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2008年11月10日
太田述正コラム#2904(2008.11.10)
<皆さんとディスカッション(続x302)>

<michisuzu>

 コラム#2810「食と文化遺産をめぐって」を読みました。

 フランスに行ったときに一回も本場のフランス料理を食べず中華ばかり食べていた私にはフランス料理を語る資格もありませんが、もし世界文化遺産の候補としてなら我が日本料理の方が上ではないでしょうか?
 食べ過ぎて病気になることも少なく食材をいたずらに手を加えず簡素であって美しい。
 かのサルコジさんは大の日本嫌いとか聞いていますが、日本の良さをまるで解さないサルコジさんに文化を語る資格はそれこそ無いと思われますが。


これなら典拠いりませんよね?^^

<太田>

 打たれても打たれてもヘタらないのはエライ!
 だけど、後段には典拠つけるべきです。
 例えば、こんなの↓。
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp1-20080709-381578.html

 前段だって、あなたの経験に基づいているとはいえ、フランス料理をそれほど食べておられない様子のあなた、しかも匿名のあなたの経験じゃいささか迫力不足です。
 ここは、典拠で補強しなくっちゃ。
 それにしても、私の過去の料理コラム(フランス料理に関するコラム#786、801、2055のほか、1752、2371、2763など)は目を通しましたか?

 またチャレンジしてね。

<OM>

 太田先生の周囲では、田母神前航空幕僚長のあの文章発表に関して、その行為自体が職務上不適切である(KYさ)ことと内容の不確かさについて、多くのネガティブな(しかし説得力はあります)指摘があります。
 しかし、自衛隊の一般の国家公務員同様の士気の低下と、それによる事なかれ主義の蔓延、その土壌にあったものの出世によるその傾向の固定化という、国家崩壊を暗示する事態について、田母神さんが一石を投じたことをポジティブに論じる空気が全くない。

→話は全く逆で、一石を投じるどころか、ご指摘のような諸問題を隠蔽するのが田母神氏の目的ではないか、と勘ぐりたくなるくらいです。(太田)

 学者ならともかく、政治を論じるグループとしては小生は不満を感じます。

→田母神氏の行動は政治的行動であり、私が彼をKYだと言っているのは、それが彼の意図に反する政治的リアクションを引き起こすことを彼が分かっていないからです。(太田)

 限られた空間で生きるために生物であるヒトがつくった組織である国家が、その生存のために他の国家を侵略し、他の国家から侵略されることが、人間の歴史であったと思います。従って、その国の歴史はその国の将来に関してある、その生存繁栄の方向を示すようなものであるべきだと思います(ウソを書けといっているのではありません)。

→田母神氏の所論は、いわば怨念史観であり、「<日本>国の・・・生存繁栄の方向を示すような」未来志向の史観ではありません。(太田)

 田母神さんの文章は、その日本国歴史に関する視点を与えているように、理系人間で素人である小生には思えますが。。。

→コラム#300のみならず、#2903(未公開)もお読みになっているはずの有料読者とは思えぬご感想ですね。(太田)

<太田>

 例によっていくつか、記事をご紹介しましょう。 

 「細胞からの再生に関する研究で、また大きな前進が報告された。理化学研究所の若山照彦氏らのチームによる新技術の開発だ。・・・コピー生物ともいえる従来の体細胞クローン動物は、羊や牛、マウスなどで作られているが、元になった体細胞は、生きている個体や死んで間もない個体から採取したものだ。これに対して今回は、死んでからマウスの寿命の何倍もの時間が経過している。また、内部の氷で破壊された細胞から取り出した核を使っている。きわめて過酷な保存条件を克服しての再生だ。・・・この技術はシベリアの永久凍土から発見されるマンモスの復活に応用できる可能性があるという。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/science/science/081109/scn0811090308000-n1.htm
(11月10日アクセス)

 ところでこの話、1日前(時差を考えると実質2日前)にロサンゼルスタイムスの、しかも社説で既に報じられています。
http://www.latimes.com/news/opinion/editorials/la-ed-clone8-2008nov08,0,4095722,print.story
(11月8日アクセス)

 どうして、日本のメディアはこうもトロイのか?

