2008年 11月 09日
航空幕僚長への反論 PART2 |
田母神俊雄の論文に反論を試みたが、まだ、問題なコメントも多くいただくので、再度、宙水の立場を述べる。
田母神俊雄の論文は、まともに読むに耐えない理論構造をしている。その論拠は具体的に述べると次のとおりである。
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■ 第一に、1901年の条約に基づいて日本軍は、北京郊外に駐屯したのだから、侵略でないという。(この条約は1911年に清が滅び効力に疑義があったが、その後も口実を付けて、日本軍は北京や天津に居座り、勝手に人数を増強していた。)
そして、中華民国の蒋介石が挑発やテロを行ったので逃げる蒋介石を追っかけて行ったのだから重慶まで攻め込もうが、侵略ではないとネットウヨは言うが、通州事件(昭和12年7月29日)は、盧溝橋事件(同年7月7日)の後、日本の北支駐屯軍が総攻撃を開始(同年7月28日)した後に一気に対日感情が悪くなり起こったものだ。
また、明らかに1937年の上海占領や南京占領は条約に基づくものではない。
天津や上海を占領し、イギリスやフランスやアメリカ租界を強制的に封鎖し、彼らの権益を犯し、怒らせたのも条約に基づくものではない。アメリカの租界や艦船を攻撃したのも(バネー号事件)も条約に基づくものではない。
したがって、条約に基づいて軍隊を置いたのなら侵略でないというのなら、条約に基づかない中国の領土や欧米の権益を犯す行為は、侵略と言われても仕方が無いのではないか。ここにこの論文の破綻がある。
欧米列強の権益を奪っておいて、「いやー、蒋介石が悪くて、テロするもんで日本人が守れないのですよ。」と言い訳したって、「自国民も守れないようなそんな弱い軍隊なら、俺たちの権益を侵さずに、満州いや日本列島まで戻ったらどうかね。そうしないと許さんぞ!」と言われるのに決まっている。
事実、盧溝橋事件が起きた時点では、欧米の権益を害する恐れがあるので政府外務省及び陸軍中央は不拡大方針だった。「もし日本が、中国本土に出兵したら泥沼にはまり、長期戦に陥る可能性がある。欧米の権益を犯し、国力を消耗し、その間列強に漁夫の利を与えかねない。それより満州経営に専念し、ソ連を中心とした共産主義の脅威にそなえるべきだ。」というのがその理由であり、石原莞爾らが中心となって不拡大を決めていた。
しかし、当時の現地軍の連隊長は皇道派の牟田口廉也大佐で、中央の停戦命令や日中双方の停戦協定に背いて独断専行で戦線を拡大していった。石原莞爾が怒ったときに「あなたも満州事変で勲章をもらったじゃないですか」と言ったという。 後に、インドに攻め込もうとして補給も無い強引な作戦で7万5千人の将兵を殺したインパール作戦(昭和19年3月)を強行した牟田口廉也(終戦時中将)だ。作戦が敗色濃厚と知るや、第15軍の撤退を待たず「北方撤退路の視察」を名目に敵前逃亡した。自分は真っ先に日本に逃げ帰っている。
そのように現地の皇道派のバカ指揮官とそれに呼応する軍閥が、政府及び陸軍中央の決定に背き、現地の北支派遣軍及び関東軍が戦線を拡大して泥沼にはまってしまい、英仏アメリカと対立する原因を作ったのが事実である。条約どころか、中央政府の方針にも背いて欧米及びアメリカと戦争せざるを得ない状況を自ら作り出したのである。これをコミンテルンのせいにしているのは、皇道派というのはコミンテルンだったという主張かね?ばかばかしい論文だ。
それを条約に基づいて日本軍は中国の南京、武漢、インドシナを占領したのだから侵略ではないとよく言えたものだ。
■ 第二になぜ、石原莞爾らが主張したように、満州経営に専念していれば、帝国の崩壊はなかったかと言うと、
アメリカが航空燃料やくず鉄など戦争に必要な物資の輸出に制限を加えたのは、日本軍が中国本土を占領し、日本軍が米公艦を爆撃したバネー号事件など起こしてアメリカの権益を侵し始めた昭和15年になってからだ。(満州事変は昭和6年、満州建国は昭和7年、日露戦争後、日本が満州に権益を持つのは、明治38年から)
満州に引いていれば、大慶油田は日本人のことだから,もっと早く発見しただろうが、油田がなくてもあっても、石油の入手が困ると言うことは無かったのだ。
