ニックネーム:Chase
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表面の事象に惑わされず世の中の深層を読み取ることを心がけています。

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2008年10月17日(金)
ハンセン病の悲劇
いつの世も何処の国でもエスタブリッシュメントは惰眠を貪る。ノブレス・オブリッジを持っている貴族が存在する国はイギリスくらいなものか?

惰眠を貪るだけならまだしも、社会の不平等など省みもせず、自己犠牲の精神などさらさらないのが常だ。その習いは一般ピープルまで伝染し、事なかれ主義、自分だけは安泰を追い求める群れが叢生するばかりである。

朝日新聞の天声人語は、過去の栄光?を尻目に、時代の変遷とともに地に落ちた感があるが、本日の記事は秀逸だ。ここに書いてある少女の嘆きを受け止めなれないような感性の持ち主は、エスタブリッシュメントは言わずもがな国民の資格たるやなきに等しい。

朝日新聞天声人語より転載(著作権はご容赦を)
10月17日付

ハンセン病ほど、でたらめな偏見にさらされてきた病気はない。仏罰、血筋の汚れ、うつりやすい、不治……。恥ずべき差別史は、社会や個々人の「成熟度」を問うてもいる。国立ハンセン病資料館(東京都東村山市)の企画展「ちぎられた心を抱いて」を見て、胸に手をあてた

▼この病ゆえに、各地の療養所に強制収容された子どもたちの記録である(11月末まで)。家族から引き離された心細さ、恐ろしげな白い予防着の職員。震える心が、作文などに滲(にじ)んでいる

▼昭和初期、患者の強制隔離が国策となる。各県は「根絶」を競い、少年少女も「すぐに親元に帰れるから」と連れてこられた。所内の学校に通ううち、塀の中で一生を終える定めと知る。いわれなき隔離は戦後も続いた

▼絶望の中の至福は面会だった。少女の短文がある。〈お母さんは、私を見ると「千砂」と言ったまま、お泣きになった。私も声を出してわっと泣いた。思って居た事を、言おうとするけれど泣きじゃくって、声が出なかった〉

▼離れていても愛されている、と確かめる術(すべ)が郵便だった。千代子さんの、これは詩だろうか。〈てすりにもたれている友/目かくししようと思って/そっと後(うしろ)にまわったら/手紙をもって泣いていた〉

▼かるた、ひな人形、運動会の写真。閉ざされた四季が並んでいる。宝物は、肉親と暮らした遠い記憶だったのだろう。康子さんの詩の冒頭を記す。〈思い出は/私の胸の小さな銀の箱にある/そんなものがあるってことも/中に何が入っているかも/誰も知らないの〉
(転載おわり)
2008-10-17 00:23 | 記事へ |
| 日本社会 |
2008年10月15日(水)
高橋洋一の新著が出た。
高橋洋一氏の待望の新著が出た。山本七平賞を受賞した『さらば財務省!』に続くハードカバーだ。前著は内幕暴露的な読み物で話題を読んだが、今回は埋蔵金男としての十八番?の日本国の財政問題だ。内容はさておき、この本のよい点は分かりやすいということだ。別の言い方をすると数学の本を読んでいるような感覚といったらよいだろうか。こんな感覚を味あわせてくれるのは小室直樹氏以来のことである。

内容については、各種ブログで盛んに取り上げられているので、とりあえずの立ち入りを避けるが、マンデルフレミング理論をベースに財政政策より金融政策の有効性を終始訴えているところが特徴だ。特に著者がバーナンキの薫陶(何とあの佐藤ゆかりも!)を受けた上での金融理論として、インフレターゲット理論を推している点がポイントだ。インフレターゲット政策は、インフレを招くとの懸念で、政策としては大きな盛り上がりを見せなかったが、著者はその正しさを分かりやすく説いている。

