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▼2008/11/12
□GONZOの敗因を考える
GDH、経営再建へアニメ作品絞り込み 制作ラインのリストラも
ヤバそうな感じをただよわせてたけど本格的にリストラですか。 「やっぱり、こうなったか」というくらい意外性のない結果かな、これは。
自分が過去のGONZO作品で素直に面白いと思える作品は、「カレイドスター」だけ。
そのカレイドスターにしても佐藤順一監督の作品というイメージで、実のところ全然GONZOの作品という感じがしないし。
参考までにGONZO作品一覧
GONZOらしさでいえば「爆裂天使」とか「ラストエグザイル」とか「岩窟王」とか「スピードグラファー」とか、「ロミオ×ジュリエット」とか「ガラスの艦隊」とか・・・
うあー、一覧見て改めてだけど、あまりいい思い出のない作品ばっかりだ。
GONZOといえば、デジタル制作、3D導入の先駆者で萌え系全盛のゼロ年代前半に非萌え系で気を吐いたりとその存在意義は小さくなかったんだけど、個々の作品の評価に関してはかなり微妙。それは明らかにDVDでの売り上げにもろに反映されての今回の結果だろうと思う。
さて、ここからは余り根拠のない個人的イメージによる見解なのであしからず。
GONZOという制作会社は、経営に関していえば、アニメバブルで急成長して資金はたくさんある。その金に物を言わせて、CG、作画に関してはとても豪華で見栄えのする物が作れる制作会社で、自社オリジナル企画の作品も、他社が余りやらない変ったものも多く、チャレンジ精神旺盛で、新作発表時には、期待を掻き立てさせるところがあった。
ところが、その作品の蓋をいざあけて見ると、見た目の豪華さ、企画の面白さに対して、圧倒的にシナリオの面白さと演出の力量が足りず、あっさりと期待を裏切っていく。
そのギャップを揶揄するようにいつのまにかついた形容詞が「GONZOクオリティ」
何故こんなことになってしまったのか?
はっきりいってしまうと経営陣やプロデューサーに才能のあるスタッフを見抜いたり引き抜いたりする能力がないんじゃないのだろうか。
出資者の顔だけしか見えてなかったんじゃないのだろうか。
あくまで結果かもしれないが、前出のカレイドスターを除けば、アニオタの間で注目度の高い演出家やアニメーター、定評のある監督が抜擢された作品もなければ、新しい才能を見出すことの出来た作品もない。
スタッフワークを気にしながら見ている自分が、ほとんどの作品で、監督の名前を思い出せない、確認してみても、誰だっけ?っと思っちゃうくらい空気な存在感のない人ばっかり。
これだけの本数の作品を作っているにもかかわらず、魅力的な監督や脚本家やアニメーターの「顔」が見える作品がほとんどない。
金を集めて、金をかけた作品は作れても、才能ある人を集めて人に投資する作品をつくれなかった、それがGONZOの敗因なんじゃないだろうか。
(監督と脚本家に対しては一部個別で反論はあるかもな、瀬戸の花嫁の岸誠二&上江州誠とかレッドガーデンの松尾衡&岡田麿里とかは別会社の作品含めれば評価上がってきてるみたいだから。あくまで過去を含めて現在に至るまでのGONZOの敗因のイメージということで)
▼2008/11/4
少女マンガ原作アニメ不人気? -2008年Q4雑感-
確かにそんな感はありますね。
ここ最近の少女漫画原作アニメの個人的所感としても
「S・A」はもう一歩なにか物足りない。
「スキップビート」はコメディとして見れば確かに面白いけど・・・ギスギス感がちょいマイナス。
「ヴァンパイア騎士」はやや耽美よりでちょい苦手。
「夏目友人帳」は、すごくいいってわけではないけど、佳作だったと思う。けど枯れた主人公の高校生が・・・味といえば味だけど、あれが女の子ならもうちょっと男子受けしたかなあ。
という感じで芳しくないです。
ここ最近の少女漫画原作作品の人気の低さは、トップランクの人気作使い切ってしまって、次点人気の作品のアニメ化に手を出してしまっていることと、それが微妙に男子受けする要素が低い性ではないかと思います。
花ゆめ系の少女漫画はもともとオタク男子にも受け入れやすいものが多くて、彼氏彼女の事情、フルーツバスケット、ホスト部といいものも多いけど、最近のアニメ化するものは作品選択自体に疑問があったり・・・
多分これからアニメ化の可能性が高いものとして「会長はメイド様」「乙男」あたりをやれば男子人気もでるんじゃないかなあ。
あとアニメ化でいうなら純粋にコミックの売り上げだけで人気を測るとどうしても女子人気優位になっちゃうからアニメ化に際してもっと男子受けを考慮してほしいなあ。
そこで、以前からイチオシの「お兄ちゃんと一緒」も推薦しておく。
アニメ化すれば、桜ちゃんのかわいさで妹属性のオタク男子の人気は確実だと踏んでいるんだけれど、桜ちゃんの見た目と性格があまりにも小学生すぎるので、女子人気はイマイチなんだと推察。
だが男子的にはそこがいいんだぜ?
