参院外交防衛委員会で、質問に答える田母神俊雄・前空幕長=11日午前、松本敏之撮影
参院外交防衛委員会は11日、日本の侵略戦争や植民地支配を正当化する論文を発表して更迭された田母神(たもがみ)俊雄・前航空幕僚長を参考人招致した。田母神氏は懸賞論文を航空幕僚監部の教育課長に紹介したことは認めたが、投稿の指示は否定。論文を募集したアパグループとの関係についても、資金提供などは一切ないと否定した。
今回の懸賞論文は、空幕教育課が全国の部隊にファクスで紹介し、田母神氏以外にも航空自衛隊から投稿者全体の4割を占める94人が投稿したが、田母神氏は「私が指示をすれば、1千を超えるような数が集まると思う」との表現で指示を否定した。
田母神氏はアパグループの元谷外志雄代表と10年来の親交があったことが明らかになっているが、アパグループからは「車代を含めて資金提供は一切受けていない」と言明。また、航空自衛隊の隊内誌の昨年5月号にも同じ趣旨の寄稿をした際は、防衛省の内局から注意を受けなかったことを明らかにした。
そのうえで今回、自身の見解が問題になったのは「多くの人の目に付き、マスコミなどによって騒がれたから」との認識を示した。同じ内容の寄稿で防衛省の対応が分かれたことについて、浜田防衛相は「基準は明確であるべきだ。こういうダブルスタンダードはないようにしたい」と答弁した。
このほか田母神氏は、今回の懸賞論文のなかで「自衛隊は集団的自衛権も行使できない」などと言及していることに関連して現行憲法についての見解を問われ、「国を守ることについて、これほど意見が割れるものは(憲法改正をして)直したほうがいい」と主張した。
さらに「私は(日本の植民地支配と侵略の誤りを認めた)村山首相談話を公然と批判したことはないし、論文でも触れていない」とする一方、「自衛官も当然、言論の自由が認められているはずで、言論の自由が村山談話で制約されることはないと思っていた」「(自身の論文は)逸脱を感じていない。政府見解による言論統制はおかしい」などとも述べた。防衛相が自主返納に期待感を示した退職金については「(返納の)意思はない」と語った。