  「韓国の65歳以上高齢者の「相対的貧困率」は45%に達し、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中では最も高いことがOECDによる調査で明らかになった。「相対的貧困率」とは、所得の分布における中央値の50%に満たない人々が占める割合のことをいう。ちなみにOECD平均は13%で、韓国の次に割合が高かったアイルランドでも31%だった。つまり大韓民国はOECD加盟国の中では高齢者の生活が群を抜いて悲惨な国、ということだ。・・・65〜74歳人口における10万人当たりの自殺率は1995年には44人だったのが、2005年には137人へと大幅に増えた。・・・韓国労働パネルが行った調査結果によると、1980年には60歳 以上の高齢者の72.4%が子供の世話になっていたが、その割合は2003年には31.1%へと急激に減少した。親の世話を子供が行わない方向へと世の中全体が流れてしまうと、政府や地方自治体がその役割を引き受けるしかないのだが、現状はあまりにも不十分だ。・・・韓国で仕事を行う人が引退する年齢は平均56歳で、日本の66歳に比べると10年も若い。また高齢者の57%は再び仕事に就くことを望んでいるという。・・・」
http://www.chosunonline.com/article/20081110000001
(11月10日アクセス)

 他人事とは思えません。もっと情報が欲しいですね。

 「試運転中の<ロシア>太平洋艦隊所属の原潜の火災鎮火装置が誤作動し、20人を超える水兵や作業員が死亡した。・・・
 <この>12,000トンの<原潜、艦名>ネルパは、来年の初めからインド海軍に10年間リースされる予定だった。・・・<両国間の>契約は2004年になされ、インドは6億5,000万ドルを支払って、ソ連時代の空母の「ゴルシコフ提督」を換装するとともに、1991念に建艦が中断されコムソモルスク・ナ・アムールでブロックの上に置かれたままになっていたところのネルパを完成させる、というものだった。・・・
 <ネルパは>ソ連時代末期に設計されたアクラ2(Akula-2)級の原潜だが、この型の原潜は、以前のものより深く600メートル以上潜航することができ、以前の攻撃用潜水艦よりも静粛であり、完全に潜航した状態で33ノットの速度が出せる。
 ・・・ネルパはアクラ級の標準装備の長射程巡航ミサイルを装備しないことになっているが、これはミサイル技術の拡散を規制する国際的取り決めがあるからだ。しかし、・・・インド海軍は国産の核搭載可能なミサイルを搭載する可能性があるし、ネルパの運用経験を活用してインド国産の原潜を開発しようとする可能性もある。・・・
 ロシアでの最悪の潜水艦事故は2000年8月に起こった。原潜クルスクがバレンツ海で沈没し、乗組員・・・118人全員が死亡した。その3年後には除籍された原潜K-159がバレンツ海で沈没し、当時乗艦していた最小限編成の乗組員9人が死亡した。そして2005年には、太平洋艦隊のミニ潜水艦がウラディオストック沖で漁網にからまり、英国の救助隊によって助けられた。」
http://www.csmonitor.com/2008/1110/p04s01-woeu.html

 日本も早く原子力潜水艦に切り替えなくっちゃ。
 だけど、これだけ信用を失墜している自衛隊じゃ、そんなこと言っても誰も相手にしないでしょうね。
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太田述正コラム#2905(2008.11.10)
<改めて田母神前空幕長更迭について(続)>

→非公開

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太田述正コラム#2810(2008.9.24)
<食と文化遺産をめぐって>(2008.11.10公開)

1 始めに

 2003年に、パリに本部があるユネスコ(UNESCO=United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)は、無形文化遺産保護協定(Convention for the Safeguarding of the Intangible Cultural Heritage)を採択し、「口承伝統・表現」及び「パーフォーマンス芸術、社会慣行、儀式とお祭り的イベント・自然と世界に関する知識と風習・伝統的工芸」を保全することとしました。
 果たしてこの無形文化遺産に料理が含まれるのかどうかは定かではありません。
 この協定が2006年に発効する前の2005年には、メキシコからの同国の料理の伝統を保全対象にして欲しいとの出願がありましたが、これは却下されています。
 そこへ最近、フランス料理と地中海料理を出願しようという動きが出てきました。

2 フランス料理と地中海料理

 今年2月の恒例の農業フェアの際、フランスではサルコジ大統領じきじき、フランス料理が世界中で最初に無形文化遺産として公式に承認されることを望んでいると発言し、閣僚達を驚かせました。
 フランスは来年、ユネスコに出願する予定です。
 他方、ギリシャ、イタリア、スペイン、及びモロッコが合同で地中海料理をユネスコに出願しようという動きがあります。
 イタリアの農家団体のコルディレッティ(Coldiretti)に至っては、イタリア料理の遺産は、フランスのそれよりも優れている、何となればEUはイタリア料理の品目(food specialties)が166あるとしているところ、フランス料理の品目は156とされているからだ、と主張しています。

3 どちらの料理も衰退しつつある?

