国際福祉機器展2008の開催まであと4日となりました。
今回の展示会では、1点新製品を出品する予定になっています。
その名も【ロックン】
単純な製品ですが、みなさんが1度は感じた事があるであろう1つの問題を解決する画期的なモノ!だと自信を持っています!
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車椅子利用者のみなさんは『車イスから自動車やベッド、トイレの便座へ乗り移る際、車イスが逃げて転倒してしまいそうになった経験』が一度はあると思います。
また、施設等では『高齢者の方が職員の目を離したスキに立ち上がろうとして、車椅子が動いてしまい転倒事故になる』ことが多いそうです。
それらは皆タイヤの空気が少ないために起こる現象です。車イスのブレーキは一般的にはタイヤを金具で押さえる仕組みになっているため、空気が少なくなるとブレーキの効きも弱くなってしまうのです。
私自身、普段は気をつけて重心を調整したりしていますが、気を抜いてしまった時に何度かそんな経験をした事がありますし、実際に転倒したこともあります・・・
・・・そんな時、私は『空気が抜けていることに気がつかなかった自分が悪い。』と考えていました。
しかし、私達は毎日車イスを使って生活しながらも、常にタイヤの空気にまで考えが及んでいるわけではありません。
タイヤの空気は少しづつ抜けていってしまう為、気がついたら空気の量が減っているというのが現状です。
そもそも、通常使用する分には少しくらい空気が少なくても問題ないし、少し減ったからといってすぐに空気を入れていたらその作業だけでも大変です・・・
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ある時、車椅子メーカーさんとの会話の中でこの『タイヤの空気とブレーキの関係』が話題にあがりました。
「多少空気が少なくてもしっかりと止まるブレーキシステムは作れたら・・・」という問い掛けに、『それは最高ですね、コスト次第ですがうちでは使わしてもらいますよ、みんさん困ってますもん』というメーカーさんの言葉。
この言葉を聞いて自分の考えが間違っていたことに気付きました。
乗換え時に車イスが逃げた原因は『タイヤの空気のメンテを怠った自分』ではなく、『空気が少ないと効きが悪くなってしまうブレーキのシステム』だったのです。
メーカーさんの言葉に元気を得て、それならやってみようと開発に着手。
“イスドコ”チームの知恵を集め、また、あるプレスメーカーの協力を得て『ロックン』は誕生しました。
『ロックン』は今使っている車イスに後付けで取りつける事も可能な作りにしてありますが、いずれは新品として出荷されるすべての車椅子に標準でこの『ロックン』が取り付けられ、少しでも転倒事故が少なくなる事を望んでいます。