旅行代金を左右する燃油サーチャージって?
2008年11月07日 最近の世界的金融危機の影響で円高が進んだことにより、海外旅行に行きやすくなりました。特に今年の年末年始は日並びも良く、もう海外旅行の計画を立てている人もいるかもしれません。ところでここ数年、飛行機に乗るときに燃油サーチャージが徴収されていますが、燃油サーチャージとは一体何なのでしょうか?原油価格とどのような関係があるのでしょうか?今回は燃油サーチャージについて、みていくことにしましょう。
燃油サーチャージって何?
燃油サーチャージは、正式には燃油特別付加運賃と言い、名称のとおり、「燃油」価格を「特別」に「付加」するものです。
昨今の原油価格の高騰に伴い航空機燃料(燃油)価格も上昇していますが、その上昇分のうち賄いきれない分を乗客に負担してもらうという考えの下に、航空会社が、航空運賃とは別に乗客から徴収するものです(旅行会社経由の場合は、航空会社の代行で旅行会社が顧客から徴収します)。
多くの航空会社では、「ケロシン(航空燃油)市場価格」という価格を基準とし、市場動向確認月というのを設け、その確認月の直前3ヶ月間のケロシンの平均価格に応じて付加する金額を変動させています。
国土交通省から、燃油価格が値上がりした場合に、一定の水準に戻るまで、という条件付きで航空運賃に付加することが認可されているもので、燃油価格が一定の水準以下に戻れば廃止されることになります。
いつの時点で徴収されるの?その金額は?
基本的に航空券の発券時に徴収され、実際に飛行機に搭乗する日は関係ありません。航空会社ごとに付加される金額が決められており、それは各航空会社のホームページで確認ができます。
付加される金額は、距離や直行便、乗り継ぎ便などによって異なりますが、エコノミークラス、ビジネスクラス、ファーストクラスなどクラスによる金額の相違はありません。また、ノーマル航空券、正規割引航空券、格安航空券など券の種類にも影響を受けず、同額となります。
さらに大人、小児、座席を使用する幼児は全て同額が付加される航空会社が多いようです。
それでは、実際に付加される金額をみてみましょう。
例えば、東京―パリ間(片道)の10月発券分で比較してみると、欧州系A航空会社では直行便利用で141ユーロ、欧州系B航空会社では乗り継ぎ便利用で217USドル、欧州系C航空会社では乗り継ぎ便利用で186USドル 日系のD航空会社では直行便利用で33,000円になります。
乗り継ぎ便になるとどうしても遠回りになりますので、金額的には高くなるようです。ただ、ここで注意すべき点は換算レートです。海外の航空会社の場合外貨建てで金額が設定されているため、どこの通貨で、いつの換算レートで計算されるかにより金額が異なってきます。従って、上記の例でもA航空会社からD航空会社の4つの航空会社でどこが一番安いかは一概には言えません。
更に換算レートの決め方も航空会社毎に違っています。
例えば、換算レートを毎日変動させる航空会社、1週間同じレートを用いる航空会社などがあります。さらに1週間同じレートを用いる航空会社の中でも銀行間レートを用いる航空会社、IATA(国際航空運送協会)公示レートを使用する航空会社など様々です。そうなると上記の例のB航空会社とC航空会社ですら、一概にどちらが安いとは言い切れないことになります。
共同運航便(コードシェア便)はどうなるの?
共同運航便の場合、どちらの航空会社の機材を使って運行するかではなく、予約(搭乗)航空会社の料金が適用されます。例えば、日本航空とエールフランス航空の共同運航便の場合、予約(搭乗)便が「JL○○便」となっていれば、日本航空の料金、「AF○○便」となっていれば、エールフランスの料金が適用されるということになります。
燃油価格が下がったら、燃油サーチャージも下がる?