▼2008/11/1
□StrikerS Sound STAGE X 感想
ようやっと手に入れて聞き終わったので感想をば
魔法少女リリカルなのはStrikesからのスピンオフで、、なのはやフェイトたちは登場せず、スバル、ティアナ中心にナンバーズはじめSts新規登場組みの3年後を描いた話。
出番は少なめなものの、ヴィヴィオ、ルーテシア、アギトのみならず、ちょい役でスカリエッティやクアットロなども登場。良くも悪くも都筑氏はキャラを大事にするなあ。
物語的には執務官となったティアナが追っていた事件にスバルが関わり、休暇で遊びに来ていたエリオ・キャロが協力していくという感じだけど、今回、エリキャロはほぼおまけで、成長したティアナ、スバルの活躍とそれに協力するナンバーズ更正組みがメイン。
チンク・ノーヴェ・ディエチ・ウエンディがナカジマ家入りしてゲンヤパパに思いっきりなついていたり、聖王教会入りしたオットー、セイン、ディードがそれなりに楽しくやってたり、と
過去の悲しい出来事や出自を背負ったキャラが今は仲間や家族を得て幸せにやってるという、なのはのシリーズの伝統パターンは健在で、こういとこはやっぱりいいなあ。
あと、今回の事件のキーパーソンとなるティアナの副官ルネッサやスバルが助ける少女イクスとかの背景も伝統パターンで、スピンオフといいつつ正当な後継続編としてしっかりポイントははずしてなくて、ファン的には、かなり満足できる一本でした。
CDドラマだからしょうがないけど、ティアナのクロスミラージュのサードモードとなのはさん直伝のあの魔法は、できればアニメで見たかった。
あと細かいとこで、成長したヴィヴィオがかわいくていい。無限書庫で本を魔法検索するのに「全力全開!」とかいったり、ナンバーズに「陛下」と呼ばれて嫌がったり。
次はヴィヴィオ主役でも全然OKな感じだよ。
まだまだ終わったりはしないですよね?ね?
▼2008/10/30
□NHKスペシャル|日本とアメリカ 第2回 日本アニメ vs ハリウッド
http://www.nhk.or.jp/special/onair/081027.html
再放送で見ました。
前半、ハリウッドで作っている鉄腕アトムのCG映画がとりあげられてて、その初期のアトムの設定画でハリウッドと日本、手塚プロ側で、食い違いがあり、その考えの違いが浮き彫りになっていて面白かった。
ハリウッド側が提示したアトムのデザインというのが、年齢設定を上に設定していて、見た目15,6才くらい、下手するとちょっとおっさんくさい。はっきりいってかわいくない。
手塚治虫の描くアトムというのは中性的でかわいらしく、そのデザインから既にアトムのキャラクター性が詰まっているといっていい。
そこをなぜそんな風に変えてしまったかというと、マーケティングで子供っぽいキャラよりも年齢が高いキャラの方が観客の反応がいい、つまり売れるから、ということらしい。
徹底して市場に合わせるやり方がハリウッド流だ、というわけだ。
どこの市場で調査したのかわからんけど、たぶん北米だけでやったんだろうなあ。
日本でもしあのデザインだったら、絶対に客入らないわ、と思った。
だってほんとにかわいくないんだもん。
アメ公はこれだからwwwwと、腹抱えて笑ってしまったが、一歩引いて考えて見たとき、より多くの観客に見たいと思わせるものを作る必要があるのだから、「アトム」というキャラを知らない人にも受け入れられるデザインでなければならない、という理屈なら、少し納得できないこともない。
何より莫大な制作費をかけて作るのだから、失敗は許されないというのが、ハリウッド側の考えなんだろう。
売れることを前提としたそのリアリスティックな思考には感心する。
翻って日本のアニメ業界は良くも悪くもゆるいなあ、と
狭い市場に向けて売れるものを作って、小さく儲けて回すのが常態で、その中で作り手が市場を無視してちょこちょこと好きなものを作ったりして、なあなあで成立しているわけだから。
でその後、手塚プロはこのデザインに異を唱えて、ハリウッド側と意見をすり合わせながら、デザインを変更していくことになるんだけど、それが可能なのは、手塚プロが、最終的な「承認権」というのを持つという契約を交わしていて、手塚プロが「うん」といわない限り、シナリオ、デザインその他が通らないようになってるらしい。
ここは手塚プロ偉いなあ、と思った。
