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Out of Order.

2008-11-10 大丈夫、言語生成装置とUGが世界をなんとかしてくれる。

未来志向の懐古趣味「日本語が亡びるとき」。

ヨーロッパで出会った、アルンとエイジェイ。たまたま、スタバの隣に座っていて、声を掛けてくれたのだけど、なんと違う国の、同じ会社の、同じセクションの人だった。いわば同僚?みたいな。

やっぱスタバ落ち着くわー

カフェモカ、世界中で同じ味でマジウケルwQC半端ないw

とか、日本の大型案件のことで盛り上がったりした。もちろん、会話は英語。


んで、だ。読んだ。

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で

書き出しが、

九月のアイオワ・シティの朝はかなり冷え込む。

で、もう。小説家としてどうなのそれと思って、読むのやめようかと思ったけど、「文学(笑)だし、評論(笑)の棚にあったし」と思い直して、読んだ。

エスペラント語に一切触れてないので、もう、ホントにガッカリしたんだけど、本書の内容を「話し言葉で」要約すると、こんな感じだ。

日本語マジヤバイ!

なんでかって、英語が覇権を握っちゃったからだ。米英の覇権と、グーグル様のインターネット独裁によって、イマドキの情報の一次ソースは殆ど英語で書かれてるんだよね。まぁ、ぶっちゃけ英語で統一した方が、効率いいしさ。だから、日本のお利口さんたちは、英語さえできれば、一次ソースにアクセスできるわけ。そのことに気付いちゃったわけよ。とーぜん、日本でも英語の重要性は高まるよね。まぁ、昔で言うラテン語的存在なわけ、英語は。グーテンベルク銀河系、終焉、みたいな?

近代以降、豊穣な文学の存在に依存して日本は日本語を守ってきたけど、現代文学って文学(笑)だし。日本語を支えるに値しない。だから、お利口さんは日本文学(笑)なんか読まないし、日本語マジヤバ。

だから、日本語の保護のためには、中等教育では、古典の授業削って、漱石ちゃん読ませるべき!な!

まず、筆者の認めるとおり言語学的にこの論考は全く意味がない。

まぁ、わかるんだ。感覚的には。村上春樹が文学(笑)だってこととか、良く分るんだ(書いてなかったけど)。

私も外資に勤めてて、読み書きする文字の半分は英語だし、メールやレポートを書くだけなら、思考と同時に書ける英語で書いた方が日本語で書くより早い。日本語対訳のあるドキュメントでも、日本語では読まないで英語で読む。翻訳のバイアスがかかるのが嫌だし。日々、日本語で何かを読む重要性が損なわれている感覚はある。

でもたかだか英語に浸かってるってだけで、アイディンティティ・クライシス起こして、この程度のさして真新しくもない言語ナショナリズム論に「激しく同意」て、お前らの愛国心は、どんだけ脆弱やねん。夏目漱石もいいけど、柳田國男とかを読んだ方がいいよなあとは思った。とはいえ、お蔭様で、懐かしむふるさとも、失われつつあるんだけど。

読んだエントリ

水村美苗「日本語が亡びるとき」は、すべての日本人がいま読むべき本だと思う。 - My Life Between Silicon Valley and Japan

「日本語が亡びるとき」なんか読む暇があったら「あたし彼女」でも読んどけ - Thsc

つづき

バベルの塔の奴隷たち。 - Out of Order.