東谷暁氏のような、あらゆる言説を相対化して俯瞰するスタンスもなるほどと思うことがある反面、いつも肩透かし癖が染み付いた感もあり、政策提言として心許ない。毀誉褒貶はともかく高橋氏のような本の書き方は、論争を建設的に積み上げる基礎的な土台となる点が最も評価できる点であろう。

高橋 洋一(タカハシ ヨウイチ)
1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省(現・財務省)入省。理財局資金企画室長、米プリンストン大学客員研究員、国土交通省国土計画局特別調整課長、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)などを歴任したあと、2006年から内閣参事官。2008年より東洋大学教授。「小泉・竹中改革」の司令塔として、「郵政民営化」「道路公団民営化」「政策金融機関一本化」「公務員制度改革」を実現。2007年には財務省が隠す国民の富「埋蔵金」を公表し、一躍、脚光を浴びる。著書にはベストセラーになり山本七平賞を受賞した『さらば財務省!』(講談社)などがある
2008-10-15 00:50 | 記事へ |
2008年10月12日(日)
拉致問題に無力な日本政府
急転直下ともいえるテロ支援国家指定解除だった。前回の解除の動きが先送り続きされていただけに麻生政権内の衝撃は大きい。ただ、指定解除の決定は「一義的には米国内法の適用の問題」(河村建夫官房長官)であり、米政府の決定を受け入れざるを得ないのが実情である。というか米国にしてみれば、これほどまでに引き延ばして日本へ配慮したことをどうして駄々をこねるばかりで分かってくれないのかという思いであろう。

確かに拉致被害者家族の立場に立てば忍びないもであるが、日本の国力からするとやむを得ないものがある。もし米英同盟の間で同様の問題が起こったとしても、米国は同様の判断をするであろう。繰り返すが、米国内法の適用の問題であるからだ。いわんや日本ごときがいくら米国に物申しても、本音では馬耳東風然であろう。

インドに対する原子力協力の問題の時はどうだったか。こちらはNPT体制の根幹を揺るがすだけに、日本も声を大にして米国にクレームを申し立てることは全く正しいことであり、そうしなければならないことであった。ところが、殆ど抵抗らしい抵抗も見せずに腰砕けになった。この日本政府の有様では、テロ支援国家指定解除に異議を申し立てる腹なんぞ無いことはあっさり見て取れる。結局、負け惜しみをぐたぐた言い訳しているのは、拉致被害家族者にポーズを見せるためだけの選挙対策の一環に過ぎない。

(転載はじめ)
【テロ指定解除】麻生首相が一定の理解
10月12日15時20分配信 産経新聞

麻生太郎首相は12日、米国が北朝鮮へのテロ支援国家指定解除に踏み切ったことについて「(核問題が)動かない状況を置いておくよりは、きちんとやった方がいい。一つの方法だ」と述べ、一定の理解を示した。 致問題への影響については「(指定解除で解決への)てこを失ったことは全くない」と述べた。日本青年会議所(JC)全国会員大会浜松大会に出席のため訪れた静岡県浜松市内で、記者団の質問に答えた。
(転載おわり)

2008-10-12 23:45 | 記事へ |
| 国内政治 |
進む大恐慌
書きたいネタは沢山あるのだが、株価暴落の世情がやはり大変気になる。といって巷のブログにあるように格好良い分析ができるわけでもない(もっともそんな格好良いブログの信用も取るに足らないものであるが)。

ただただ、国内の先週の暴落や大和生命の倒産など、茫然と見続けるしか術がない今日この頃?だ。私はリーマン破綻の日に、即、株の損切りを断行してすべて定期に切り替えた。個人ができることはそれくらいだ。世界では、ブッシュ大統領とG7の会合が急遽持たれてAction Planが発表されるなどエスタブリッシュメント達の異例の行動も日々続いている。

大恐慌を示すニュースはもう枚挙にいとまがない。今日この時点はまだほんの通過点に過ぎないのだろう。アメリカの騒ぎ方はLTCM破たんの時や、ブラックマンデーの時以上である。テレビでは、したり顔で解説しているエコノミスト達が跋扈しているが、彼らの多くは今日の事態を予測していなかった。

