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2008年11月9日

 「パキッ、チュプ、クシ、クシ、クシ」。プチトマトを食べるとこんな音がするという

エッセイスト三宮麻由子さんの絵本「おいしいおと」(福音館)に載っていた。目が不自由な三宮さんは、音に対して鋭敏な感覚を持っている。ためしに食べると、そのように聞こえてくるから不思議である

店頭に並ぶ旬のコウバコではどんな音がするだろう。これからの風物詩、ブリ起こしの雷鳴や降り積もる雪の音にも耳を澄ましてみたい。聞き耳を立てることは本質を知ろうとすることでもある。ふるさとの音を文字で表してみるのも、親近感がわき面白いかもしれない

きょう金沢検定が行われる。金沢の街を歩くとさまざまな音が聞こえてくる。寺町寺院群の鐘や本多の森のセミ時雨、芸事のけいこ、金沢ことばなど。聞き慣れた音もじっくり耳を傾けると、思いがけない発見もある。例えば市内を流れる用水からは藩政期の歴史や人々の生活の息づかいが伝わってくるに違いない。そんな体験がきっと金沢を身近にしてくれる

金沢検定では多彩な分野の音が奏でられる。音のハーモニーを楽しんでみたい。


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