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大学生就活「氷河期」へ 売り手市場一転、内定取り消しも (1/3ページ)
このニュースのトピックス:金融危機
「売り手市場」だった大学生の就活(就職活動)に「氷河期再来」の危機が迫っている。景気減速で多くの企業が新規採用を絞り込むのが確実となっているからだ。平成22年春の就職に向け、多くの大学3年生が就職活動を始める11月。キャンパスには不安を訴える声が出ている。一方、来春の就職を控えた大学4年生の中には「内定取り消し」を通告された人も相次ぎ、厚生労働省は監視強化と実態調査に乗り出した。
▼金融危機の余波
10日、明治大(本部・東京都千代田区)の就職キャリア形成支援事務室に3年生たちが続々と企業研究にやってきた。こうした光景は11月に入ってから続いているという。
「夏までは『売り手市場』といわれ心に余裕があったけど…。不況でつぶれてしまう会社も出るだろうから、簡単には志望企業を決められない」。商学部女子学生(20)は、そうため息をついた。
再来年の入社に向けた就職活動を始めつつある3年生たちが、氷河期到来の予感を感じ始めたのは、米国で金融機関の破綻(はたん)が相次いだ9月上旬以降から。
文科、厚労両省によると、大卒者の就職率は、氷河期がピークを迎えた平成12年3月卒業の91・1%を底に反転。戦後最長といわれる景気拡大を背景に、今年4月の卒業生は就職率96・9%を記録する売り手市場となっていた。
しかし、今回の金融危機で、今後は企業が採用数を絞り込むのは必至。情報コミュニケーション学部の男子学生(21)は「企業に採用人数を聞いたら『減る』と言っているところもあった」と話す。
明大の杉林宏茂・就職キャリア形成支援事務長は「世界のトヨタですら業績を下方修正している。業種で差はあれ、就職が厳しくなるのは確実」という。