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佐渡と隠岐でテレビ電話会議
島根県隠岐諸島の西ノ島町と佐渡市をテレビ電話で結び、地域医療について考える研修会「保健、医療を通した私たちのこれからの地域づくり」が8日、佐渡市新穂瓜生屋のトキのむら元気館で開かれた。住民と医師らがそれぞれの地域での医療体制の現状などについて意見交換した。
会議では、自治医科大の梶井英治教授が「地域医療の現状について」と題して基調講演。「健康に対して住民一人一人が意識し、連携を取ることが大切。地域の力を発揮してほしい」と呼び掛けた。
その後は同大学の神田健史医師が司会を務め、佐渡市民や西ノ島町民を対象に行っていたアンケート結果を基に、「医療の満足度を上げるにはどうすればいいか」について話し合った。
アンケートでは、かかりつけの医師がいる人の方が相対的に医療に対する満足度が高かった。神田医師は「医療、医師についてよく知らないことが不満や不安につながっているのではないか。何でも言うことのできるかかりつけの医師を持つことが重要だと思う」と指摘した。
佐渡の参加者からは、病院への要望をくみ上げる体制について「リーダー的な人がいないと話がまとまらない。行政にまとめ役になってほしい」とする意見が出たが、神田医師は「行政はなかなか動きにくい。住民の方の積極的な働き掛けが医者を引きつけるために必要になってくるのではないか」と提案した。
コメンテーターとして参加した市立両津病院の石塚修院長は「このように医療を温かく見てくれている方が多いことが分かれば医者もやる気になるはず。みなさんには医者をうまく使ってほしい」と訴えた。市立病院運営委員会の橋本昌子委員長は「医療への怖さや不安を解消するためにこういう機会は大切だと思う」と話していた。
新潟日報2008年11月11日
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