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【滋賀】

「全く分かってない」地元反発

2008年11月12日

大戸川ダム不要の4府県知事共同意見をうけて会見する目片信大津市長=同市役所で

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 「地域のことは地域で決める、と知事らはいう。ならば、その地域とは一体、どこだ」。4府県知事らによる大戸川ダムの建設反対の意見表明に、流域住民や地元市長は強い不満を表した。

 住民らでつくる大戸川ダム対策協議会牧町地域開発対策委員会の田村孫保委員長(77)は「(任期の)4年間のことなら知事に従う。でも長期にわたる重大な事業や懸案については、行政の継続性があってしかるべき」と強く反発する。

 住民たちは計画のスタートから40年間にわたって、県から「ダムができるから河川改修は待て」と言われてきた。40年間は、洪水の不安を抱えながらも、県の言葉を信じてきた時間でもある。

 「大雨が降るたび、いつまでたっても枕を高くして寝られない」と田村委員長はいう。「知事の考えに住民が振り回されている。これ以上、犠牲を強いられるのはごめんだ」と不満を募らせた。

 大戸川ダムの地元自治体として目片信市長は、知事らの意見表明後、記者会見をした。

 「知事に市民の代表として意見を求めることに問題がある」と指摘。「意見表明には、流域住民の安全安心に対する切実な思いが一切反映されていない」と切って捨てた。

 目片市長は時折、顔を紅潮させながら持論を展開し、批判の矛先を嘉田由紀子知事にも向ける。「知事は自分の言いたいことを言うだけ。全く聞く耳を持たなかった」「この40年、地元でダム建設を反対する看板は一つもなかった。知事は地域に住んでないわけだから、全く分かっていない」

 目片市長は21日、国土交通省に出向き、あらためてダム建設を要望する考えを示した。

 

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