 しかし、実際この二つの料理は「保全」しなければならないのかもしれません。
 どちらもその母国ないし母地域において衰退しつつある、と見ることもできるからです。
 
 まず、フランス料理の方からです。
 これまでは、昼飯にオフィスの机でサンドイッチをぱくつくイギリス人と違ってフランス人はレストランで3コースのランチを食べていたものですが、最近は様変わりすつつあります。
 このところ、フランス人の懐具合が厳しくなってきていることもあり、2008年の最初の3ヶ月だけで、フランスの伝統的なレストラン、カフェ、バーが3,000軒もつぶれたのですが、これからもこの調子でつぶれていくと予想されています。
 フランスのレストランの破産数は昨年より25%増えましたし、カフェの閉店数は56%増えました。
 今年初めに比べて、レストランの顧客数は平均で20%減り、この状況が改善する兆しは見えません。

 また、地中海料理の方ですが、こちらも母地域で食べる人が減ってきています。
 地中海料理はクレタ島西部が発祥の地であり、オリーブ油、新鮮な野菜・果実・穀物、そして魚、更には少量のワインをもっぱら用いるのを基本とするところの、赤い肉、精製した砂糖や小麦粉、バター等の油や脂はほとんど用いない健康によい料理です。
 この料理を食べているおかげで、タバコを手放せない人や酒飲みが多いというのに、人々は長寿であり、心臓病や癌の罹患率は低く維持されて来ました。
 ところが、御多分に洩れず、ファーストフードを食べたり、アイスクリームを食べたりする人々が急速に増えています。
 この結果、ギリシャでは、成人人口の実に四分の三が肥満になってしまいました。
 イタリアとスペインでも50%を超える成人が肥満です。
 他方、フランスとオランダでは45%に過ぎません。
 ちなみに、米国では66%です。さすがにファーストフードの本場ですね。

 (以上、
http://www.nytimes.com/2008/09/24/dining/24heritage.html?_r=1&oref=slogin&ref=world&pagewanted=print
http://www.nytimes.com/2008/09/24/world/europe/24diet.html?ref=world&pagewanted=print
http://www.guardian.co.uk/world/2008/sep/24/france.globalrecession
(いずれも9月24日アクセス)による。)

4 終わりに

 今のところ、日本料理をユネスコの無形文化遺産に、という動きは聞こえて来ませんが、そもそも、料理って保全すべきものなのでしょうか。
 思うに、料理は時代の変化に応じ、他国ないし他地域の料理の影響をも受けながら、ダイナミックに変化発展していくべきものではないでしょうか。 

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2008年11月09日
太田述正コラム#2902(2008.11.9)
<皆さんとディスカッション(続x301)>

<海驢>

≫・・・今回は、いささか生煮えではあるけれど、初めて全体像についてメモをまとめてみた次第です。≪(コラム#2900 太田)

 いや、素晴らしい。さすがです。
 「私は個別イッシューについて掘り下げた研究を行ったわけではなく、また、全体像を提示するだけの能力があるわけでもありません。<引用:同上>」なんて、とても信じられませんね。

→お褒めいただき恐縮です。(太田)

 当方も、何一つ掘り下げた研究を行ったわけではないのですが、聞きかじりの浅学非才を顧みず、気になった点を記しますと・・・

≫(7)第二期・・・満州事変、日中戦争、大東亜戦争からなる「15年」戦争(家永三郎による命名)≪(同上)

 『15年戦争』の「15年」に括弧が付いているところが渋いです。
 言わずもがなの解説になりますが、満州事変(1931年(昭和6年)9月18日の柳条湖事件が発端)から、大東亜戦争終結(1945年(昭和20年)9月2日の戦艦ミズーリ上での降伏文書調印)まで、引き算のできる小学生以上なら間違えっこないですが『14年』。家永三郎氏は引き算ができなかったんですねぇ。

→「数え」じゃ間違ってませんよね。だけど、念のため「」を付けました。(太田)

≫(9)第四期・・・ファシスト国家へと変貌を遂げたロシアは、共産主義を標榜したままファシスト国家へと変貌を遂げた支那に再接近し≪(同上)

 ここは、「ファシスト国家へと変貌を遂げた支那」という部分に引っ掛かりました。
「変貌を遂げた」というより、最初から毛沢東・周恩来を中心とした「共産主義を標榜したファシスト国家」だったように認識していますが、当初(国民党を排除した直後)は、(ファシズムと双生児とはいえ)共産主義らしいところがあったのでしょうか?

