で伐採した倒木で埋まっていた。昨年に市や県の立ち会いで、粗大ゴミ処理や倒木の片づけを頼まれ、埋まっていた道路を使えるようにした」と主張。「むしろ、通路に松の苗を植えるなど保安林の維持に協力している」としている。
一方、県や神栖市は「そんなやりとりはないし、松の苗木も確認できていない」と完全否定。県林業課では「伐採の跡はないが、車の出入りで広がった可能性もある。使用者なので道をのぞいた部分の緑化を図ってもらう」とし、同団体に保安林機能の回復を求めていく。
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