道が「周産期母子医療センター」に指定した31病院のうち4病院で07年度、「新生児集中治療室(NICU)の満床」を理由に救急患者の受け入れを拒否したケースが137件あったことが10日の道議会で報告された。「産科病床の満床」など他の理由を含めた全体の件数はさらに膨らむことが予想される。
道によると、厚生労働省が実施した調査結果の一部。全体の拒否件数や病院名、拒否によって患者がどうなったかなどについて道は「まだ厚労省から発表されていない」として公表しなかった。
ただ、137件のうち17件は市立札幌病院で起きたことが分かっている。他の理由を含む同病院の07年度の受け入れ拒否は77件に上り、これを加えただけでも全体の件数は200件近くに及ぶ。
周産期母子医療センターは出産前後の妊婦と新生児の専門治療を行う病院。NICUは31病院に計150床あるが、それでは足りないのが現状だ。道医療政策課は「医学が進歩し低体重の新生児を救えるようになったが、NICUを増やしたくても(産婦人科・小児科の医師不足で)スタッフの供給が追いつかない」と説明している。【鈴木勝一】
毎日新聞 2008年11月11日 0時35分