メンズシューズ基礎徹底講座
掲載日: 2006年 10月 07日
外羽根式と内羽根式の違い
一体、何が、違うのか?
似て非なる靴をわざと並べてみました。左右で何が、違うでしょう? |
一見よく似ているようで、この2足は全く異なる靴です。どこが違うか解りますか? ブランド? 確かにそうなんですが、もっと決定的に異なる点もあるのです。
解答は後に回すとして、このガイドサイトを引き継いで以来、「もはやファッション雑誌では扱ってくれない、基礎的なことをじっくり採り上げて欲しい」とか、「どのスタイルの靴を、どのような服に合わせて履けば良いかを教えて欲しい」とのご意見を、沢山戴きました。なるほどなるほど、確かにその辺りは、誰も教えてくれない世の中になってしまったせいか、「エレガント」とか「クラッシック」と言った、大変抽象的かつ曖昧な外来表現で逃げてしまっている傾向、強いです。
そこで、今後ほぼ1回/月の割合で、「メンズシューズ基礎徹底講座」みたいなものを掲載していこうと思っています。中には「こんなのもう十分知ってるよ……」という知識もあるかと思いますが、まあ気楽に付き合ってやって下さい。読み続けてくれれば、必ず役に立つ連載に致しますので。まず今回は、紐靴の2大勢力の紹介からはじめます。
活動的な外羽根式
上の写真、向かって左側の靴は「外羽根式」と呼ばれるものです。甲より前の部分に、鳩目の部分が乗っかっている状態の紐靴を、こう称します。この靴のルーツは、実はヨーロッパでの有名な戦いにあります。プロシアの陸軍元帥だったゲルハルト・レーバレヒト・フォン・ブラヘルが、このスタイルで戦闘用ロングブーツを仕立てさせ、1815年にかの「ワーテルローの戦い」で、フランスのナポレオンに立ち向かったのです。
外羽根式の靴の紐を解くと、羽根が全開します |
鳩目部分の形状が競馬のゲートに似ているため、この形状の靴はイギリス・フランスなど主にヨーロッパ諸国ではダービーとかデルビィ(Derby) と呼ばれます。アメリカでは、考案者の苗字を英語読みし、ブルーチャー(Blucher) と呼ばれる場合が多いようです。
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