ニュース永遠にネットをさまよう公安個人記録 「亡霊のよう」9年前にネット上に流出した公安調査庁職員の個人情報が今でも入手できる状態になっているという。公安側は何度も削除を試みているが、「忘れたころに必ず出てきてしまう」という。2008年11月12日 07時00分 更新
1999年10月、突如ネット上に流出した公安調査庁職員590人分の住所、電話番号などのリストが、10年近くたったいまでも簡単に入手できる状態となっている。職員の多くは配置換えによって部署が変わっているが、自宅住所は変わっていないケースも多い。公安調側は何度も削除を試みているが、亡霊のように出現するため、いたちごっこが続いている。 ネットをさまよう職員住所録には、98年当時の長官以下、全国の職員らの職名、氏名、郵便番号、住所、電話番号がズラリと並ぶ。 99年新規採用者の個人情報も含まれており、当時すでに退職していた内部関係者が、オウム真理教事件に端を発した第2破壊活動防止法の粉砕を目的に、巨大掲示板「2ちゃんねる」に一気に書き込んだとされている。 同庁総務課の情報管理官が当時、2ちゃんねる管理人の西村ひろゆき氏に削除要請したが、時すでに遅し。データは英訳され、海外のホームページにまで英文で掲載されてしまった。 海外ホームページはニューヨークの建築家(当時)が管理しており、FBI経由で削除を申し入れたが、表現の自由を理由に拒否。「世界一無能な情報機関」などと題し、同庁職員が97年に米中央情報局(CIA)を訪問した際に受けとった内部資料などとともに公開し続けた。 削除しても復活このHPは現在、消滅しており、データは抹消されたと考えられていたが実態は違った。 あるネットユーザーは「この種のデータは何回消しても、亡霊のように必ず復活する。データをダウンロードしてしまった不特定多数のユーザーらがアップし続ける限り、一般ユーザーでも専用ソフトを使ってキーワードを入力すれば、かなりの確率でダウンロードできる」と言い切る。 当時を知る公安調関係者は「可能な限り処置はしたが、(流出データは)忘れたころに必ず出てきてしまう。何年経とうが、このデータは永遠にネットの世界をさまよい続ける。まさに痛恨の極み」と話している。 なお、現在はこの種の個人情報(入手方法を含む)を掲示板などに不正にアップした場合、IPアドレスなどから確実に身元が割り出される。 [ZAKZAK] copyright (c) 2008 Sankei Digital All rights reserved.新着記事
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