室蘭市の新宮正志市長は10日、平成21年度の予算編成方針を庁内に通知した。
交付税削減の影響を受け現状の財源不足は4億3000万円。赤字解消を継続し、市民の安全安心を守る取り組みを進める。6年連続の収支均衡を目指す。今年3月に示した財政見通しでは4100万円の収支不足を見込んでいた。しかし、景気悪化による法人税収の減少や、交付税抑制方向を加味して再試算した。
予算編成のベースには、土地開発公社、振興公社の土地買い戻しほか、下水道、病院、市場各会計の赤字解消を位置付けた。本年度までに港湾会計の赤字問題をクリアし、次段階の赤字対策に取り組む。
主な施策は、統合校建設など教育環境整備、保育所移転など少子化対策、文化女子大室蘭短大校舎を活用した看護学院拡充など地域医療確保策など。住宅供給促進によるまちなか再生、フェリー航路誘致策も展開する。
歳出削減と歳入確保では、ここ2年での財政指標対策の反動回避を意識し、財政見通し比での一般財源、起債額のマイナス5%限度を盛り込み、実質公債費比率上昇の抑制を意識した。団体補助金見直しにも着手して内部管理経費の圧縮を目指す。
予算編成作業は1月下旬から市長査定に入り、2月上旬に予算案を内示する。 (鞠子理人)
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