【ワシントン=大隅隆】米ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は9日、米政府が保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)向けの公的支援を全面的に見直す方針と報じた。支援額を1500億ドル(約15兆円)と現在の1230億ドルから拡大。資本注入や不良資産買い取りも実施する。政府が支援する金融機関の救済策が見直しを迫られた格好だ。
AIGが7―9月期の決算を発表する10日にも発表になる見通しという。新支援策は7000億ドルの公的資金を柱とする金融安定化法を活用する。1500億ドルのうち、600億ドルを融資し、400億ドルを優先株による資本注入に投じる。実現すれば一連の金融支援措置の中で初めての保険大手に対する資本注入となる。
残る500億ドルはAIGが抱える不良資産の買い取りに活用する方向だ。証券化商品や金融派生商品(デリバティブ)関連の不良資産が対象で、政府も出資して不良資産の買い受け会社を設立。AIGから不良資産を買い取る枠組みをつくる。(12:38)