番組でも触れられてたけど過去の苦い経験が生きている。
それにくらべるとドラゴンボールの実写はエラいことになってるもんな・・・
参考:
http://r25.jp/index.php/m/WB/a/WB001120/id/200801041114
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20081016_dragonball_new_trailer_date/
まあ、思うんだけど、日本という閉じた文化圏で大ヒットしたマンガやアニメをハリウッドで、しかも北米マーケット中心で売れるようにカスタマイズしようというのが、もともと無理な話なんじゃないんですかねえ、と
確かにアメリカでもドラゴンボールとか人気があるそうだけど、そういうのって、ハリウッド映画という文化圏へのカウンターとして受けたもんなんじゃないのかな、と。
本家のハリウッドを本気で脅かすほど、売れまくったわけじゃないんじゃないのかな(この辺調べてないのでわからないのだけど)
要するにどこまで行っても日本のアニメやマンガはサブカルチャー、カウンターカルチャーとしてニッチなところで受けるもんなんじゃないのかと、そのサブカル的なモノをハリウッドのメインカルチャーとして、大きな市場で売れるようにしようとした瞬間、日本のマンガ原作が持っていた本質的な価値が失われてしまうんじゃないかと。
それが鉄腕アトムの場合は、アトムの「かわいさ」という価値であり、そこにある手塚治虫の作家としての本質だったわけだ。
(この予想でいくと原作にこだわったハリウッド版のアトムは北米ではコケるかもね・・・)
あとマンガもアニメも少ない予算で、日本という狭い市場で特定の文化圏、趣味嗜好の人間に向けて作ってやっていけるというのが強みでもあるわけで、それとハリウッドの大資本、世界市場とはやはり相容れないと思う。ハリウッドで映画化して成功するとは中々思えない。
世界中で日本のアニメやマンガが大人気という話を聞いて久しいけれど、決してそれは、メインの文化にはならないと思うんだ。
でも世界中のニッチなサブカル市場を独占することはできるのかもな、と夢想しているんだけど。
番組の後半は、ゴンゾが向こうでアフロサムライが当たってがんばってるって話でした。
ま、がんばってください。
▼2008/10/21
□秋新作雑感
大体見たのでざっくり雑感をば
今期の大穴は期待も込めて「イナズマイレブン」で決まり。
これ今だと「小林サッカー」といった方が通じやすいのかも知れないけど、小林サッカー自体が、この手のスポ根マンガのパクリだったからなあ。ベタなネタだけどキッズ向けとしては最近では珍しいので、お子様にきっちりこういうタイプの作品の面白さを伝えて欲しいなあ。
あとこういう作品はどこまでハッタリをかまして飛躍できるかが肝だから、最後はネリリ星人と戦って世界を救うぐらいのとこまでいって欲しいところです。
あと「少年突破バシン」、これまたキッズ向けでカードものなんだけど、久しぶりにフィーリングがあったのでしばらく様子見、EDとメガネコのためだけにでもいいや。
あと順当に楽しめそうなのは、とらドラ、ヒャッコ、黒執事、かんなぎ、とある魔術の禁書目録、ケメコデラックス、CLANNAD二期、ガンダムOO二期
屍姫、喰霊、魍魎のハコあたりは悪くなさそうだけどやや趣味からはずれるかなぁ。
今期も本数は多いしそれなりに見て楽しめそうものも割りと多いけど、全体としてはやはりパッとしない。
ラブコメ、同居モノ、学園異能、魔物退治、やりつくされたネタの再生産ばかりと嘆きたくなるところだけれど、人気のあるジャンルであることは間違いないので仕方ないのかなあ。
イナズマイレブンみたいな途切れていた系譜の作品をやる時は、王道でもいいけど、流行で連発されてるジャンルはもっとひねったものを求めたいよね。
同居モノのラブコメで、見てて思うんだけど、どうしていつも「ある日突然あらわれた女の子が男の子と同居する」ことになるんだろう。
逆パターンで「ある日突然あらわれた男の子が女の子と同居する」でもいいんじゃね?ショタと女の子ならなおさらオレ好みになるんだけど
あと女の子と女の子でもいいんじゃね?百合的に。
▼2008/10/9
□とらドラ 2話
いい最終回だった・・・
原作だとここでちょうど一巻なのかな?