あの竹中平蔵だって、世界経済に対して限定的なダメージに留まることを力説していた。経済評論家の言説をちょっとさかのぼれば笑えることばかりだ。強気で鳴らした山崎養世氏も旗色が悪くなっている。お気に入りリストからはずそっと。
http://news.goo.ne.jp/article/nbonline/business/nbonline-157925-01.html
まあ優秀とか言われる彼らでさえこの体たらくだから、こと経済評論家の言説は全く信用が置けないと言い切っていいだろう。なんとか総研のエコノミストなんて罪深い職業が未だ続いていることがジョークに感じるほどだ。


この領域では?やはり予言者でなければ、無理な話だ。馬野周二氏や副島隆彦氏は、予言という言葉を多言して自らの言論を科学と一線を画したものだと強調している。実際にオカルティックな動きも出てきた。いまや異次元に突入したジャーナリストのベンジャミンフルフォードは、10月14日に何か異変が起きることを予言している。学問道場のサイトでは、10月14日の銀行の取り付け騒ぎを警戒した警察の動きを報告している。振り込め詐欺対策はうわべの言い訳であるとのこと。経済事象ではあるかどうかはわからない。フルフォード氏の文脈ではUFOの類かもしれないようだが、恐慌という社会不安がオカルトの世界を元気?づかせることは情けない。

何の意味もない記事になったが、数ヶ月後、あの時はまだあの程度だったなと感慨深く読み返せる?ために備忘録として記録しておく。
2008-10-12 08:39 | 記事へ |
| 経済 |
2008年10月07日(火)
日本経済危機脱出の処方箋
アメリカ発金融恐慌発生で、日本経済も激震を開始した。無謀だが日本経済危機脱出の処方箋を考えてみた。経済用語のサイトからコピペしながら論を進める。

ケインズ経済学によれば、供給過剰があっても、価格の下方硬直性があるために、商品の価格は下がらず、需要は増えず、そのままでは供給過剰が解消されないとして、経済は、古典派の主張するようには自動的に望ましい状態には達しないと考える。現実に不況や恐慌という状態があり、これに政府は対応すべきであり、そのため、不況期には、特に新たな財政支出を行い、有効需要を追加することが必要であると考えた。

ところが、ロバート・A・マンデルとJ・マルコス・フレミングが1963年に発表して、1999年にノーベル経済学賞受賞したという大理論「マンデル・フレミングの法則 」によれば、財政政策よりも金融政策が効果的だという。財政赤字が拡大すると実質長期金利が上昇し、設備投資や住宅投資が減少する(クラウディング・アウト効果)。また、実質長期金利が上昇すると国内への資本流入圧力が生じて自国通貨が増価し、輸出が減少して輸入が増加するためGDPが減少する。そのため変動相場制のもとで景気回復や雇用を増やすには、財政政策よりも金融政策が効果的だということらしい。

あの霞ヶ関埋蔵金男、高橋洋一氏は、その系としての表現で、固定相場制のもとで財政政策は完璧に効いて、金融政策は効かない。変動相場制はその逆であると。つまり、現下の日本では、財政政策は効かず金融政策は効かないとなる。

この流れは、ポール・クルーグマンのインフレターゲット論と同値になるらしい。要はジャブジャブと市場にお金を供給していくことだ。コピペ表現すると、一定の物価上昇を目指して金融政策を実施することということになる。より具体的には、あらかじめインフレ率に目標値を設定しておき、その目標を達成するように紙幣の発行を増やすなどの金融政策を日本銀行(日銀)が実施しなければならない。。端的にいえば通貨価値の下落によって物価の上昇を見込むことを意味する。

ところが、正論11月号の東谷暁氏の論文を読むと、金融緩和で短期的には金利を引き下げて為替レートを円安に誘導できれば、輸出が伸びて景気も上向くことになる。ところが、肝心のアメリカ経済が崩壊寸前で消費中毒がすっかり冷めたのが、今日この時点の現実である。輸出拡大など望むべくもない。こりゃどうしようもない!あーあ、何とか理論的に考えようと経済理論の上っ面をなぞってみたが時間の無駄に過ぎなかった。すみません。処方箋はできませんでした。じゃんじゃん!

