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韓国車と日本車、オバマ氏の対応の違い(上)

 米国のバラック・オバマ次期大統領は、韓米間の自動車の輸出入に関する不均衡の問題にたびたび言及しており、このため韓国の自動車業界や財界には緊張が走っている。韓国の自動車業界に対して制裁措置が講じられ、韓米自由貿易協定(FTA)の批准にも影響を及ぼすなど、相当な悪影響が出かねないためだ。韓国の自動車業界に対するオバマ氏の強い非難は果たして妥当なものなのだろうか。また、韓国の自動車業界に効果的な対応策はあるのだろうか。

◆韓米FTAの自動車分野、米国の方が有利

 オバマ氏が自動車分野について「不公正な貿易」の事例として名指しし、韓米FTAの再交渉を主張するのは、つじつまが合わないことだ、と韓国の自動車専門家たちは指摘している。特に韓米両国における自動車の輸入関税の現況と、FTAの発効後に予想される状況を比較した場合、米国の方が有利だとされている。現在、韓国が輸入車にかけている関税率は8%、米国のそれは2.5%だ。だが、FTAが発効すれば、韓国はすべての輸入車に対する関税を直ちに撤廃する一方、米国は3000cc以下の輸入車の関税は直ちに撤廃するものの、3000ccを超える輸入車については3年間の猶予期間を設けることになっている。つまり、米国にとって有利な内容というわけだ。また、トラックの場合は、現在韓国の輸入関税率は10%、米国は25%で、米国の関税障壁の方がはるかに高い。韓国はFTAが発効した後直ちに関税を撤廃しなければならないが、米国は10年間かけて段階的に関税を撤廃することになる。これもまた、米国にとってはるかに有利なものとなっている。

 韓国自動車工業協会のキム・テニョン通商協力部長は「韓米間の自動車の輸出入について“不公正だ”とする(米国)民主党の主張は、1990年代初めから続いているものだ。韓国の自動車会社が米国の現地工場を増設し、米国人の雇用を増やしているため、オバマ政権が自動車分野で保護貿易主義に走る可能性は高くないとみられる」と述べた。

崔源錫(チェ・ウォンソク)記者

キム・ヒョンジン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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