肺がんのため7日に亡くなったニュースキャスター筑紫哲也さん(享年73)の葬儀が9日、東京都練馬区の自宅で営まれた。火葬の際には喪主の妻房子(ふさこ)さんが「パパ、ありがとうっ」と絶叫、参列者も拝み手を拍手に変えて、ジャーナリズムの一時代を築いた功績をたたえた。密葬だったが、ジャーナリストの田原総一朗氏、「NEWS23」の膳場貴子キャスター、漫画家の石坂啓さん、残間里江子プロデューサーら60人以上の友人、知人が参列した。
ひつぎには、死去を報じた8日付の朝日新聞と日刊スポーツ、対談したことがあるダライ・ラマ14世からもらった砂、マージャンパイ、酒、取材ノート、雑誌、書籍が収められた。法名は「無量院釈哲也」。遺影は青いシャツを着て腕を組みほほ笑んでいるものだった。
出棺はこの日午後2時すぎ、小雨が降る中だった。房子さんが位牌(いはい)、長男拓也さんが遺影を抱えて自宅玄関前に出てくると、すすり泣きがもれ、泣き崩れる人もいた。田原氏は「フェアで裏表のない人でした。これから、何とか筑紫さんの後に続いて頑張ります」と話した。