長期入院を受け入れる県内の医療機関は療養病床三千七百五十一床のうち３２・７％にあたる千二百二十八床を、三年後の二〇一一年度までに介護老人保健施設など別の施設へ転換する意向であることが十日、県医務国保課の調べで明らかになった。県は医療費適正化計画の中で県内療養病床の３４・５％の転換を目指すが、転換意向を示す病床数は目標値を下回った。

　同課が実施したアンケートによると、県内の病院や診療所が保有する医療型療養病床三千六十四床のうち七百一床（２２・９％）と、介護型療養病床六百八十七床のうち五百二十七床（７６・７％）を目標年度までに転換する方針。県の目標値の９５％になる。

　また、削減する療養病床の受け皿として国が準備している「介護療養型老人保健施設」への転換は八百五十九床で全体の７０％を占めた。次いで「既存型の老人保健施設」二百十三床、「特別養護老人ホームなど」九十六床、「有料老人ホーム」十一床、「ケアハウスなど」十床、「検討中」三十九床だった。

　国は医療制度改革の一環で一二年度末までに、全国の療養病床のうち介護保険の適用を受ける介護型を全廃し、医療保険の適用を受ける医療型を削減して全体の六割にあたる二十五万床を削減する方針を打ち出した。

　これを受けて県は同計画を策定し、〇六年十月一日現在三千七百五十一床あった療養病床を二千四百五十六床に減らす目標を立てている。

　療養病床削減をめぐっては、医療が必要な長期入院者の受け皿不足の指摘を受け、国がこのほど削減幅を四割に修正。それでも全国で十三万床が削減される予定だ。