(追伸)
ノーベル物理学賞(今日、日本人3人が受賞!マンセー!)とノーベル経済学賞(正確にはノーベル賞では全然ない)を決して一緒にしてもらいたくない。
2008-10-07 22:46 | 記事へ |
| 経済学 |
2008年10月05日(日)
アイルランドに平和を
植田信先生もポールのGive ireland back to the irishをお好きだと仰っておられた。私も大好きな曲だ。この曲はビートルズサウンドプンプンの曲で、いわゆる?コアなビートルズファンには受けた曲である。ラフな仕上がりが何ともいえずよい。Outroも最高だ。

この曲は、1972年1月30日にアイルランドで起こった「血の日曜日事件」に心を痛めたポールが一日で作り一日で録音したそうだ。このような一瞬のアイデアこそが名曲を生む。ボーカルはポールのダブルトラックであろう。歌詞の二番目で、一オクターブ上げてフェイクして歌っているのもポールである。中学生の時、この部分はデニーだと言い張る奴と論争したが、バカな奴だと思った。35年ほど昔、長沢某氏が司会する夕方の歌番組で、あるロックバンドが毎度、流行っている外国のロックの歌を歌うのだが、ある時、この歌をなかなか上手に歌い上げていたのを印象深く覚えている。しかし、今考えれば、極東の島国の歌番組で"アイルランドをアイリッシュに返せ"なんて歌っていたのはナンセンスであった。


しかし、歌詞を眺めてみると非常にストレートなメッセージだ。今更ながらポールの大胆さに驚かされる。前の記事でも書いたが、アイリッシュの反骨精神のなせる技だろう。その後テロを受けたとの話も聞かないから、イギリス社会も民主主義の程度は相当に高いものがある。

歌詞に使われている単語もシンプルだ。といいつつ、細かな文法的な箇所でアホな私は引っかかってしまう。二行目の"Dont make them have to take it away"の"them"は誰を指しているのか?Great britianの支配者ということだろうか?それなら分かるが、いきなりの"them"というのは、日本人には(私には)、なかなか思いつかない。they say〜とかいうときのtheyなんだろうな・・・。そうであっても、そのあとの"have to"もなんじゃこれはと思ってしまう。うーん分からん。まあとにかく、"彼らにアイルランドを持ち去らせるな"ということだろう。

"Tell me how would you like it. If on your way to work. You were stopped by irish soliders. Would you lie down do nothing. Would you give in, or go berserk"
のところなんか本当にカッコイイ。"Tell me how〜なんて・・・、あーなんでEnglish Speaking Peopleに生まれなかったんだろう。まあ贅沢は言うまい。ここのところの意味は、あんた(Great Britain)も同じようにされたらいやでしょうという感じなんでしょうね。go berserkはアイリッシュの成句らしい。中学生の時は、空耳アワーではないが、"クッベーセー"ってシャウトして勝手に歌っていたが、アホだった。

まあしかし、こんな簡単な言い回しで政治的メッセージを効果的に伝えるのはやはりネイティブ?しかできないだろう。どんな日本人のアイルランド専門家(そんな人がいるのか?)でも、このような歌詞を生み出すことはできないに違いない。

閲覧者が少ないブログなので、著作権は勘弁してください。歌詞を全部載せておきます。

"Give ireland back to the irish" by Wings

Give ireland back to the irish
Dont make them have to take it away
Give ireland back to the irish
Make ireland irish today

Great britain you are tremendous
And nobody knows like me
But really what are you doin
In the land across the sea

Tell me how would you like it
If on your way to work
You were stopped by irish soliders
Would you lie down do nothing
Would you give in, or go berserk

