中国共産党統一戦線工作部の朱維群副部長は10日、記者会見し、先週に北京で実施したチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の特使との対話について「双方の見解には大きな隔たりがあった」と指摘。「話し合いに進展がなかったのは明らかにダライ・ラマ側の責任だ」と強く批判した。
ダライ・ラマ側は17日からインド北部ダラムサラで、11年ぶりに亡命チベット人総会を開き、対中国政策のあり方を議論する。総会開催を前に中国側はダライ・ラマ側が求める自治権拡大を拒否する姿勢を改めて明確に示した形だ。
朱副部長によると、10月31日から11月5日までの滞在期間中に実施した対話で、ダライ・ラマ側は「チベット民族が真の自治を獲得するための備忘録」を提示。備忘録は、自治の対象地域にチベット自治区以外を含む「大チベット構想」などの実現を求めており、朱副部長は「中国政府の権力を否定するもの。(構想は)歴史的に存在せず、現実的な根拠もない」と主張した。(10日 22:01)