少年Aの散歩/Ecology of Everyday Life このページをアンテナに追加 RSSフィード

2008-11-09

梅田望夫さん(略)のために はてなの批判ははてなでやるかってことで転載

 http://b.hatena.ne.jp/entry/http://twitter.com/mochioumeda/status/996601415

 http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20081107/p1

 これらに関して。ID:splintに触発されて。

 

 僕が常々思うのは、「軽薄短小なサービスは絶対に腐敗するのだから、ネット上にはせいぜい《ホームページ》だけがあればよかったんじゃないの?」という乱暴なものだ。この「軽薄短小」にはSNSやブログやTwitterなどが含まれる。人気のある「お手軽なサービス」においては、まず間違いなく「ああいうこと」が起こる。インターネットのことが何にもわかってなくて、自分でサイトを立ち上げることすらできないような人が簡単に発言できるような状況になったら、秩序なんかなくなって当然だ。「精神的にも技術的にも未熟」で、「インターネット上で人はどう振る舞うべきか」なんてことを考えたこともない、あるいは「ろくに考えることができない」ような人が増えれば、「軽はずみな言動」も増える。そりゃそうだろう。

 

 だから、梅田さんの「呆れ」はもっともだし、それに対する「はてブ」ユーザーの反応も、「やっぱりな…」である。「そりゃ、こうなるわな」である。彼らには梅田さんの文章を読み解くだけの頭がないから、「ああいうこと」になる。

 

 まぁ、有象無象はどうでもいい。「梅田望夫さんの発言があまりにも問題な気がした」というページが、どうやら「とても人気のある梅田さん批判記事」らしい。現在一五〇以上のブックマークがついている。「あまりにも問題」という部分が、「はてブ」ユーザーの心をくすぐったんだろうな。

 

ユーザー投稿サービスがメイン事業である会社の取締役にいるにも関わらず、自分のサイト内のユーザーの投稿にたいして「バカなもの」と見下した発言と見られる可能性のあるものを全世界にしちゃうのは問題な気がします。

取締役なら「どうすればよくなるか」、を考えて発言するべきで、それをするのではなくて、「取締役という立場」を離れちゃって、「バカなもの」とか「まったく理解不明だ」と言っちゃて思考停止するのは、無責任な気がするなぁ。

 

 たぶんこれが結論部だと思う。

 ここを読んで、あ、だから「ああいうこと」になるのか、と思った。

 以下は、上に引用したブログへの言及ではない。《全体》に対しての僕の所感として書く。

 

 梅田さんは「はてな取締役という立場を棚に上げて、《はてなについて》発言した」のではない。「はてな取締役という立場を棚に上げて、《人間について》発言した」のだ。《インターネットについて》発言したのでもないし、《はてブについて》発言したのでもない。そう僕は解釈する。彼に対する悪意がなければそういうふうに読むことはできるだろうし、僕は彼が非常に頭の良い人だということを知っているので、そういうふうに読んだ。

 彼がそう簡単に「頭の良い人から批判されるようなこと」を書くはずがない。書くとしたら、「バカが批判するようなこと」を書く。彼は「楽観的すぎる!」という批判をよく受けるようだが、頭の良い人なら彼の著書を読んで「ああ、この人は《あえて》問題点を書いていないのだな。問題点を書き連ねたらそれだけで何冊も本が書けるし、だいいち本の持つエネルギーが削がれるからな」ということがわかる。梅田さんはそのように書いている。小林よしのりが『ゴーマニズム宣言』を「あえてゴーマンに、あえて極論的に」書いているのと同じ。実際、彼はどこかで、「あえて楽観的な立場を取ってんだよ!」という意味のことを書いていたはずだ。そのへんについてはここ参照。

 

 彼が言っているのは「お前らは本当にバカだな」という意味のことだけだ。インターネットが云々というところから離れて、「有象無象の人間どものバカさ加減」を語っている。だから彼は、「書く気が起こるんだろう」という、「発言をする人間たち」について言及する。これが「どうしてはてなブックマークは、バカな発言で溢れるのだろう」だったら、「あんたが関わってる会社が作ったサービスだろ!」というツッコミもできるが、そうではない。そのくらいには、彼は気をつけて文章を書く(はずだ)。「理解不能だ」というのは、「てめーら愚民どもの考えることはわかんねーなー」という意味でしかない。べつに「はてなブックマークというサービスや、そこに集まる人々は、どこかおかしいぞ? なぜだ?」という「理解不能」ではない。

 

 何度も言うけど、彼は「はてな取締役という、インターネットに関わる仕事(?)をしている者」としての立場を脇に置いて、「それにしても人間ってバカだなー」ということを言っているのである。僕には「ああいうこと」を引き起こしている人たちが、「バカだなー」って言われて「ムキー」ってなって「おまえのかーちゃんでべそー」ってヘリクツで言い返してるバカの群れにしか見えない。「チビ」って言われて「おまえのほうがデブだ!」って言ってるようなもん。まったく、理解不能だ。



  • 追記:

 友人であるID;splintと少し話をしたので書いてみる。

 

 彼の発言を勝手に整理。

 

 俺はもちおさんはユーザーをバカにしていたわけではないとおもうんだ。あれはつまり「コメがバカ」と言っているのであって、コメを書いた奴はバカ」とは言っておらん。言いたいと思うのだけどね、「もっと慎重になれよお前ら」ってことなんじゃないですかね。「君らがバカかどうかは知らんが、君らの態度は軽率に過ぎる」と、そう読んだよ

 

 ま、やさしく言うとそうなるんだろうな。「君らの態度は軽率に過ぎる」と。それを僕は「軽率な発言をする→バカ」というふうに変換したわけだ。そのくらい僕はユーザーをバカにしたかったわけだ。梅田さんの名前を借りて…悪気はないです、すみませんでした。

 梅田さんが実際に「はてブユーザーでバカなコメントをしている奴らはバカだ」と思っているかどうかは知らん。「発言の意図」や「発話者が実際どう思っているのか」とは関係なく、僕には「バカに対してバカだなーという意味のことを言っている文章」にしか見えない。乱暴かもしれないけど、そう思う。


  • 追記2:

 とても同感。この一言で良かったんだなあ。上記の全ては無駄であった。

 http://twitter.com/kamibukuro/status/997413567