Give ireland back to the irish
Dont make them have to take it away
Give ireland back to the irish
Make ireland irish today

Great britain and all the people
Say that all people must be free
Meanwhile back in ireland
Theres a man who looks like me

And he dreams of God and country
And hes feeling really bad
And hes sitting in a prison
Should he lie down do nothing
Should he give in or go mad

Give ireland back to the irish
Dont make them have to take it away
Give ireland back to the irish
Make ireland irish today

Give ireland back to the irish
Dont make them have to take it away
Give ireland back to the irish
Make ireland irish today
2008-10-05 19:53 | 記事へ |
| ビートルズ |
ビートルズの反骨精神
昨晩、NHKのドキュメンタリーで「ビートルズを生んだ伝説の港町〜イギリス・リバプール〜」を観た(下記に要約転載)。驚いたのはリバプールが栄えたのは、奴隷貿易によるものだったということだ。街のあちこちにそれを物語る(意図的に残した)資料館、遺跡等々の刻印が残されている。何とあのパニーレイン通りのペニーという名前は、由来が奴隷貿易商だったジェイムズ・ペニー氏に因んだものだとのこと。検索すればでるわでるわいくらでも・・・。イギリスが奴隷貿易をしていた云々は常識に埋没しているものの、リバプールが特に奴隷貿易で著名だったとは全然認識していなかった。社会派気取りの本ブログの無知を恥じるものである。

そしてもう一つのテーマはアイリッシュだ。アイリッシュがリバプールに19世紀に大挙移民として来たのはアイルランド島の飢饉によるものだったらしい。しかし、上陸したリバプールで過酷な差別が施された。港湾労働など厳しい労働に耐えながら町の発展を支えたとのこと。そこで生まれたのが反骨精神であり、ビートルズに繋がっていくとのこと。MBE勲章、特別席の方は宝石をじゃらじゃら・・なんてのはまさにその発露だったのであろう。番組ではビートルズの三人がアイリッシュとのことだった。恐らくリンゴ以外だろう。前の記事でポールのイスラエル講演のことを書いたが、アイリッシュの反骨精神とリバプールの奴隷貿易の歴史を背負うポールは、ホロコーストにあったユダヤ人には受け入れられるものかもしれない。

あーあ昔、ハンターデビスとかのビートルズの伝記を読んだ時も最初の方にリバプールの歴史があったが、こんなことが書いてあったとかは全然覚えていない。改めて当時(中学生)自分自身の浅薄な読書が情けないばかりである。単純にビートルズはアイリッシュで反体制派的の方程式くらいしか頭になかった。夢中になったのは専ら音楽の方である。あのリバプールサウンドといわれた音楽も、その反骨精神が基にあるのだろう。ビートルズみたいな音楽とかいう皮相的な見方をするべきではないのだろう。あーあブリティッシュロックなんかに耽溺していた時代が情けない。思想抜きの外国文化理解は我が国の通弊なんだろう(自分を犠牲者としておこう・・・)。

(転載はじめ)
探検ロマン世界遺産「ビートルズを生んだ伝説の港町〜イギリス・リバプール〜」
イギリスの世界遺産リバプール。ビートルズ誕生の地だ。18世紀以降、大英帝国の港町として栄えたこの都市には、様々な人々の夢や欲望が交錯、知られざる物語が渦巻く…。
イギリスの港町、リバプール。ビートルズ誕生の地として知られるこの街は、世界遺産に登録されている。もともと小さな漁村だったが、18世紀以降、アフリカ、そして西インド諸島とを結ぶ三角交易の貿易港として急速な発展を遂げた。その交易で最も重要な商品が、奴隷だった。さらに19世紀、飢饉の発生から街に流れ込んできたのがアイルランド系の人々だった。街の発展を支えてきた人々の反骨精神は、やがてビートルズへつながっていく。
http://tv.yahoo.co.jp/program/6015/?date=20081004&stime=2000&ch=8200
(転載おわり)
2008-10-05 07:41 | 記事へ |
| ビートルズ |
2008年10月04日(土)
総理を狙う東国原知事
ははーん、結局、中山国土交通大臣の失言の意図はこういうことだったのかと思わせる出来事だ。失言に端を発した中山元国土交通大臣の引退で、自民党の後継候補として東国原宮崎県知事の可能性が高まったことである。もちろん、他の狙いもあった。解散の引き延ばし戦術である。麻生総理はこれらを深慮遠望して、中山の自爆を本人も了承のうえ仕掛けたのである。

