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学校関係者と保護者困惑/11万人の個人情報流出の可能性
- 社会
- 2008/11/11
氏名や住所、さらに口座番号までも―。二年前に県内の県立高校に通っていた生徒約十一万人の個人情報が流出した可能性があることが十一日明らかになった。県教育委員会は同日夜に急きょ会見したが、幹部らの説明はあいまいなまま。県立高関係者は「どう対応すれば」と戸惑い、保護者らは「口座の預金を悪用されないか」と不安の声が広がった。
「委託先の日本IBMが二十四時間体制で確認しているが、ウィニー空間上では流出したデータの確認はできていない」。会見で県教委幹部は早口で現在の状況を説明、ファイル共有ソフト「ウィニー」で検索しても、流出したとされる個人情報データは確認できないことを繰り返した。
九月十二日に匿名のファクスが届いて約二カ月。会見ではこれまで公表しなかった理由について、多くの検索が繰り返されるとデータが表面化・拡散する特徴があるウィニー特有の仕組みに配慮したとしている。保護者に早く注意を喚起すべきだったのではないか、との記者側からの質問にも同様の回答を繰り返した。
県立高三年の長男(18)を持つ横浜市の主婦(46)は「大学進学を控え、お金を悪用されないか不安」と話した。また、情報流出が確認された場合、県教委が口座番号の変更を求める可能性がある点についても「授業料だけでなく、生活全般で使用している口座。そんなに簡単に(変更)できるものでもない」と困惑した。
湘南地域の県立高の男性教頭は、約十一万人の個人情報が流出した恐れがある点について「想像できない数字」とコメント。「被害がどの程度広がるのかが分からない。十二日以降の対応が大変だ」と述べた。
横浜市内の県立高の男性副校長は、一報を聞き「まさに『寝耳に水』」と驚きを隠せない様子。「なぜ流出したのか原因を知りたい」と話し、県教委やIBM側に早期の原因究明を求めた。
IBM広報担当者によると、流出元とされる委託先の下請け業者の社員が使用していたパソコン内に入っていた情報を特定、ウィニー上で閲覧できる状態になっていないか調査してきた。担当者は「今後も調査は続ける。情報流出は確認されていない」としている。
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