社会
派遣に変更、知らされず 迫る期限「直接雇用を」
製造業界で多くの派遣労働者が来年、三年間の派遣可能期間を終える「二〇〇九年問題」が浮上する中、高砂市の三菱重工高砂製作所で派遣労働者として働く男性が六日、来年三月末の期間満了を前に、直接雇用を同製作所に申し入れた。男性の要求は、〇九年問題への対応に追われる製造業界に波紋を広げそうだ。(高田康夫)
申し入れたのは、加古川市加古川町の圓山浩典さん(46)。二〇〇〇年五月、同製作所の請負会社に就職し、請負労働者として発電用ガスタービンの製造工程で働いていた。偽装請負が社会問題化した〇六年、同製作所から「今後は派遣にする」と告げられたという請負会社は、その手続きをした。
だが、圓山さんは身分の変更を知らなかった。昨年七月、職場に張られた自分の名前に「労派」と書き添えがあり、労働組合「はりまユニオン」に相談。その後の団交で自分が派遣労働者となっていたことを知った。請負では派遣先の社員から直接指示を受けることは禁止されているが、圓山さんは「〇六年以前から正社員の作業長から指示されていた。偽装請負だ」と主張している。
同製作所は、人数を明らかにしていないが、大量の派遣労働者が来年三月末に期間満了を迎えるとみられる。「景気悪化で解雇された同僚を何人も見てきた。次は自分では」と不安を募らせる圓山さんは「安心して働かせてほしい」と訴える。
「偽装請負だった」との指摘に対し、同製作所総務部は「当時のことは分からないが、行政指導は受けておらず、偽装請負ではない」と反論。来年四月以降の派遣労働者の扱いは「指揮命令が必要な職場は直接雇用とし、不必要な職場は請負にする。今は職場ごとに調査中」としている。
はりまユニオンは「一工場で数百人の派遣労働者を抱えている所もあり、二〇〇九年問題は深刻だ」と話している。
製造業の2009年問題 2004年に労働者派遣法が改正され、製造業での派遣労働者受け入れが解禁。06年に偽装請負が社会問題化し、多くの業者が請負から派遣へ切り替えた。同一業務での派遣可能期間は最長3年で、09年に満了することに。そのまま就業させるには、派遣先に直接雇用の義務が生じる。
(11/6 14:20)
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