だいたい今の時代にあのような発言をすれば、叩かれるのは分かり切ったことであり、海千山千の政治家が本当の意味での失言などするわけがない。見え透いた策略に乗ったマスコミがナイーブであり大馬鹿者である。

ところで、東国原本人は超党派?の組織「せんたく」にも出入りしているように、国政への関わりを以前から滲ませてきたことは周知のことである。恐らく総理大臣の座を狙っているはずである。しかし、ヒエラルキーの強固な自民党から出馬では、少なくとも10年は目がないし、閨閥の観点からはなお一層望みがない。

唯一可能な方法は、細川護熙のパターンだ。日本新党の党首として颯爽と政界に登場して、一気に連立政権の神輿に乗ったやり方である。東国原に当てはめると「せんたく」の拡大路線でしか目がない。まあ常識的に考えれば細川元総理の真似はできない。

しかし、ゼロとはいえない。時代の変化は良くも悪くも東国原のような大衆型政治家を欲している。頭の回転は中々のもので、そのあたりは問題ない。しかし菅直人との道路特定財源問題でディベートした時は、大枠の戦略で対抗できずに、ローカルな事情を訴えるだけの抗弁に終始した。この骨身に染み込んだ意識の改造を図らねば、東国原は、単なるお笑い地方政治家に終わるだろう。
2008-10-04 21:05 | 記事へ |
| 国内政治 |
2008年10月01日(水)
麻生太郎は大物政治家
"解散は私が決める。"麻生総理は、小沢一郎民主党代表の早期解散の要求に対してこういい放った。何気ないやりとりと思ったら大間違いである。麻生総理は自身が持つ最高の権限を楯にとって、最高権力者たる自分をアピールしたのである。無冠の権力の権化たる小沢は、何ともいえない悔しそうな表情を浮かべた。

安倍、福田両氏には麻生総理のようなぎらぎらした権力欲がなかった。短命の根因はそこにある。安倍は父親の蹉跌を周囲から言い包められ(チャンスはその時にしかない、逃せば二度と来ないなどと)、よちよち歩きで権力を掌中にした。権力を弄ぶ血筋はあったが、個人的な権力衝動は持ち得なかった。これは資質の問題であり、そのような人物を選んだ側の問題であろう。福田も同工異曲だ。

しかし、麻生は二人とは全然違い権力欲が旺盛だ。苦労知らずのぼっちゃん育ちなどとの批判は、的外れである。俺様の血筋の威光で、まわりをひれ伏せさせてやる。国の繁栄は俺が興してみせるとの気迫が所作に滲みでている。公明党と二人三脚とる姿勢をとったかと思えば返す刀で、解散総選挙の実施をじりじりと先延ばしし、友党にまで深慮遠謀で脅しをじわじわかけている。選挙の結果は予断を許さないが、依然多数を維持できたとしたら、中曽根、小泉(両人は権力欲旺盛)に次ぐ長期政権の可能性もある。

このような麻生がなぜ大物政治家であるといえるのか。それは、権力の理論にことさら忠実なエトスを麻生氏が有していることに尽きる。そのエトスの理解のために、天才政治学者小室直樹が“政治が悪いから世の中おもしろい(ワニの本)”で述べたことを補助線として紹介しよう。なお、大物政治家が善政を施すか否かは別である。

