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“韓国化”する台湾政治 前権力者の逮捕ショー (1/3ページ)
台湾の陳水扁前総統が12日、総統府機密費横領やマネーロンダリング(資金洗浄)などの容疑で逮捕された。逃亡の恐れもない前総統に手錠をかけるなど、与野党の根深い対立を反映した政治ショーの色合いも濃厚だ。一足先に民主化した韓国で、2人の大統領経験者が逮捕された歴史を想起させる。しかし、中国の統一攻勢にさらされる台湾には島内抗争にかまけている余裕はないはずだ。
1990年代初頭、筆者はひょんなことから台北市内の陳水扁氏宅を訪ねたことがある。陳氏が民主進歩党の若手立法委員(国会議員)として、めきめき頭角をあらわしていたころだ。
テロの疑いのある事故で下半身不随になった妻の呉淑珍氏の治療のために著名気功師を招き、夫妻で一心に回復を念じているところだった。気功師の助言に謙虚に耳を傾けている姿は、選挙運動での激しい弁舌ぶりとは別人のようだった。
それから10年もたたない2000年5月、李登輝氏に続く2人目の本省人(日本統治時代からの台湾住民とその子孫)総統となった。しかし政権発足当初は80%近かった支持率は半年後には30%台に急落した。