兵庫県姫路市から茨城県かすみがうら市までのタクシー代36万7千円を払わなかったとして、茨城県警土浦署は12日、住居不定、無職益子和久容疑者(23)を詐欺の疑いで逮捕したと発表した。タクシー運転手(60)は益子容疑者が所持金を持っていないと分かってから約2日間、金策に付き合わされ、弁当代も立て替えていたという。
土浦署によると、益子容疑者は9日午後9時ごろ、JR姫路駅前でタクシーを拾い「茨城県の神立駅にむかってくれ」と指示。直線で500キロ余り離れた道のりを12時間かけて着いた後、友人やかつての勤め先などをタクシーで訪ね回ったが借金をすべて断られ、無賃乗車した疑い。
益子容疑者は運転手と車内で寝泊まりし、空腹になるとコンビニの弁当を買ってもらったという。同署の説明では、12日午前5時ごろに運転手から、「姫路から乗せてきた客が乗車料金を払ってくれない」と疲れきった声で通報があったという。
同署によると、益子容疑者は茨城県桜川市出身。姫路で生活していたが、「交際していた女性にふられたため、故郷に帰りたくなった」などと供述しているという。