北朝鮮メディアが配信した金正日総書記(66)の写真に“合成写真”の疑いがあると7日付の英紙タイムズがソウル発で伝えた。
重病説から死亡説までささやかれる総書記の健在ぶりを示すため“百聞は一見にしかず”とばかりに公表したのだが、かえって健康問題で新たな憶測を呼んでしまった。
同紙が注目したのは、金総書記が朝鮮人民軍を視察した際、軍人らと記念撮影したとされる写真。総書記はサングラスにハーフコート姿で撮影日時は不明。米大統領選でオバマ上院議員が当選したタイミングにあわせ、今月5日に朝鮮中央通信が配信した。
不自然な点として〔1〕総書記と他の軍人らで影の角度が違う〔2〕軍人が立つひな壇には地面と平行に黒い線が伸びているが、総書記の後ろだけこの線が「神秘的にも見えない」(同紙)−の2つを挙げた。総書記が8月中旬に脳卒中で倒れ、手術を受けたとされることから、同紙は「写真が本物なら、驚くべき回復だ」と指摘した。
北朝鮮メディアは今月に入って、金総書記の写真を何枚も公表。ソウルの北朝鮮専門家は「われわれの指導者は元気であり、(オバマ氏と核問題などで)交渉の用意がある−と言いたいのだ」との見方を示している。