(転載はじめ)
政治には権力を伴う。政権をとることは、権力闘争に勝ち抜くことである。そして権力には魔力がある。「巨大な権力をすき勝ってに駆使できる者、それが名君または暴君で、両者は、ベクトルの向きが正反対なだけで、本質的には同種類の生き物である」と。

政治倫理については、「政治指導者およびその他の政治家の義務は、国民の安全と生活を保証し、国を繁栄させ、外敵から守るにある。近代では、そのうえ、デモクラシーと国民の権利を守るにある」「この義務を忠実に果たすこと、それが政治倫理であり、それにつきる。また、この目的のためなら、普通の人間には許されないことでも許される」という。

ドイツの歴史家マイネッケは、「国家にとって権力が必要であることを本能的に感じざるを得ない政治家は、また同時に、同じく権力への全く個人的な衝動が働いている。たくましい意志的人間の個人的権勢欲がなければ、国家に不可欠な権力は決して獲得されない」と言っている。「権力欲のない政治家は、国を滅ぼすのである。俺が俺がと、権力欲の権化のような人物でなければ、国を富まし隆盛にみちびくことはできないのである」と。
(転載おわり)
2008-10-01 22:04 | 記事へ |
| 国内政治 |
2008年09月27日(土)
米国最強エコノミストいよいよ登場
米国エコノミストのケネス・ロゴフ氏(Kenneth Rogoff)の言説があちこちで取り上げられている。経済関係の評論ではサブプライムローン問題発覚後、しばしばでくわす人で、巷のブロガーではおなじみの人でもある。最近、某?著名サイトでもとりあげられいよいよ火がつきそうだ。経歴を知りたい方は、google等で探してください。助平根性極まりないが、当サイトでも備忘録として、あるサイトからの転載記事を痕跡を残しておく。さあ大恐慌が目の前だ。

http://blog.goo.ne.jp/kitaryunosuke/e/d03064ebcbcc41f27fce42a6e7df5f32
より転載
(転載はじめ)
Banking shares across the world were hit after a stark warning from the IMF's former chief economist Kenneth Rogoff that the worst of the credit crisis is yet to come.

IMFの元チーフ・エコノミスト、ケネス・ロゴフから、信用危機の最悪の部分は未だ訪れていない、とする驚きの警告が出された後、世界中の銀行銘柄が軒並み値下がりした。

Kenneth Rogoff, chief economist to the International Monetary Fund between 2001 and 2004, told an audience in Singapore that "the financial crisis is at the halfway point, perhaps."

2001-2004年にIMFのチーフ・エコノミストを務めたケネス・ロゴフは、シンガポールの聴衆に「金融危機は未だ道半ばだ、多分」と告げた。

Now an economics professor at Harvard University, Mr Rogoff said. "We're not just going to see mid-sized banks go under in the next few months, we're going to see a whopper, we're going to see a big one, one of the big investment banks or big banks."

現在ハーバード大学の経済学教授を務めるロゴフ氏は、次のように語った。
「今後数ヶ月間に、中堅の銀行が破綻するのを目撃するだけでなく、我々は大規模な、大手の投資銀行か銀行の一つが破綻するのを目撃するだろう」。

He added that efforts by Asian sovereign wealth funds to bail out US banks were not the solution. "The financial system has become very bloated in size and needed to shrink," he said.

アジアのソブリン・ウェルス・ファンドによる、米系銀行救済努力は解決策ではない、と彼は付け加えた。
「金融システムは規模的に肥大化し過ぎた。縮小しなければならなかった」。

Mr Rogoff also touched on the spectre of global inflation, warning that the need to cut interest rates and stimulate the US economy is "going to lead to a lot of inflation in the next few years".

また、ロゴフ氏は金利引き下げと米経済活性化の必要性は「今後数年間、インフレを多発させることになるだろう」と警告して、世界的インフレの不安な見通しにも触れた。
(転載おわり)
2008-09-27 21:50 | 記事へ |
| 世界経済 |
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