
それは仕事帰りの高速での出来事
平日の19時過ぎと言うのにやけにクルマが少ない・・・
と言うより皆左車線を等間隔に走っている
俺は追い越し車線が空いているのを良い事に、アクセルを踏んでいる右足を少し大きく踏み込んでみた
かすかなタービン音とブローオフバルブの排気音がこのZがターボ車であることを主張する
Z33の3.5リッターV6にギャレットのシングルターボを装着した愛機は50kg・mの最大トルクを0.45バールの過給圧から叩き出す。
エンジン内部を補強すれば、600ps 70kg・mも夢ではない。
ただ今のパワーでも体がシートに押さえつけられてしまう位の加速は味わえる。
心地よいGを感じながら前方を見ると白いGTRが!
即座にフルスロットルに
そうか、ヤツが露払いしてるから右車線が空いていたのか・・・
シートに押し付けられる様なGを感じていると一気に路面の継ぎ目の間隔が早まる
水温・油圧共に異常なしそしてスピードメーターに目をやる・・・200`
GTRのテールに吸い込まれるように追いつくが加速しない!
ナニ?俺に気付いてないのか???
200`からのフルブレーキング
フロント6ポット・リア4ポットのキャリパーが巨大なローターを締め上げる
強烈な−GがミシュランパイロットスポーツPS2を路面に押さえつける
コンパウンドが路面との摩擦係数に耐え切れず悲鳴を上げるとABSが作動している感触が右足に伝わってくる・・・止まるか???
白いGTRのナンバーが読めなくなるまで近づいた時に左の車線に消えた
よし今だ!ブレーキを抜こうとした瞬間
エッ?
今度は目の前に異様に低い白いマシンが!
ランボルギーニ ガヤルド
ベビーランボと呼ばれてはいるが V10 500psのスーパーカーだ!
ヤツも一気に左へ・・・
俺は2台をかわしてフルスロットルで抜きにかかる
連れだな・・・同じ都内ナンバーでしかも白
抜き終わらないうちに後方ではガヤルドのV10エンジンの野太い排気音が全開になっている
ヤバイ・・・
スピードメーターに目をやると160`を指している
俺はATのクラッチがトルクに負けて滑っている事が気になりながらアクセルを踏み込む
まるでブースト計の針が固定されているかのように0.45バールを指しながら小刻みに震えている・・・220`
全てのミラーに異様に真っ白なガヤルドのHIDが矢のように突き刺さる
まるで獲物に狙いを定めて襲い掛かる瞬間の様に低く低く構えている
お前はいつでも俺の射程圏内だと誇示するかのように・・・240`
前方はずっとクリア・・・
俺は他車がまるで対向車のように向かってくる感覚に違和感を覚えながら心の中で願う
「頼むから車線変更するな」と
さらにアクセルを踏み込む!
ブースト計の警告ランプが点滅している!
もうずっとウエストゲートはエンジンを守る為タービンへの正圧の半分以上をバイパスで逃がしている
この熱エネルギーをもっと有効に使えたらパワーが出るのに・・・
ある瞬間から視界に変化が起こる・・・260`
一気に視野の中で車線が狭まる
そして俺はミラーの眩しさが無い事に気付く
ルームミラーに目をやるとガヤルドのライトは白い点になっていた
勝った・・・
俺はアクセルを戻した
ハンドルを握る手が少し汗ばんでいる
所要時間を確認する為に左腕に着けた愛用のデイトナに目を落とす
5分か・・・
軽くカーブした先に料金所がある
クーリングを兼ねてアクセルオフのまま料金所まで流す
それでも200`を軽くオーバーしていると、Zの空力の良さも手伝ってなかなか減速しない
ETCゲートは軽くブレーキングしながら120`で通過
俺は高速2区間を6分ほどで通過し地面に降り立った・・・
これは昨日見た夢です(爆)
アッ因みに本日誕生日でした〜(笑)