もっと言えば,ヒトラーに騙されて三国同盟など結ばず、中国本土のアメリカの権益を損なわなかったなら,
第一次大戦に参戦したが、何もアメリカに利得もなく感謝もされなかったことに懲りて米議会が制定した中立法に縛られたアメリカ政府が,日本に対して航空燃料やくず鉄の輸出制限をする理由も必要も全く無かった。
日本軍が中国本土まで侵略し、アメリカの租界を閉鎖し、アメリカの艦船まで攻撃したことから米国内世論や議会は急激に変化したのである。
■ したがって、日本は当時既得権益であった満州,朝鮮,台湾,樺太をしっかり抱き込んで,欧米のナチとの戦いによる疲弊を横目で見ながら、国力を増強して居ればよかったのだ。その方がよっぽど日本や東アジアは発展し、国際的地位も高くなっている。少なくとも共産党にやられるより朝鮮も中国の人民も日本のサヨクもコミンテルンに洗脳されずに幸福であったのだ。(田母神論文でも一度成立した既得権益は国際間では変更が極めて困難と言っている。その点でもこの論文に対し多いに矛盾を感じる。)
■ ようするにナチスの跳梁に幻惑されて馬鹿軍部が大欲をかいて中国やインドシナまで征服して、満州で味をしめた勲章をもらいたかっただけでなのだ。南に行けば英米と衝突するのは火を見るより明らかで、本来、陸軍は北に行くはずだったが、ノモンハン事件でソ連に大敗し、ナチスの跳梁を頼り南に勲章の調達を求めていった。それは天皇のためでも資源のためでもない、利己主義の軍閥に侵略の原因がある。そのような陸士陸大の成績上位者で固めた軍閥高級参謀は部下を殺しながらほとんどいち早く逃げ帰っている。軍閥中枢でなかった栗林中将などは玉砕を命じられている。戦後、高級参謀は死んだやつらは頭が悪いからだとうそぶいている。
■ また、恥ずべき北部仏印への武力進駐(昭和15年9月)などしておいて、よくも侵略してないなんて言うもんだ。ナチの占領下となったフランスペタン政府と平和的な話し合いで軍隊を置こうとしていた日本政府外務省の交渉を無視して、旧陸軍は、フランス軍を撃破してインドシナ半島を侵略し、世界の非難を浴び、フランスで交渉を続けていた政府代表駐在武官はあっけにとられ「統帥乱れて信を中央に問う」と東京に打電したのは有名な話だ。この日本軍の仏印進駐でアメリカとの間は決定的となる。ここに至って,アメリカはついに,日本資産の凍結,航空用ガソリンの対日輸出禁止を行った。論文が言っているハルノートなんて最後の最後、連合艦隊がヒトカップ湾からハワイに向けて出撃する頃のアメリカの時間稼ぎにすぎない。
「侵略とは濡れ衣だ。」とはよくも言ったものだね。自衛隊も旧軍と同様、ネットウヨと連携して、統帥を再び乱そうとしているのに違いない。
■ このように,大局を誤って世界を敵に回し,元亀天正の頃と変わらぬ明治38式歩兵銃を主力武器として,アメリカ製やチェコ製自動小銃その他の武器をもつ敵と兵隊を戦わせたことについて,猛省しなければならないが,幕僚長たるものが,旧日本軍の兵坦補給を無視した作戦が,常に,兵隊の規律を乱し,現地調達だといって組織的に略奪暴行を行わざるを得ないような状況を作り出したことに全く反省せず,論文の中で、現在の先進国でも殺人などの犯罪が起こるのと同様の「個別的事象」と片付けているのは,軍人のしかも幕僚として失格である。断固,懲戒免職すべきである。
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また、明らかに1937年の上海占領や南京占領は条約に基づくものではない。
天津や上海を占領し、イギリスやフランスやアメリカ租界を強制的に封鎖し、彼らの権益を犯し、怒らせたのも条約に基づくものではない。アメリカの租界や艦船を攻撃したのも(バネー号事件)も条約に基づくものではない。
したがって、条約に基づいて軍隊を置いたのなら侵略でないというのなら、条約に基づかない中国の領土や欧米の権益を犯す行為は、侵略と言われても仕方が無いのではないか。ここにこの論文の破綻がある。
欧米列強の権益を奪っておいて、「いやー、蒋介石が悪くて、テロするもんで日本人が守れないのですよ。」と言い訳したって、「自国民も守れないようなそんな弱い軍隊なら、俺たちの権益を侵さずに、満州いや日本列島まで戻ったらどうかね。そうしないと許さんぞ!」と言われるのに決まっている。
