「ていうか○○ですよね」「逆に○○じゃないですか」。日常生活の中に溶け込んでいる感がありますが、いまだにこの「ていうか」「逆に」の言い方に違和感を感じます。
どちらもおおまかに言うと、相手の発言を受け、自分の意見を付け加えて返す際などに使う言葉だと思います。前者は「そうとも言いますがあるいは」、後者は「そうではなく、反対に違う視点から見ると」というような意味でしょうか。
実際の会話で気になるのは、話し始めるきっかけや単なる合いの手で頻繁に使われるときです。テンポよく会話をするための口癖のようなものなのでしょう。そうは思っていても、連発されるとどうも居心地が悪い。こちらの話をあっさり否定されているようにも受け取れてしまいます。
あるアニメーション監督はインタビューにこたえ、作品制作におけるブレーンストーミング(自由討論方式で独創的なアイデアを引き出す集団思考法)の場で「ていうか」「逆に」と言う人は「どれだけ才能があっても必要ない」と述べています。「どうしても皮肉っぽくなる。相手の意見を肯定的にとらえた上で『逆に』ではなく自分の意見を出すことを求めた」そうです。
会議の場と、気軽な会話を同一視するつもりはありませんが、「ていうか」「逆に」に限らず、話し相手に配慮がない(ように思える)言葉を安易に使い過ぎるのは考えものです。どうせなら気持ち良く言葉のキャッチボールをしていきたい。自戒も大いに含め、そう思います。
(総社支局・新田真浩)