参院外交防衛委員会を終え、記者の質問に答える田母神俊雄・前空幕長=11日午後、河合博司撮影
政府見解と食い違う歴史観を発表して更迭された田母神俊雄・前航空幕僚長は11日の参院外交防衛委員会終了後も、「(侵略戦争への反省を表明した)村山談話の正体が今回わかった。言論弾圧の道具だ、あれは」と報道陣に持論を語った。
この日の委員会では、「我が国は日中戦争に引きずり込まれた被害者」などと書いた論文の正当性を改めて主張。報道陣の取材には約5分間応じた。「言論、思想・良心、表現、学問の自由があり、村山談話といえどもこれを制約することは出来ない」「何をやるんでも許可を得なければいけないということで、(自衛隊は)共産国家の軍と一緒」とし、「言論統制が進む方向に行けば、(自衛隊の)士気が低下する」と語った。
更迭されたことについても「最後に離任式もできなかった。みんなに見送られることもできなかった。そんなに悪いことをしたんだろうか」と不満顔。「自分の国を悪い国だと言って解任される例は世界にいっぱいあると思うが、自分の国をいい国だと言って解任される例はほとんどないんじゃないかと思う」と、納得がいかない様子だった。