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2008.11.12 20:38 |  診療  |  研究  |  その他(医療関連)  |  ADHD関連  |  AS(アスペルガー)関連  |  YANBARU  | 推薦数 : 0

動作性IQと言語性IQ

 最近学習障害を疑って最近よくWAISⅢのテストの結果を見るが、発達障害で受診に至る人に共通したパターンがあることに気付いた。

 言語性IQ > 動作性IQ というパターンだ。

 私は実は学生時代に心理テストをまじめに勉強していなかったので、読み方は臨床心理士に教えてもらうしかないが、一緒に説明を聞いているだけでも、本人の認知と行動についていろいろな説明が可能となる。

 例えば、数例見かけるが、「言語性IQが正常よりも高くて、2つの差が異常に大きい」というケースは結果的に引きこもり傾向となり、引きこもりを正当化するような立派な理論体系を持っている。

 これは本人にとっては「常に、考える様には現実はうまく行かない」という結果になるわけで、本人の高い言語性のIQからすると現実の地道な努力やその割に成果が上がらないことなどは認めがたい、理解困難ということになると想像する。

 他方周囲から見た時も、言語性が高いので「分かっている」「賢い」という印象を与えながら、実際の遂行能力は人並みかそれ以下なので、下手をすると「ナメている」とか「怠けている」という風に誤解されることになる。

 本当の意味で「分かっているけれど出来ない」のだ。

 「聞く、話すの学習障害だけ」というケースも気付かれにくい。本人は友達が早口で言ったりすると意味が追えないのだが、「分かった振りをしている」ことが大きな問題だ。読み書きは出来るので、見かけ上は学習障害を疑いにくいが、やはりWAISをやってみるとはっきりする。

 「分からないことは分からないと言いなさい」と中学生に一生懸命説明することが何ケースもあった。

 こういう学習障害は表面上「へらへらしている」ことが多い。逆に「へらへらして箸にも棒にも掛からない」という感じの発達障害は学習障害を疑って知能テストをする必要がある。

 

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へらへらしてました。僕の場合は学校は人が多くて疲れてしまっていたのだと思います。授業はよくわかりませんでしたし、何を学び取ったらよいのかというところがサッパリ掴めなかったです。

へらへらし続けて成績がどんどん下がったのでこれではいかんと自分の理解できていない感情に向き合って、全力で努力しました。この時引き蘢りが始まりました。
結果、独りで勉強して充分理解が出来た上で、授業を受けるとわかる様になりました。教科書の説明はとても美しいですが、それを初めから理解するのは困難でした。

「ナメている」とか「怠けている」は今でもそう思われることがあります。個人で出来る事に関してはしっかりやっているのですが、人と関わる事になると疲労が激しくて全く駄目ですし。
written by あまがえる / 2008.11.12 22:01
IQの数字は覚えています。
プライバシーなので、一応ここには書かないことにします。
ご自由にご想像ください・・・。
私も  言語性>動作性  です。

しかし、インターネットの文では読んだ人から「よく分からない。」と言われた経験もあります。
たぶん話題が広がりすぎるのだと思っています。
一つの話題を補足するのにもう一つ例を出して、例から補足説明へ繋げて、締めの文を入れて・・・等と書いていても、文の繋ぎをきちんと繋ぎきるための言葉が足りなかったり、それを補っていたら文のボリュームが増えて、字数オーバーを心配しなければならなくなったりします。
昔はフラフラになってもこだわっていましたが、今はこだわりを途中で切り上げることも覚えました。
自分の文章表現力の向上を途中で諦めるようですが、一日は24時間しかありません・・・。

書き言葉を鍛えることで、口話も短時間で通じる話をできる確率が、徐々に増えました。
これも、昔インターネットに過集中してしまった原因の一つだと思っています。
人と話が通じる経験は、過去に諦めてきた色々の感情を刺激されるからです。
私の話は、似た感情を持った人をも刺激したようでした。
他人に何故か、共依存を期待させる話し方をしてしまうことが多いらしいとうっすら気づいたのは、その過集中を少し冷静に見ることができるようになってからでした。

幼稚園から始まり、集団生活というものは、共依存の罠を張り放題の狭い空間でするものですからね。
登校拒否しないために、身につけたのでしょうが。

この、話し方の良くない癖は、これからたぶん徐々に取れていくでしょう。
でも、自分がそう変わっていくことに、あまり希望は感じません・・・。
働けはするかもしれませんが、自分を楽にもしないし、楽しくもしないかもしれないからです。
5W1Hを言われないと分からない脳はこのままだし、そう話して貰うことを望める人間はいつまでも限られているからです。
written by ぴよよ / 2008.11.12 22:10
>本当の意味で「分かっているけれど出来ない」のだ。

はい・・・

左様で御座います。わたくしまさにこのタイプです。

20年前。ファミレスのウエイトレスをやりました!珈琲茶碗を10個以上割りました!スープの前にサラダを持っていって田舎のお爺さんに1時間叱られました!メニューが聞き取れず、覚えられず、1ヶ月でクビになりました!!

・・・このような人間には、どのような職業が向いているのでしょうか。やはり言語的仕事しかないのでしょうか!?
written by むーん / 2008.11.12 22:20
こちらに書き込むのは久しぶりです。(ずっと読んではいましたが・・)
私もテストの結果は言語>動作で、ちなみに本当の動作も遅くてのろいです。赤ちゃんの頃の「はいはい」も、自力では出来ずにいたようですから。何で自分はすばやく動けないのか・・と思っていたけど結局「人の動作をみて、自分が真似して動く=手本がないと動けない」ので、周囲から「すぐに動かない、遅い」と言われるんだと気付きました。体育の授業は先生が体の動かし方の説明を見せてくれるけど、日常生活の動作なんか教えてくれる事ないんですよね・・。子供なら不器用を治すために色々あるようですけど・・。


written by きゃらめる / 2008.11.12 23:06

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