韓国LG Electronics社は、太陽光発電システムを手掛けるドイツConergy社と太陽電池モジュールを製造する合弁会社を設立することで話し合いを進めていた。しかし、LG社は2008年11月6日、この計画を撤回すると発表した。撤回の理由としてLG社は、経済情勢の悪化とそれによる同社の戦略方針の変更を挙げている。
Conergy社とLG社は2008年9月、ドイツのフランクフルト・アン・デル・オーデルにあるConergy社の太陽電池モジュール製造工場を共同運営することで覚書を結んだと発表している。当初の計画では、LG社がこの合弁会社の株式の大半を保有することになっていた。
LG社は、合弁会社設立に向けた話し合いには打ち切るが、「Conergy社との提携には現在もなお関心がある」と述べている。一方、Conergy社のCEO(最高経営責任者)を務めるDieter Ammer氏は、「LG社は今回、合弁会社設立の撤回という決断を下したにもかかわらず、引き続き当社との提携関係に興味を示していることは、当社にとって喜ばしいことだ」としている。
Ammer氏はまた、「フランクフルト・アン・デル・オーデルの太陽電池モジュール製造工場は、最も先進的かつ完全に統合された太陽光発電製造施設であることから、LG社との合弁会社設立のほかにも策はあると考えている」と語り、LG社以外の企業からも合弁会社設立の打診を受けていることを明かした。このほか同氏は、同工場をこれまで通りConergy社が単独で運営していく可能性についても示唆した。さらに同氏は、「同工場は現在、製造体制の強化に取り組んでおり、2009年末には生産能力を最大限まで高めたい」と付け加えた。
現在Conergy社は、企業再編に向けた取り組みを進めている。同社は過去数カ月間に、中核事業以外のすべての事業を終了し、収益の大幅な低下がみられた地域からの撤退も行っている。また同社は今後、増資も計画しているという。
(Christoph Hammerschmidt:EE Times Europe、翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan)