抑圧された文革時代から40年
ついに「SEX文化大革命」が始まった
2008年11月7日(金)0時0分配信 SAPIO
掲載: SAPIO 2008年10月22日号
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ネットで開花した 中国人のセックスライフ
これまでに比べて飛躍的にセックスに対する情報が入手しやすくなったということもあり、ブログなどで自身のセックスライフを赤裸々に語る、出会い系サイトでセックスの相手を漁る、ライブカメラで性行為を見せ合うなど様々な形で「性」が謳歌されている。2006年ごろにはSMが「虐恋」という名で上陸したが、これもネットから火がついた。
そして、「二奶」という地下妻、「叮小姐(ピンポーン嬢)」という単身者の部屋をいきなり訪ねてくる娼婦など、セックスビジネスも花盛りである。私もかつて、「なぜ公安は国内の売春を取り締まらないのか」と憤ったものだが、冷静に考えれば公安の人間より娼婦の方が圧倒的に多い。政府がセックスビジネスを管理下におくことなど現実には不可能なのだ。
経済を開放すれば商売人がやってくる。彼らは夜寂しいので自然と娼婦を呼ぶ。中国共産党は実は賢い政党でそれが十分わかっている。だからこそ厳しい取り締まりを行なう半面で、「性の改革開放」を黙認してきたのではないだろうか。
そのような空気のなかで若者の性意識も変化した。たとえば、男女が夫婦のように同じ屋根の下で生活し、セックスの相性が合えば結婚して合わなければ別れる「試婚」というものが流行し、私生児や男女トラブルが増加し社会問題にまで発展している。また、最近ではその反動なのか、セックスはせずに抱擁やペッティングなどの行為を優雅に行なう「親抱族」というものも流行している。
このように若者たちが性を貪欲に楽しもうという背景には、「ひとりっ子政策」のなかで彼らが親の期待を一身に受け厳しく管理されてきたことがあると私は思う。中国の子供たちは高校卒業まで毎日山のように宿題を出され、生活も親に監視される。それが大学で親元から離れて一気に解放される。
その抑圧されたパワーが「性」の方向へと向かっているのではないか。そして、それはまさしく厳しく抑圧された毛沢東の時代から、「改革開放政策」を経た今の中国の姿とも重なる。
13億人の「セックス文化大革命」はまだ始まったばかりだ。
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