事実、盧溝橋事件が起きた時点では、欧米の権益を害する恐れがあるので政府外務省及び陸軍中央は不拡大方針だった。「もし日本が、中国本土に出兵したら泥沼にはまり、長期戦に陥る可能性がある。欧米の権益を犯し、国力を消耗し、その間列強に漁夫の利を与えかねない。それより満州経営に専念し、ソ連を中心とした共産主義の脅威にそなえるべきだ。」というのがその理由であり、石原莞爾らが中心となって不拡大を決めていた。
しかし、当時の現地軍の連隊長は皇道派の牟田口廉也大佐で、中央の停戦命令や日中双方の停戦協定に背いて独断専行で戦線を拡大していった。石原莞爾が怒ったときに「あなたも満州事変で勲章をもらったじゃないですか」と言ったという。 後に、インドに攻め込もうとして補給も無い強引な作戦で7万5千人の将兵を殺したインパール作戦(昭和19年3月)を強行した牟田口廉也(終戦時中将)だ。作戦が敗色濃厚と知るや、第15軍の撤退を待たず「北方撤退路の視察」を名目に敵前逃亡した。自分は真っ先に日本に逃げ帰っている。
そのように現地の皇道派のバカ指揮官とそれに呼応する軍閥が、政府及び陸軍中央の決定に背き、現地の北支派遣軍及び関東軍が戦線を拡大して泥沼にはまってしまい、英仏アメリカと対立する原因を作ったのが事実である。条約どころか、中央政府の方針にも背いて欧米及びアメリカと戦争せざるを得ない状況を自ら作り出したのである。これをコミンテルンのせいにしているのは、皇道派というのはコミンテルンだったという主張かね?ばかばかしい論文だ。
それを条約に基づいて日本軍は中国の南京、武漢、インドシナを占領したのだから侵略ではないとよく言えたものだ。
■ 第二になぜ、石原莞爾らが主張したように、満州経営に専念していれば、帝国の崩壊はなかったかと言うと、
アメリカが航空燃料やくず鉄など戦争に必要な物資の輸出に制限を加えたのは、日本軍が中国本土を占領し、日本軍が米公艦を爆撃したバネー号事件など起こしてアメリカの権益を侵し始めた昭和15年になってからだ。(満州事変は昭和6年、満州建国は昭和7年、日露戦争後、日本が満州に権益を持つのは、明治38年から)
満州に引いていれば、大慶油田は日本人のことだから,もっと早く発見しただろうが、油田がなくてもあっても、石油の入手が困ると言うことは無かったのだ。
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第一次大戦に参戦したが、何もアメリカに利得もなく感謝もされなかったことに懲りて米議会が制定した中立法に縛られたアメリカ政府が,日本に対して航空燃料やくず鉄の輸出制限をする理由も必要も全く無かった。
日本軍が中国本土まで侵略し、アメリカの租界を閉鎖し、アメリカの艦船まで攻撃したことから米国内世論や議会は急激に変化したのである。
■ したがって、日本は当時既得権益であった満州,朝鮮,台湾,樺太をしっかり抱き込んで,欧米のナチとの戦いによる疲弊を横目で見ながら、国力を増強して居ればよかったのだ。その方がよっぽど日本や東アジアは発展し、国際的地位も高くなっている。少なくとも共産党にやられるより朝鮮も中国の人民も日本のサヨクもコミンテルンに洗脳されずに幸福であったのだ。(田母神論文でも一度成立した既得権益は国際間では変更が極めて困難と言っている。その点でもこの論文に対し多いに矛盾を感じる。)
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Tags:日本の政治
言いたいことは,具体的に明示してください。
たとえば,
「ここにこのような資料があるから
あなたの言い分はここがおかしい」
のようにコメントしていただければ建設的です。
上から見ているとか,
教科書のようだとか
単なる誹謗中傷は,意味がないとみなして消すことがあります。
たとえば,
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あなたの言い分はここがおかしい」
のようにコメントしていただければ建設的です。
