すべての公営病院で年内に、入院患者に対するエイズ検査が実施されることになった。検査料金は6~25Sドル(約400~1,650円)。検査を望まない患者は拒否が可能で、それを理由に治療を拒否されることはない。
エイズウイルスに感染した患者を早期に発見するのが狙い。既に検査を実施しているのは、チャンギ総合病院(CGH)とシンガポール総合病院(SGH)。CGHでは検査した3,000人の患者中、50人で陽性反応が出た。SGHは検査結果を公表していない。
年内に導入するのは、アレクサンドラ病院、国立大学病院(NUH)、タントクセン病院、KK婦人科・子ども病院。保健省はこの先3年間に380万Sドル(約2億5,000万円)を検査補助として実施する。民間病院にも検査導入を働き掛けている。
検査結果でエイズウイルス感染が確認された場合、当人と医師、また保健省以外に情報は開示されず、当人の雇用主や保険業者にも明らかにされない。
エイズウイルス感染が確認された患者は昨年が423人、今年1~9月が345人で、これまでの累積は3,828人になった。国内で認可された抗ウイルス薬は月1,500Sドル(約98,600円)の費用がかかるため、タイやマレーシアから持ち込まれた安い薬に頼っている患者が多い。