漫然とした薬物投与の治療を受けたため副作用を発症した母親(当時81歳)が死亡したとして、県内の女性が10日までに、松前町神崎の「くろだ病院」を運営する医療法人・光佑会を相手取って慰謝料など約3155万円の支払いを求める訴訟を松山地裁に起こした。
訴状によると、原告の母親は05年8月、認知症や老年期妄想症の治療のためにくろだ病院に入院。主治医が薬物療法を進めたが、歩行が困難になり、同年12月にはベッドで枕に顔をうずめ心肺停止状態になった。その後、寝たきりの状態が続き、06年4月に肺炎で死亡したという。
原告は、母親が運動能力が著しく低下する薬の副作用「薬剤性パーキンソニズム」にかかっていたと指摘。しかし主治医らは速やかに投薬を中止する注意義務を怠り、看護師も通常の見回りしかしなかった結果、母親が死亡したと主張している。
くろだ病院の担当者は「今後は裁判の中で、全面的に争う方針です」と話している。【後藤直義】
毎日新聞 2008年11月11日 地方版