Bパートの大河の告白からのくだりは演出も冴えてて、すばらしかった。
こういう、台詞の上にのぼらないキャラの感情の機微を描けてるものって案外ないもんだけど、これはいい出来!
とおもったら、コンテ・演出がハチクロのカサヰケンイチだった。あーそりゃーなー
あと釘宮はやや聞き飽きてきた感がなきにしもあらずだけれど、なんだかんだいっていい演技するよなあ。うん。
▼2008/10/7
□かんなぎ1話見てきた
みなさんお待ちかねのヤマカンこと山本寛の第1.5回目くらいの監督作。
感想としては、突き抜けてすごい出来というわけではないが、見やすい普通によく出来た1話だな、という印象。
作品の内容的には、ベッタベタの美少女居候モノで苦手なタイプなんだけど、その苦手意識をあまり感じさせない、嫌味のない品のいい丁寧なつくりで好印象でした。
フルメタとかで印象に残る回も個人的にはあったんだけど、作ったものよりも、ヤマカン、ヤマカンとネット界隈でものすごい持ち上げられて、その名前だけが一人歩きしてしまっている印象があって、内心「そんなにすごいかあ?」とずっと疑問符がついていたのですが、かんなぎの1話で、ようやっと「普通に上手い演出家」という自己評価に落ち着いたついたかな。
▼2008/9/30
舛成監督関連の記事が載ってるという情報をキャッチしたので買ってきた。
最近情報に飢えてるからなあ。
「宇宙ショー」関連化とか思いきや取り上げられてたのは「「かみちゅ」でした。ページ数にして6P。
本の性格上、他作品がコンテやレイアウトや美術などのメイキングが中心なのに、「かみちゅ」のその辺あまり突っ込んだ記事になってなかった。いまさらこんな時期に取り上げて、この程度の内容しかないというのはなぞ。
どうせなら、舛成監督のあのゆるい絵で描かれたコンテとか詳しく取り上げてくれれば面白いのに、未だかつてどこもそこに突っ込んであげないんだろう。
倉田&舛成に取材した記事は、いつもどおりの二人でした。
初っ端から、倉田氏が「自分たちには縁のない雑誌だとおもっておりましたが」がとかましてくれる。謙遜しているのかと訝しむ編集だけど、こういうお堅い雑誌に自分たちがそぐわない、という思いと、スルーされることが多いことへの皮肉だと思うなー
とはいえ、この二人はこういう取材来ても、面白おかしくしようとして、雑誌の雰囲気壊すんだけどw
まあ、宇宙ショーのときはもっとガッツリと記事にしてくれることを期待します。
▼2008/9/29
□コードギアスR2 最終回感想
最後まで文句なく面白かったです。
毎週毎週、予想を裏切る展開の連続で、目が離せなかった。
ところが、こんなにも面白い作品なのに、なぜかのめり込めない、どこか冷静に見てしまう自分がいた。
それははなぜなんだろうと、ずっともやもやとしていたんだけど、最終回を見終えて、「あー面白かった」と思って、やはりそれ以上の感想がなかなか出てこなくて、感想かくのは次の日にしようと思って寝て、朝目がさめたときに、その答えがやっとわかった。
たぶん、自分は、この作品を10代に見てたら、おそらく熱狂しただろう。
なぜなら、子供の頃に自分も持っていた平和を愛し、醜い世界を憎む幼いや正義を、「もし自分に世界を変えられる力があれば」という英雄願望を、そのまま具現化し、それを最後まで成就して見せた作品だからだ。
ありきたりの作品ならば、そういう願望を持った少年が、「力」だけでは超えられない壁を知り、世の中の不条理を受け入れ大人になる。
少なくともこれまではそれが、大人が子供に語って聞かせる真っ当な物語として、一種のセオリーだった。
しかし、ルルーシュは罪と罰を背負いながらも、その不条理を拒否して、大人という穢れた存在にならずに、自らの命を世界に捧げ死んでいく。
ルルーシュは最後まで純粋な少年として逝った。
大人にならずに死んだ。
なんてロマンティックな死に方なんだろう。
けれど、ルルーシュの死んだ後の世界は、以前よりちょっとだけマシなものになっただけで、不条理や矛盾がなくなったわけではなく、残された人たちは、その中で苦闘しながらも生きていかなければならない。
