糖尿病医療連携「継続的努力が必要」
11月10日に開催された「東京都糖尿病医療連携講演会―地域での取り組み事例から学ぶ」で行われたディスカッションでは、今後、都内全域に拡大される糖尿病医療連携の課題について意見交換が行われた。この中で、済生会向島病院内科・糖尿病センター長の北村信一氏は、「少なくとも10年スパンで考える必要があり、継続的に努力する必要がある」と強調した。
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北村氏は都内全域の糖尿病医療連携について、「仲良しクラブの集まりでは駄目。ある一つの考え方をしっかりと持った枠組みをつくって、やっていかなくては駄目だ」と指摘。さらに、「数年ではうまくいかないと思う。少なくとも10年スパンで考える必要があり、継続的に努力する組織が必要」と強調した。
また、診療所の医師らを連携に参加させるためにしっかりとメリットを伝える必要があるとして、「計算上は、病院、診療所も採算的には得することになる」と述べた。
都立府中病院内科部長の辻野元祥氏は、「どういう医療連携を目指すか、全体としてコンセンサスができていないと感じている」と指摘。「ある程度勉強していて、糖尿病の患者さんを診ることに抵抗がない医師に絞って連携をすればいいではないか」「幅広くオープンな形で内科医以外の診療科なども含めた医療連携を目指さないといけない」という2つの意見を紹介した上で、「どちらが正しいかは簡単に言えない。その両方を目指して、それがやがてくっついていくのがいいのではないかと思う」とした。
総合新川橋病院糖尿病代謝内科部長の調進一郎氏は、医療連携について「日常の予防や、早期発見などについてボトムアップする」と「合併症が進んできた患者に対し、さらに高度な医療を提供する」の2種類があると指摘。合併症が進んだ患者については、個別の対応になり、主治医と紹介先の医師との関係が大事になってくるので、普段から顔を合わせてしっかりと連携を取っていくことが必要になる、とした。
また、「糖尿病患者が多いので、医師だけではなく、コメディカルといかに力を合わせていくかが、医療連携を推進する一つのカギになるのではないか」と指摘した。
講演会の座長を務めた東京都医師会の近藤太郎理事は、「大きなゴールではなく、一人ひとりの糖尿病患者の生活レベルが上がればいいと思う。しかるべき医療が地域で受けられるなどの仕組みをつくっておきたい」と述べた。
更新:2008/11/11 14:55 キャリアブレイン
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