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こんばんは。はじめまして。
ポチッとしておきました。
絵も描かれるんですね。
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ありがとう
趣味で描いています。
といっても
日曜日の午後くらいです。
趣味で描いています。
といっても
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はじめまして。
どこは間違っているとか、どこは正しいとか、私はあまり知らないのですが、『もし日本が侵略国家であったというのならば、当時の列強といわれる国で侵略国家でなかった国はどこかと問いたい。よその国がやったから日本もやってもいいということにはならないが、日本だけが侵略国家だといわれる筋合いもない。』、これに関してはどうお考えですか?
よろしくお願いします。
どこは間違っているとか、どこは正しいとか、私はあまり知らないのですが、『もし日本が侵略国家であったというのならば、当時の列強といわれる国で侵略国家でなかった国はどこかと問いたい。よその国がやったから日本もやってもいいということにはならないが、日本だけが侵略国家だといわれる筋合いもない。』、これに関してはどうお考えですか?
よろしくお願いします。
今回の問題について、いくつか問題点を挙げております。ご一読下さい。私としましては、歴史の政府見解への統一は、戦前の天皇機関説問題における「国体明徴運動」における憲法学説の国定化による軍の独走という状況に似ていると思います。また、憲法解釈的にも、シビリアン・コントロールの意味を間違えて捉えていると感じます。
tontonさんへ
おっしゃるとおりだと思います。
侵略国家でなかった国は無いかもしれないのです。そうでしょう。
それにもかかわらず、田母神氏は「侵略国家でない」というのは
明白に間違っていると思いませんか?
おっしゃるとおりだと思います。
侵略国家でなかった国は無いかもしれないのです。そうでしょう。
それにもかかわらず、田母神氏は「侵略国家でない」というのは
明白に間違っていると思いませんか?
syurizipangu さんへ
憲法は思想良心の自由を保障しておりますので、おっしゃるとおりだと考えます。だから、学者に対して政府と同じ考えを強要するのは戦前の京都大学の学者たちに対する天皇機関説弾圧と同様に危険でしょう。
しかし、今回の問題は政府の中の、憲法的に言えば特別権力関係の中の人権と、学者や一般市民の人権とは違うのです。たとえば憲法が認める労働三権のうち国家公務員はスト権もありません。憲法自体が一般の国民や学者と公務員とは違う権力関係にいると認めているからです。公務員が「俺はストをする。ストの自由は憲法も認めている。個人でするから関係ない。」と言って警察官や管制官や自衛官がストをしたらどうなるのでしょうか?社会の一番底辺の安全や生存に関するインフラを担っているのですから、それは許されません。そのかわり、懲戒審査によらなければ首にならないという身分保障があります。
憲法は思想良心の自由を保障しておりますので、おっしゃるとおりだと考えます。だから、学者に対して政府と同じ考えを強要するのは戦前の京都大学の学者たちに対する天皇機関説弾圧と同様に危険でしょう。
しかし、今回の問題は政府の中の、憲法的に言えば特別権力関係の中の人権と、学者や一般市民の人権とは違うのです。たとえば憲法が認める労働三権のうち国家公務員はスト権もありません。憲法自体が一般の国民や学者と公務員とは違う権力関係にいると認めているからです。公務員が「俺はストをする。ストの自由は憲法も認めている。個人でするから関係ない。」と言って警察官や管制官や自衛官がストをしたらどうなるのでしょうか?社会の一番底辺の安全や生存に関するインフラを担っているのですから、それは許されません。そのかわり、懲戒審査によらなければ首にならないという身分保障があります。
今回のように特に軍の中央にいる公務員が、政府見解にも従わないで部下の教育などについて独断専行することを許すのなら、戦前の軍部のような独断専行によって、国を滅ぼす芽になると思います。おれはストをするぞとわめいているのと同じです。しかも、強力な武器を持っています。
