2008-11-10
■[はてブ]日本語が亡びる前に、はてブが「バカ」によって亡びるかもしれません
タイトルはホッテントリメーカーで作ってはいませんが、釣りであることに変わりはありません。
梅田望夫氏のtwitterに於ける「バカ」発言というのは、敢えて自分の感想を書かずにみんなも読んで感想書いて、と書いたのに、手元に本が無いうちからブックマークコメントに感想めいた事が書かれたのでは発言意図が打ち砕かれたわけですからその落胆ぶりをして「バカ」と言ったのだと思います。
とはいえ、ソーシャルブックマークがどのように使われるものなのかは誰にも決める事が出来ず、それを規制する事も抑制する事も困難であるようにも思います。
◆梅田氏が敢えて「書評」を書かなかった理由
内容について書きだせば、それこそ、どれだけでも言葉が出てくるのだが、あえて今日はそれはぐっとこらえておくことにする。多くの人がこの本を読み、ネット上に意見・感想があふれるようになったら、再び僕自身の考えを書いてみたいと思う。
水村美苗「日本語が亡びるとき」は、すべての日本人がいま読むべき本だと思う。 - My Life Between Silicon Valley and Japan
梅田氏のエントリに「あれは書評ではない」という批判をする方がいらっしゃいますが、梅田氏は敢えて書評を書いておられません。
後述しますが梅田氏は自身が本に関して何かを書く事によって「読んだつもり」になってしまう事を物凄くおそれた。
物凄く面白いと感じた物事を、兎に角「味わって」欲しいと思ったとき。
人は言葉を失うというか「敢えて何も言わない」という手法に出る事がある。美味いモノを薦めるとき「何も言わないで、一口食べて、な。な」とかやるアレと似ている。iPhoneをいじれば"直感的"にわかる、なんていうのもそれに近いかもしれない。
いずれにせよ読む前に「日本語が亡びる日」に対して何らかの印象を少なくとも梅田氏自身のエントリで抱く事なく手に取り読んだ上で感想をウエブに放って欲しい、と思ったからこそ敢えて自らの感想を書かずに書籍を紹介する事に腐心をしたように思う。
◆twitterに於ける「バカ」発言、けんすうさんの発言
はてな取締役であるという立場を離れて言う。はてぶのコメントには、バカなものが本当に多すぎる。本を紹介しているだけのエントリーに対して、どうして対象となっている本を読まずに、批判コメントや自分の意見を書く気が起きるのだろう。そこがまったく理解不明だ。
Twitter / Mochio Umeda: はてな取締役であるという立場を離れて言う。はてぶのコ ...
梅田氏の「バカ」発言は「読む前に何かの印象を持って欲しくない」と心を砕いたにも拘わらずそれが伝わらなかった事への「がっかり感」ではないだろうか。
それに対して、けんすうさんは
サイトの基準に合わない迷惑なものなら削除すればいいわけですし、荒らし行為があるなら規制をすればいいのです。
どっちでもないものに対して、気に入らなかったから「バカなもの」「理解不明」というのは、なんだかなぁ、と思うわけです。
コミュニティサービスで、そういう風に思うのであれば、それは完全に仕組みが悪い。ユーザーの責任ではない。
ネットでも現実の世界でもいろいろな人がいるわけで、悪意を持った人もいれば理解できない人もいるわけで、それを自分のサイトでとめられないからといって、それをユーザーのせいにするのはちょっとなぁ、、
梅田望夫さんの発言があまりにも問題な気がした : ロケスタ社長日記
と書いておられるのですが、ソーシャルブックマークに「バカ」な発言が並ばないようにコントロールか出来るとしてそれを「誰」が「どのように」コントロールするのかはちょっと考えなければならないというか、最近矢鱈と目に付くはてなブックマークに対する様々な言説の殆どがはてなブックマークがリリースされた2005年には既に議論の俎上にあげられているという事実を認識したほうが良いのではないだろうか、と思います。
私見ではありますが、梅田氏のエントリにつけられたブックマークコメントというのは梅田氏のエントリに対して行われたものであり、本を読んだ感想ではない筈です。梅田氏は「本を読まずに」と書いておられますが、ブックマークコメントを書いた人が本を読んでいないかどうかは邪鬼眼でも持っていない限りわからないともいえる。詳細は後述しますが本を読んだ結果としてブックマークコメントに並んだ「バカ」な発言と同程度の感想をもった場合、それは本を"読んだ"事になるのだろうか、という疑問をも露呈させています。
はてなブックマークが群衆の叡智ではなく、衆愚である事はリリース当初から言われて来た事でした。リリースから三年半経過してUIを中心とした改変がなされる事となりましたが、コメント欄に「バカ」な発言が並ぶ事についての改善が行われるのかは現時点ではわかりません。そうした機能が付いたとしても「バカ」な発言が上位に露出しないとは限りません。
もしかしたら今月下旬に行われるバージョンアップによって何らかの施策が行われるのかもしれませんけれど、言論と言いますか表現というのは受け取る人によってその価値が決定するべきものである筈ですから運営サイドで一定の基準を定めるというのは難しいのではないか、とも思うのですね。
私は全はてなダイアリーユーザの中でjkondo社長を抜いて10位のブックマークを獲得しているというポジションにいますが*1これは私のエントリの品質の高さを物語っているわけではなく「ブックマークを沢山集めた」という結果を物語っているに過ぎません。
私のエントリには様々なブックマークが付き、様々なコメントがついています。中には私の発言意図を理解せず、あるいは理解した上で揚げ足を取るような事、あるいは私を傷付けようとする意図を感じ取られるものも存在しています。ですがそうしたブックマークコメントも含めてブックマークを付けてくださった方に「ありがとう」と言いたい。どんな感想であっても「わたし」が放った表現に対する感想であり、また表現なのであって「何をそこからくみ取り、自分のものとするのか」によってゴミにも宝にもなる。
ブックマークをいただく、という事は付けられた人に最初に価値を生み出せる可能性をその人に与えるという行為の筈なんです。
◆「読む」事は「書く」事の免罪符たりうるか
梅田望夫氏はtwitterで「本を読まずに」と強く批判をされておられますが、ブックマークコメントに「バカ」なコメントをした人が本当に「日本語が亡びるとき」を読んでいるかいないかは梅田氏にはわからない筈です。
関連エントリやコメントの中には「読んだ」とした上でブックマークコメントに書かれた事と同様の内容を書いておられる方もいらっしゃいました。
私の手元には一両日中に書籍が届きますが読んだ結果としてブックマークコメントに書かれた「バカ」な感想と同じものを「抱いてしまった」場合、それを書いて良いのかどうかを躊躇してしまいます。
本を「読む-read」するという事が、そこに書かれている事を「読む-understand」事を担保しているわけではない。梅田氏は当然のように「読めばわかるさ」と思っているのだろうけれど読んだ結果として「バカ」な感想を抱く可能性だって当然にある。だとしたら「読む-read」する事は「書く」事の免罪符としてしか機能しないおそれも存在する。
むー。書きたい事はいろいろあるんだけど上手く纏まらないので取り敢えず此処で放ちます。
本は一両日中に着荷するっぽいので「読んだら-readしたら」エントリを起こしたいと思います。「バカ」な感想しか書けなかったとしてもごめんなさいなのです、と先に謝っておこうっと。
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