燃料サーチャージは、原則として四半期ごとに見直しされ、見直し月は航空会社によって異なります。前述の通り、多くの航空会社では、動向確認の直前3ヶ月間のケロシン価格の平均で付加する金額を変動させています。
例えば、8月に市場動向を確認し、10月から見直しをするという場合、5月から7月のケロシン価格の平均が1バレルあたり何ドルになっていたかで付加する金額が決定される、という具合です。
その結果、価格改定と市場動向にはタイムラグが生じますので、発券時に原油価格が下落していても、サーチャージは値下がりしない、ということが起こります。
現に今年の10月の発券分の方が9月発券分より値段が高いという航空会社がほとんどです。
注意点は?
格安航空券等で航空会社が直前にならないと決定されない場合は注意が必要です。
通常、サーチャージ代金は航空会社が決定してからの支払いとなるため、航空代金だけでは安いかどうかの判断ができません。航空会社未定の商品は、あらかじめ航空会社が決定している商品よりも代金が安く設定されている場合が多いのですが、航空会社が決定し、いざ代金の総額を計算してみたら、結果として高かった、ということが起こり得ます。
航空会社未定の商品でも、使用する航空会社が数社に絞られている場合もありますので、その場合にはサーチャージ代金の最高額を確認しましょう。
また、ツアーの場合は、ツアー代金にサーチャージ代金が含まれているのかが問題です。
原則、広告の際には、旅行代金にサーチャージの金額を含め、総額表示することになっていますが、例外として別枠で表示することも認められており、現在のところ、ほとんどの商品ではサーチャージ代金は別枠表示になっています。従って、別枠表示の時は徴収される時期や換算レート、金額の目安などを旅行会社に聞いておきましょう。
キャンセルについても、別枠表示の場合、キャンセル料にサーチャージ金額は含まれませんが、総額表示の場合はサーチャージの金額を含めてキャンセル料が発生しますので、注意が必要です。
最後に~燃油サーチャージをキチンと意識しよう~
これまで述べてきたとおり、燃油サーチャージは航空会社や発券時期、距離によって金額が変わってきます。しかも、その金額は航空代金そのものに比べても決して少なくありません。従って、燃油サーチャージをきちんと認識することは旅行の計画を立てるうえで、とても大切だと思います。
最近では、燃油サーチャージが比較できるサイトもありますので、比較してみるのも良いでしょう。そして、なるべく負担をかけずに旅行に行きたいですね。
燃油サーチャージって何?
燃油サーチャージは、正式には燃油特別付加運賃と言い、名称のとおり、「燃油」価格を「特別」に「付加」するものです。
昨今の原油価格の高騰に伴い航空機燃料(燃油)価格も上昇していますが、その上昇分のうち賄いきれない分を乗客に負担してもらうという考えの下に、航空会社が、航空運賃とは別に乗客から徴収するものです(旅行会社経由の場合は、航空会社の代行で旅行会社が顧客から徴収します)。
多くの航空会社では、「ケロシン(航空燃油)市場価格」という価格を基準とし、市場動向確認月というのを設け、その確認月の直前3ヶ月間のケロシンの平均価格に応じて付加する金額を変動させています。
国土交通省から、燃油価格が値上がりした場合に、一定の水準に戻るまで、という条件付きで航空運賃に付加することが認可されているもので、燃油価格が一定の水準以下に戻れば廃止されることになります。
いつの時点で徴収されるの?その金額は?