tontonさんへ その2
したがって、侵略国家かそうでないかは、厳密には意味が無いのです。
小生が田母神論文に対して怒るのは、
1 論理矛盾→①条約に基づく軍の進出だから侵略でないと断定してい点②国際間において既得権益を変更するのはほとんど不可能と言いながら、満州、朝鮮、台湾その他の日本の権益を無にした愚行を肯定している点
2 反省の欠如→①本人が言う輝かしい日本の歴史に泥に塗るような中国における英米権益に対する攻撃や仏印武力進駐などの都合の悪い歴史的事実について無視する点②いつも補給を軽視した作戦で兵隊に現地調達すなわち略奪をさせ、規律が下がり、暴行虐殺を組織的にやらせた事実を「個別的事象」と片付けている点
したがって、侵略国家かそうでないかは、厳密には意味が無いのです。
小生が田母神論文に対して怒るのは、
1 論理矛盾→①条約に基づく軍の進出だから侵略でないと断定してい点②国際間において既得権益を変更するのはほとんど不可能と言いながら、満州、朝鮮、台湾その他の日本の権益を無にした愚行を肯定している点
2 反省の欠如→①本人が言う輝かしい日本の歴史に泥に塗るような中国における英米権益に対する攻撃や仏印武力進駐などの都合の悪い歴史的事実について無視する点②いつも補給を軽視した作戦で兵隊に現地調達すなわち略奪をさせ、規律が下がり、暴行虐殺を組織的にやらせた事実を「個別的事象」と片付けている点
憲法がその権力性から、公務員関係に対しその権力性と自律性から、人権に制限があるのも承知しております。しかし、人権の価値と民主主義からのプロセスから、労働基本権と思想・表現の自由と同義に考えるのは、おかしいですね。
また、逆に国家意思の統合による思想・表現の制限により、軍部が力を持ったという歴史をどう解釈するのでしょうか?思想・表現を多用的に認めることが安全弁となり、職務のシビリアン・コントロールとは別問題です。統治と人権の関係を考えると分かると思います。
また、逆に国家意思の統合による思想・表現の制限により、軍部が力を持ったという歴史をどう解釈するのでしょうか?思想・表現を多用的に認めることが安全弁となり、職務のシビリアン・コントロールとは別問題です。統治と人権の関係を考えると分かると思います。
分かりやすく労働基本権を持ち出したのです。当然人権それぞれ異なる領域があるでしょう。小生は言いたいのは、
①貴方は公務員の人権と学者の人権と混同していると言う点。
及び
②現在、思想や表現の自由について、日本でとくに先進国に比べて問題するような制限は全くありません。自由です。そんなことを心配するより、普通の頭の人間は、実力を持つ軍隊が政府に従わなくなるような言動をすることを心配しているのです。
わかりますか?
①貴方は公務員の人権と学者の人権と混同していると言う点。
及び
②現在、思想や表現の自由について、日本でとくに先進国に比べて問題するような制限は全くありません。自由です。そんなことを心配するより、普通の頭の人間は、実力を持つ軍隊が政府に従わなくなるような言動をすることを心配しているのです。
わかりますか?
言いたいことがあれば、制服を脱いでからすればいいのです。日本政府も市民も全く制限いたしません。
回答ありがとうございます。
私は詳しい事実についてはあまり知らないのですが、「侵略戦争でない」はおそらく言い過ぎだと思っています。論文を読みながら、たぶん色々と突っ込み所はあるんだろうなと思っていました。
こちらのブログへは田母神論文についてどのような考え方をみんなはしているんだろうと色々なブログを周っているうちにたどり着きました。
私はどちらかというと右寄りです。歴史は苦手でしたが小学生の頃から「日本=悪」の考えを植えつけられていた分、その反動が出ているものと思います。
今回の論文については、「日本だけが悪いように言われるのはおかしい」ということだけが私にとっては重要で、この件が社会問題となったことは、論文の内容が100%正しいかどうかは別にして、今まで関心のなかった人たちの関心も引けたかなと、良かったと思っています。(もしかして田母神さんの狙いも近いところにあったのかな??)