→生産手段の私有を禁止し、市場経済を否定していた限りにおいては、共産主義でしょう。(太田)

≫(12)日本自身も、「15年」戦争の際の軍の統制の乱れ(将校の下克上、兵士の無規律)、兵士の人命の軽視(餓死戦病死兵士の続出、玉砕の多発)と、それにより支那一般住民に不必要に多数の犠牲者を出したこと≪(同上)

 「将校の下克上」は同意いたしますが、「兵士の無規律」はあったのでしょうか?
現代の平和ボケした日本においても強盗・殺人・強姦などの凶悪犯罪が発生するのですから、悪事を働く兵士もある程度いたと思いますが、全般的に兵士の無規律が蔓延していたようには思えません。
 例えば、中華民国の軍事代表として満州をソ連から接収した董彦平中将は、ソ連軍の掠奪暴行を目の当たりにして大いに憤激し、回顧録「ソ連軍の満州進駐」に以下のように書き記しているそうです。

 『いやしくも社会主義を標榜するほどの国家が帝国主義に圧迫され続けて今ようやく解放の日を迎えたばかりの同盟国の人民に対し、残酷かつ非人道的な凌辱、掠奪をやってのける軍隊の行動を容認するということが凡そ想像されることだろうか。
 日本帝国主義は東北同胞を奴隷のごとくコキ使ったが、彼等の軍隊(註、日本軍)は掠奪をしたり、婦女を強姦したりするような事例は、そうざらにはなかった。』

 また、勝者の復讐の場と化した戦犯法廷での告発・証言や、中帰連の方々を中心とした「罪の告白」はあまり信憑性がないと感じておりますので、もし「兵士の無規律」についての論拠をお持ちでしたらご教示いただきたく。

→董彦平は国民党軍の中将だったと思いますが、「そうざらにはなかった」と言うのですから、「少なからずあった」ということでしょう。
 ソ連軍よりはもちろんですが、国民党軍よりも少なかったでしょうがね。
 われわれとしては、「少なからずあった」ことを恥じるべきですよ。しかも、そういった行為を日本軍が厳しく罰したという話も聞こえてきません。
 なお、私は支那で現地召集されて将校として戦った父から、このような「武勇伝」を聞かされて育ったという話を以前したことがあります。
 また、いわゆる南京事件についてですが、私は無辜の支那一般住民が、少なくとも数千人以上日本軍によって殺害された事実は争いがたいと考えています。
 根拠は、直接良く存じ上げている、歴史学者の秦郁彦氏の論(2万人殺害説でしたか)は信頼に足りると考えていること、ドイツ人のラーベの本も、それなりに信頼に足りると考えていること等です。
 更に言えば、中国共産党軍(八路軍)は日本軍に対してパルチザン戦術をとりましたが、そんな場合、とられた側が一般住民を虐殺するのはある程度避けられないことであり、日本軍上層部が強い禁止指導をしていなかったと思われることから、八路軍との戦闘地域で虐殺が相当程度発生したと考えざるをえないことです。
 過去コラム等の典拠をつけませんでしたがあしからず。(太田)

 さらに「兵士の人命の軽視(餓死戦病死兵士の続出、玉砕の多発)」については、日本軍全体の問題ではなく、大本営作戦課の一部が米軍の戦力や戦場の地誌等の情報を無視した無謀な作戦指導を(天皇の名の下に)行ったことが主な要因と思われます<資料:「大本営参謀の情報戦記」堀栄三著・文春文庫>。

→これも下克上ですな。いずれにせよ、日本軍上層部に連帯責任があります。(太田)

 また、「戦陣訓」に代表される精神主義偏重も確かに指摘されるところですが、米軍との圧倒的な火力・兵力差に加えて、米海軍潜水艦の徹底した通商破壊(→ 補給の途絶)<資料:「本当の潜水艦の戦い方」中村秀樹著、光人社NF文庫>、米軍が捕虜を取らず投降兵士を殺戮したことも「餓死戦病死兵士の続出、玉砕の多発」の原因ではないかと思います<資料:「アメリカの鏡、日本」ヘレン・ミアーズ著・角川学芸出版、「リンドバーグ第二次大戦日記」チャールズ・O・リンドバーグ著・新潮社>。