基本的に航空券の発券時に徴収され、実際に飛行機に搭乗する日は関係ありません。航空会社ごとに付加される金額が決められており、それは各航空会社のホームページで確認ができます。
付加される金額は、距離や直行便、乗り継ぎ便などによって異なりますが、エコノミークラス、ビジネスクラス、ファーストクラスなどクラスによる金額の相違はありません。また、ノーマル航空券、正規割引航空券、格安航空券など券の種類にも影響を受けず、同額となります。
さらに大人、小児、座席を使用する幼児は全て同額が付加される航空会社が多いようです。
それでは、実際に付加される金額をみてみましょう。
例えば、東京―パリ間(片道)の10月発券分で比較してみると、欧州系A航空会社では直行便利用で141ユーロ、欧州系B航空会社では乗り継ぎ便利用で217USドル、欧州系C航空会社では乗り継ぎ便利用で186USドル 日系のD航空会社では直行便利用で33,000円になります。
乗り継ぎ便になるとどうしても遠回りになりますので、金額的には高くなるようです。ただ、ここで注意すべき点は換算レートです。海外の航空会社の場合外貨建てで金額が設定されているため、どこの通貨で、いつの換算レートで計算されるかにより金額が異なってきます。従って、上記の例でもA航空会社からD航空会社の4つの航空会社でどこが一番安いかは一概には言えません。
更に換算レートの決め方も航空会社毎に違っています。
例えば、換算レートを毎日変動させる航空会社、1週間同じレートを用いる航空会社などがあります。さらに1週間同じレートを用いる航空会社の中でも銀行間レートを用いる航空会社、IATA(国際航空運送協会)公示レートを使用する航空会社など様々です。そうなると上記の例のB航空会社とC航空会社ですら、一概にどちらが安いとは言い切れないことになります。
共同運航便(コードシェア便)はどうなるの?
共同運航便の場合、どちらの航空会社の機材を使って運行するかではなく、予約(搭乗)航空会社の料金が適用されます。例えば、日本航空とエールフランス航空の共同運航便の場合、予約(搭乗)便が「JL○○便」となっていれば、日本航空の料金、「AF○○便」となっていれば、エールフランスの料金が適用されるということになります。
燃油価格が下がったら、燃油サーチャージも下がる?
燃料サーチャージは、原則として四半期ごとに見直しされ、見直し月は航空会社によって異なります。前述の通り、多くの航空会社では、動向確認の直前3ヶ月間のケロシン価格の平均で付加する金額を変動させています。
例えば、8月に市場動向を確認し、10月から見直しをするという場合、5月から7月のケロシン価格の平均が1バレルあたり何ドルになっていたかで付加する金額が決定される、という具合です。
その結果、価格改定と市場動向にはタイムラグが生じますので、発券時に原油価格が下落していても、サーチャージは値下がりしない、ということが起こります。
現に今年の10月の発券分の方が9月発券分より値段が高いという航空会社がほとんどです。
注意点は?
格安航空券等で航空会社が直前にならないと決定されない場合は注意が必要です。
通常、サーチャージ代金は航空会社が決定してからの支払いとなるため、航空代金だけでは安いかどうかの判断ができません。航空会社未定の商品は、あらかじめ航空会社が決定している商品よりも代金が安く設定されている場合が多いのですが、航空会社が決定し、いざ代金の総額を計算してみたら、結果として高かった、ということが起こり得ます。
航空会社未定の商品でも、使用する航空会社が数社に絞られている場合もありますので、その場合にはサーチャージ代金の最高額を確認しましょう。
また、ツアーの場合は、ツアー代金にサーチャージ代金が含まれているのかが問題です。
原則、広告の際には、旅行代金にサーチャージの金額を含め、総額表示することになっていますが、例外として別枠で表示することも認められており、現在のところ、ほとんどの商品ではサーチャージ代金は別枠表示になっています。従って、別枠表示の時は徴収される時期や換算レート、金額の目安などを旅行会社に聞いておきましょう。
キャンセルについても、別枠表示の場合、キャンセル料にサーチャージ金額は含まれませんが、総額表示の場合はサーチャージの金額を含めてキャンセル料が発生しますので、注意が必要です。
最後に~燃油サーチャージをキチンと意識しよう~
これまで述べてきたとおり、燃油サーチャージは航空会社や発券時期、距離によって金額が変わってきます。しかも、その金額は航空代金そのものに比べても決して少なくありません。従って、燃油サーチャージをきちんと認識することは旅行の計画を立てるうえで、とても大切だと思います。
最近では、燃油サーチャージが比較できるサイトもありますので、比較してみるのも良いでしょう。そして、なるべく負担をかけずに旅行に行きたいですね。
株式会社 住まいと保険と資産管理
ファイナンシャルプランナー 吉田 美帆
提供:株式会社FP総研
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