私は詳しい事実についてはあまり知らないのですが、「侵略戦争でない」はおそらく言い過ぎだと思っています。論文を読みながら、たぶん色々と突っ込み所はあるんだろうなと思っていました。
こちらのブログへは田母神論文についてどのような考え方をみんなはしているんだろうと色々なブログを周っているうちにたどり着きました。
私はどちらかというと右寄りです。歴史は苦手でしたが小学生の頃から「日本=悪」の考えを植えつけられていた分、その反動が出ているものと思います。
今回の論文については、「日本だけが悪いように言われるのはおかしい」ということだけが私にとっては重要で、この件が社会問題となったことは、論文の内容が100%正しいかどうかは別にして、今まで関心のなかった人たちの関心も引けたかなと、良かったと思っています。(もしかして田母神さんの狙いも近いところにあったのかな??)
ところで話は変わりますが、暴行虐殺を組織的にやらせた事実とは何を指しておられるのでしょうか?きちんと証拠もある事実ですか??その件に関して参考になるサイト等ご存知でしたらぜひ教えていただきたいです。よろしくお願いします。
なんだか反論についてほとんど触れないコメントで申し訳ありません。
なんだか反論についてほとんど触れないコメントで申し訳ありません。
中国奥地まで攻め込んで,食料調達に困って,いつも略奪せざるを得ない状態になっていき,略奪を始めると兵隊は規律が下がります。そしていろいろな残虐行為を行ったり見たりしたことは,多くの体験者が語っています。下記ほか。今日の読売の編集手帳にも旧軍の補給軽視がかかれています。
http://www.rose.sannet.ne.jp/nishiha/taikenki/ushiotsu/nicchu.htm
http://www.rose.sannet.ne.jp/nishiha/taikenki/ushiotsu/nicchu.htm
参考させていただきます。どうもありがとうございました!
自衛隊幹部は政府の歴史認識と同じでなければなあないそうだが、それなら自衛隊員を雇用刷るときに歴史認識の試験をしてもし政府の歴史認識と異なる認識をしていると判断された者たちは採用しなければよい。自衛隊に入隊して初めから幹部隊員ではなく長い勤務を経て幹部職員になるのであるから、若い時の歴史認識を幹部になったから変更できるわけはない。今回のような田母神氏の歴史認識の者を幕僚長に選出した者達が悪いなら初めから法律に記載すべきである。しかし今の政府歴史認識で真面目な自衛隊員が集められるか疑問である。
歴史認識は、どうでもいいことでしょう。
そんなことを試験することが馬鹿げています。
どのような事を考えているかなんて、どうやて調べるのですかね?
踏み絵でもするのですか?
そんなことを試験することが馬鹿げています。
どのような事を考えているかなんて、どうやて調べるのですかね?
踏み絵でもするのですか?
軍人は政治に関係せず、いったんことあれば、歴史認識がどうであれ、お母さんのためであれ、天皇陛下のためであれ、労働者のてめであれ、最善を尽くすのが務めです。
制服を着ていながら、自分の出鱈目な歴史認識を頭の中にとどめず、世間に発表して、自衛隊に有利に働くと思っているのは、戦術、戦略とも間違っています。幕僚として失格です。
制服を着ていながら、自分の出鱈目な歴史認識を頭の中にとどめず、世間に発表して、自衛隊に有利に働くと思っているのは、戦術、戦略とも間違っています。幕僚として失格です。
付け加えるなら当のタモガミ氏も、自衛隊員にも思想良心表現の自由があると言っています。 が、思想良心の自由は一般人と同じですが、公務員はとくに軍人は表現の自由は憲法的に言うと特別権力関係に当たり制限されると小生は思います。
多分消されると思うけど、書いておく。
田母神氏の論文に対するブログ主の反論に対する反論は別のコメントにて。。
特別権力関係を持ち出しているが果たしてこれって表現の自由に適用されるの?