※参考:野蛮な国 アメリカ (再掲)  :イザ! http://miko.iza.ne.jp/blog/entry/127886/

→部隊単位で降伏すれば、米軍だってあまり無体なことはやらなかったはずですよ。(太田)

 最後に、太田さんが常々主張されている「米国は、一貫して日本の「独立」を求め続けている」という点、「日米構造協議」から「年次改革要望書」に代表される具体的な内政干渉を鑑みると、米国も一枚岩ではなく「適当に泳がせてアガリをせしめるため」に保護国継続を指向する勢力もありそうな気がします(確証はありませんが)。

→日本が属国(保護国)であり続けたいと思っている以上、米国の政府関係者が、宗主国としての立場を利用して、あらゆる分野について、最大限日本から搾り取ろうとするのは当然です。(太田)

<ツシマ>

 コラム#2522(2008.5.2)を読みました。
 <雅子様>離婚か?、それとも・・・。
 私は、東宮の即位辞退と秋篠宮即位、悠仁親王立太子が最良と考えます。いずれは秋篠宮父子が即位されるわけですから、悠仁さまのためにもウィンザー公のように東宮は引退するべきです。東宮はウィンザー公のように一代限りの宮家を創設し、その宮家の御当主として雅子さまと隠遁していただくのが日本のため、皇室のためであると考えます。

<太田>

 だけど、愛子様には、皇位を継がれるかどうかはともかくとして、(雅子様抜きで、そしてできれば新しいお母様の下で)健やかに成長していただきたいのですがね。

<bbkz>

≫ビスマルクが、政治は「可能性の(=政治に係るvisionの実現を図る)」芸術、と言っていることを踏まえれば、≪(コラム#2889。太田)

ですが、ビスマルクが本当に「芸術」と言っているのか、というのがそもそもの疑問である訳です。
 それに対して太田さんは、なぜこのテキストにおいてKunstは「芸術」でなければならないのかという説得力のある説明を一度もされていません。
 (それに対して「私の体験が典拠だ」なんて言われても、意味不明なだけです。)
 言い方を変えれば、まず最初に「Kunstとは常に芸術と置き換えるべきだ」という、太田さんにとっては覆しがたい原理があって、そこから一歩も踏み出ていないわけです。

 しかし、Kunstという単語は、時と場合によって変化するさまざまな概念を含むことはすでに<実際に例を提示しつつ>述べた通りです。
 また、一般的には「政治」は数ある芸術分野のうちの一つとしては見做されることがない、ということも<例を提示して>示しました。
 これらを踏まえると、ビスマルクが「可能性の芸術」という発言を意図したというのことは極めて疑わしいと言えます。

 しかしそれでも「芸術」であるはずだとお考えならば、何か私の知らないことをしっかりと示して頂けるのではないか、と純粋に期待していたのですが。

>ただ、「芸術」については(略)

 私は具体的な例を示すことで「芸術」というものがどういうものかを示そうと努力したのですが、そもそも「芸術」という概念を理解しない方に対しては無駄だったようです。
 (ピアニストを目指しておられたのかもしれませんが、太田さんにとって、ピアニストとは芸術家ではなく、しょせん演奏する「機械」にすぎなかったのでしょう。)

<太田>

 じゃ、端的に申し上げましょう。
 あなたは、「政治は可能性の芸術」というのは誤訳で、「政治は可能性の技術」が正しい日本語訳だと言い張っておられるわけですが、あなた以外にそんなこと言ってる人、1人でもいるの?
 いるのならあげてごらんなさい。(英語訳まで範囲を広げても結構。)
 ハンドルネーム使って、しかも身分も全く明かさないあなたが、1人でいくら珍説を唱えたって、私のような奇特な人間以外、本来、誰もまともに相手になんかしませんよ。
 大体、こんな話にまで何でハンドルネーム使わなきゃいけないんですか。
 もちろん、あなたが、誰の権威も借りずに誤訳であることを自ら証明したら拍手大喝采だけど、できないでしょ。
 いずれにせよ、何で私が誤訳じゃないことを証明しなきゃならないのか、さっぱり分かりませんねえ。
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太田述正コラム#2903(2008.11.9)
<改めて田母神前空幕長更迭について>

→非公開

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