その未来を作ったのはもちろんルルーシュなんだけれど、「力を持って世界を変える」ことよりも、不条理な世界で苦闘しながら生きていく、生きつづけることの方が遥かに困難であり、それを知らずに死んでいくルルーシュは、穢れた大人の視点で見てしまうと「ズルい」と思えてしまう。
多分自分はもう、シュナイゼルか下手すればシャルル皇帝の位置にいる。決してルルーシュではない。
だから、「面白い」と思いながらも、熱狂は出来ないんだな。
それでも、シニカルに陥らず、過去や現在ではなく、「未来」を手に入れようとするルルーシュは少年モノの主人公として、すごく真っ当だったと思う。
そういう意味で、徹底してシニカルで過去も未来もない押井監督の「スカイ・クロラ」とは真逆の作品なんだろうなあ。
▼2008/9/27
□マクロスF 最終回感想
戦闘と歌というマクロスのコンセプトを最大限に見せ付ける贅沢な最終回。
物語は案外と綺麗に、でもちょっと薄味にまとまったかな、といった感じ。
でも悪くはなかったと思います。
全体を通して考えると、序盤のスタートダッシュから、中盤のランカのサクセスストーリーまでは、好調だったのに対し、中盤以降バジュラ絡みの物語の核心、シェリルの没落から徐々にパワーダウンしていったという印象。
バジュラの謎やランカの過去について描いていくことにとらわれすぎて、肝心のアルト、ランカ、シェリルの三角関係の恋愛模様に深く踏み込めないまま終わってしまったのは、消化不良といった感じがどうしてもしてしまう。
まあ、アルトがランカとシェリルのどちらかを選んでしまうところまで持っていかず、あいまいにして、恋愛モノとしてドロドロにせず、薄味に仕立てたのは、ある意味では正解なのかなとも思う。
というのは、近年の河森監督の作品は「アルジュナ」や「アクエリオン」でもそうだけれど、テーマを語らんとする志向が強すぎて娯楽としてみるにはいびつなものになってしまていて、正直「マクロスF」に関しても始まる前は、その「病気」がまた出るんじゃないかと想像してあまり期待していなかったのです。
しかし蓋を開けてみれば、びっくりするくらい素直な娯楽作になっていて、その姿勢は最後まで崩れなかった。
マクロスFも恋愛や人間ドラマ、テーマをもっと深く描こうとしていたら、そこに余計な思想が入り込んで、またバランス崩してたかもなあ、と思うとこれで十分なんじゃないかなと。
思想やテーマというのは諸刃の剣で、作品を面白くもすれば、独りよがりなものにもするので、まあ難しいところなわけですが。
今回、河森監督が娯楽に徹してくれたことは最大限に評価したいと思うののです。
なので次回作は、突っ走っても許すw
それと、コードギアスとの比較になるけれど、マクロスFは良くも悪くもおっさん向けロボットアニメとして正解だったなあと。
おっさん的にはいい加減青臭すぎる主人公は見ててきついので、 アルトという主人公はほぼおまけで、「思春期」をドラマの主軸にしていなかったというのは結構重要だったと思う。
後、シリーズの集大成的にそこかしこ、シリーズを知っていればにやりとする仕掛けが用意されているのも、おっさんどもを喜ばせるツボになっていて小憎らしかった。
オズマ隊長の聞いてる歌がバサラの歌で最終回では「突撃ラブハート」と叫ぶみたいに、マクロスシリーズの中で「文化」が継承されているみたいな描写の面白さや、ランカがバジュラ側に立って「愛、おぼえていますか」を歌ったときののゾクゾク感とか、長年アニメ見てきたおっさんにしかわかるまい。
コードギアスが10代の若人に受けているのはまことに結構なことだと思う一方で、同時期におっさんが素直に喜んで見れるロボットアニメが世に出たというのは、喜ばしいことだったと思うのです。
▼2008/9/26
ネタもないのでアフィ張っとく
StrikeSのドラマCDは夏コミで先行販売されてるんだけど、一般販売が10月末は遅いよー
出たら感想かきます。
▼2008/9/13
□ダークナイト 感想
公式:http://wwws.warnerbros.co.jp/thedarkknight/
上映終了間際、滑り込みで見てきました。
ネット界隈での評判が異常に高く、知人関係も傑作認定するもんだから、重い腰をあげていってきたわけです。