こと公務員に関しては労働基本権の制限と政治活動の自由の制限が挙げられるが、今回は論文と言う形式をとっている時点で政治活動とはいえないのではないか?
そもそも特別権力関係に当たるかどうかのブログ主の判断根拠を知りたい。
法学をやっていた私は以下の点を持って適用が妥当ではないと考えるがどうだろうか?
一、投稿論文でありはじめから一般公開を目的としていないため政治活動を意図したとは判断しがたい点
一、表現の自由に関しては猿払事件最高裁判決において公務員のそれが制限される旨の判示が成されているが、今回の事例は政治的中立性を犯すものではないと言う点
一、現代憲法解釈の基本たる芦部憲法論においてはこのような事例に関する言及がなされていない以上、政治的中立性を問題とした猿払事件最高裁判決を踏襲すべきである点
田母神氏の論文に対するブログ主の反論に対する反論は別のコメントにて。。
特別権力関係を持ち出しているが果たしてこれって表現の自由に適用されるの?
こと公務員に関しては労働基本権の制限と政治活動の自由の制限が挙げられるが、今回は論文と言う形式をとっている時点で政治活動とはいえないのではないか?
そもそも特別権力関係に当たるかどうかのブログ主の判断根拠を知りたい。
法学をやっていた私は以下の点を持って適用が妥当ではないと考えるがどうだろうか?
一、投稿論文でありはじめから一般公開を目的としていないため政治活動を意図したとは判断しがたい点
一、表現の自由に関しては猿払事件最高裁判決において公務員のそれが制限される旨の判示が成されているが、今回の事例は政治的中立性を犯すものではないと言う点
一、現代憲法解釈の基本たる芦部憲法論においてはこのような事例に関する言及がなされていない以上、政治的中立性を問題とした猿払事件最高裁判決を踏襲すべきである点
今回の問題で、彼を賞賛する分かってない方々が多いが、このブログはまともだと思いました。
石原莞爾も呆れていることでしょう。こんな奴が指揮官なのかと。
昭和天皇も、松岡外相に不満を抱いていたのに、こんな外交感には立腹かと。勝てない戦争に戦線を拡大して、現在のアメリカ従属体制をまねいた当時の軍閥こそ、真の国賊。
明治の元老の苦労が灰燼に帰したと言って間違いないでしょう。
田母神が航空幕僚長では、勝てる戦も勝てません。
ただの楽観主義者で、何も見えていない。
個人的には関東軍が、とっとと逃げ帰ったのも許せない。
情けない。民間人を守るための軍じゃないのですか?
石原莞爾も呆れていることでしょう。こんな奴が指揮官なのかと。
昭和天皇も、松岡外相に不満を抱いていたのに、こんな外交感には立腹かと。勝てない戦争に戦線を拡大して、現在のアメリカ従属体制をまねいた当時の軍閥こそ、真の国賊。
明治の元老の苦労が灰燼に帰したと言って間違いないでしょう。
田母神が航空幕僚長では、勝てる戦も勝てません。
ただの楽観主義者で、何も見えていない。
個人的には関東軍が、とっとと逃げ帰ったのも許せない。
情けない。民間人を守るための軍じゃないのですか?
つか特別権力関係は明治憲法内での話であり、日本国憲法においては大分範囲が制約されていますよね?
また、二重の基準論を考えるのならば精神的自由は経済的自由に比べて優越的地位が保障されていますから今回のマスコミやブログ主の言う言論の自由云々と言う話は客観的であり制限が妥当であるという合理的理由が必要です。
手元に公務員法と自衛隊法に関しての判例集や法令集が無いためこれらの法で既に言及されているかもしれませんが。。
また、二重の基準論を考えるのならば精神的自由は経済的自由に比べて優越的地位が保障されていますから今回のマスコミやブログ主の言う言論の自由云々と言う話は客観的であり制限が妥当であるという合理的理由が必要です。
手元に公務員法と自衛隊法に関しての判例集や法令集が無いためこれらの法で既に言及されているかもしれませんが。。