まあ多少興味はあったものの、あんまり絶賛の嵐だったので、期待はずれだったらやだなあとか、思ってたんですが、見終わってみて、もし見にいかなかったら死ぬほど後悔したに違いないと心底思いました。ふう、危なかった。
まあ、既に周回遅れなので色々と感想とかも出尽くしてるだろうけど、あえて書くね。
書きたいから。
以下ネタバレ
この映画なかなか先の展開が読めなくて、ドキドキワクワクしながら見れてとても楽しいわけです、いうまでもなくジョーカーの存在が。
正義とか悪とか結論の出ない問題に手を突っ込んでるのもハリウッド映画でやってるのも、らしくなくて面白かったんだけど、ジョーカーの悪の魅力にぐいぐい引っ張られて、どうやってまとめんだろーと、最終展開突入前はハラハラした。
で、最後のジョーカーのしかけ、二隻のフェリーのやつで、市民と犯罪者たちが互いに相手に仕掛けられた爆弾を押して片方のみ助かるという選択を迫られる場面。
ともかくここが一番ゾクゾクきた。
自分がもしあの船に乗り合わせていたら、どういう選択をとるか
もし自分がジョーカーだったらどういう結末に狂喜するのか・・・
そんな中で、自分がした最悪の結末の予測というのが、市民の側だけがスイッチを入れ、そのスイッチは市民の船の爆弾のスイッチで、市民が自業自得で爆死、という我ながらひどいもの。
で、映画のほうの結末は、犯罪者はスイッチを外になげすて、市民は多数決でスイッチ押すことを決めるがギリギリで押さず、両者とも助かるというもの。
ヒーローでもない市民と、極悪人でもない犯罪者が、、始終吹き荒れ続けたジョーカーの狂気、恐怖に打ち勝つ、という胸のすっとする展開。
この映画で唯一の勝者はおそらく彼らなのだろう。
まったく、自分ときたら、ジョーカーが一番喜びそうな結末を想像して、完全にジョーカーに取り込まれて映画みてたよ!
それはさておき、自分はあの場面で、お互いを救ったものは、善とか良心ではなく「誇り」何じゃないかと思った。だいたい犯罪者が良心ってこと自体おかしい。
特にスイッチを投げ捨てた犯罪者のおっさんは、さほど細かい描写や葛藤もなく「最初からこうすべきだった」といっていともあっさりとスイッチを放り投げる。
あのおっさんは、ジョーカーのゲームに乗っかってジョーカーを喜ばせるくらいなら死んだ方がマシだ。そう思ったんだろう。
自ら汚名を被ろうとスイッチを押すことを名乗り出た市民の男も、結局は簡単にスイッチを押すことが出来ずギリギリで踏みとどまってしまう。
「他人を見殺しにしても自分だけが助かりたい」
「死の恐怖に負けて他人の言いなりになる」
そういった醜い卑しい生き方を拒絶する心、命を失っても守るべき高潔さ、それは、つまり人としての「誇り」だ。
悪や恐怖に打ち勝つものは、愛とか正義とかヒーローでもなくって、普通の人の内心にある「誇り」!
むう、なんというか日本人的な魂の奥に眠っているものをを揺らされる!
ハリウッド映画の癖に生意気じゃないかコンチクショウ!!
他にも色々と考えさせる所の多い映画だったけど、自分的にはここの場面が一番だったなあ。
というわけで、文句なく傑作認定。
こんないい映画を見逃さなくて本当によかった.。
▼2008/9/5
http://sikoukairo.blogspot.com/
こちらのブログで日記のようなものを始めようかと思います。
移転ではありません。ここは本家として今までどおりです。
というか、いま現状この場所ってなんかの語りたいゲージが溜まらないと書けなくなってしまったので、もうここは長文専用でいいかなと。
ブログの方では、アニメ以外も含めてどうでもいいネタを気楽に更新ていきたいなあ、と。
そんな感じです。
▼2008/9/1
「スカイクロラ」が眠くなっちゃうのは当然かも~細かすぎて伝わらない演出~
>観終わった後、サブカル系女子二人組みが大声で、
>「希望なんてないじゃん。何を伝えたいんだよ。アホか。」
あああああああorz
ですよねー、伝わるわきゃないよなー
□たかみちさんとフミカネさんの画集くるー
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